【第29回若山牧水賞】大辻隆弘さん『橡と石垣』と高山邦男さん『Mother』が受賞
宮崎県は、短歌文学の分野で傑出した功績を挙げた者に贈る「第29回若山牧水賞」の受賞作を発表しました。
第29回若山牧水賞が決定!
第29回若山牧水賞は、次の通り受賞作が決定しました。
選考委員は佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、栗木京子さん、伊藤一彦さん。特別顧問に岡野弘彦さん、馬場あき子さん。
<第29回若山牧水賞 受賞作品>
◎大辻隆弘(おおつじ・たかひろ)さん
『橡(つるばみ)と石垣』(砂子屋書房)
◎高山邦男(たかやま・くにお)さん
『Mother』(ながらみ書房)
受賞者の大辻隆弘さんは、1960年生まれ、三重県松阪市出身。龍谷大学大学院文学研究科(哲学)修了。岡井隆さんに師事。短歌結社「未来」編集発行人。一般社団法人未来短歌会理事長。1998年『抱擁韻』で第24回現代歌人集会賞、2003年『デプス』により第8回寺山修司短歌賞、2010年『アララギの脊梁』で第8回日本歌人クラブ評論賞、第12回島木赤彦文学賞、2016年『近代短歌の範型』で第3回佐藤佐太郎短歌賞、2018年『景徳鎮』で第29回斎藤茂吉短歌文学賞、2023年『樟の窓』で第15回小野市詩歌文学賞を受賞。
同じく受賞者の高山邦男さんは、1959年生まれ、東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。タクシードライバー。短歌結社「心の花」編集委員。2017年『インソムニア』で第23回日本歌人クラブ新人賞、第25回ながらみ書房出版賞を受賞。
若山牧水賞について
若山牧水賞は、日本の短歌史に偉大な足跡を残した歌人・若山牧水(宮崎県日向市東郷町出身)の業績を永く顕彰するため、短歌文学の分野で傑出した功績を挙げた者に贈る文学賞です。宮崎県、宮崎県教育委員会、宮崎日日新聞社、延岡市、日向市が主催。
前年の10月1日から当年9月30日までに刊行された歌集及び若山牧水論の著者を対象に、全国の有力歌人にアンケートを行い、その結果を参考にして、選考委員が決定します。
橡と石垣 大辻 隆弘 (著) 「橡」は「つるばみ」と読む。日本の色の古名である。クヌギの実の煮汁によって染められたその色は重ねれば重ねるほど深みを増し、複雑な色合いになってゆく。それは私の50代後半の日々の印象とどこか似ている。(大辻隆弘) |
Mother 高山邦男 (著) 抒情詩の可能性を追い求める作者の優しくも切ない短編集!「介護と言うと何か負の側面が強調されがちですが、私自身の感覚としては困難とか苦しさより楽しさとか喜びを歌ってきたという思いがあります」(あとがきより) |
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