本のページ

SINCE 1991

岸見一郎さんがマルクス・アウレリウス「自省録」をやさしく解説!『他者との共生はいかに可能か』が刊行

岸見一郎さん著『NHK「100分de名著」ブックス マルクス・アウレリウス 自省録 他者との共生はいかに可能か』

岸見一郎さん著『NHK「100分de名著」ブックス マルクス・アウレリウス 自省録 他者との共生はいかに可能か』

対人関係に悩む人へのヒントに満ちた名著を、『嫌われる勇気』で知られる岸見一郎さんがやさしく解説する『NHK「100分de名著」ブックス マルクス・アウレリウス 自省録 他者との共生はいかに可能か』がNHK出版より刊行されました。2019年4月に発売された番組テキストに、書き下ろしの特別章も収載。

 

生きづらい今にこそ読まれるべき針盤の書

欧米の著名な政治家たちが座右の書にあげるという『自省録』は、第16代ローマ皇帝マルクス・アウレリウスが自身の思索や内省の言葉を綴った古典中の古典。名君と名高いマルクス・アウレリウスが、自己の内面と徹底的に向き合って思索を掘り下げ、野営のテントでろうそくを頼りに書き留めたという異色の哲学書です。

2000年もの間読み継がれてきた豊饒かつ難解な名著で、「困難に直面したとき、人はどう生きるべきか」という普遍的な示唆がそこにあります。

 
本書は、2019年4月の放送に合わせて発売されたテキスト『100分de名著 マルクス・アウレリウス「自省録」』に、書き下ろしの特別章を収載した一冊。著者は、大ベストセラー『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(古賀史健さんとの共著)の著者で、アドラー研究で知られる哲学者・岸見一郎さんです。

 
【はじめに 生きづらい今にこそ読まれるべき針盤の書】より一部抜粋

彼が紡ぐ言葉、行間からにじむ苦悩、それでも前を向いていこうとする姿勢には、生きづらい世の中を生き抜くヒントがあります。仕事に追われ、幸福を感じられない人には、哲学を愛しつつも政務に追われ、理想と現実の狭間で葛藤していたアウレリウスが自分に重なって見えるかもしれません。裏切りや謀略に悩まされていた彼の言葉は、競争社会の中で不信と孤独に苛(さいな)まれている人に寄り添い、励ましてくれるでしょう。『自省録』は、対立を否定し、協力して生きることを繰り返し訴えています。これはまさに排他主義が広がる現代への警鐘、今こそ読まれるべき一冊だと思います。

 
★本書「はじめに」全文を、NHK出版デジタルマガジンで公開:https://mag.nhk-book.co.jp/article/23413

 

本書の構成

はじめに
生きづらい今にこそ読まれるべき針盤の書

第1章 自分の「内」を見よ
運命に導かれて皇帝に/奇跡的に残った『自省録』/『自省録』から浮かび上がるアウレリウス像/自然に一致して生きる/善の泉は自分の「内」にある

第2章 「他者」と共生する
カッシウスの裏切り/過ちは無知から/現実を超えて/賞賛を求めない/怒りや悲しみから自由になる

第3章 「困難」と向き合う
諦めない勇気/悲しみや苦しみの中で自分を見失わない/「善悪無記」なものに執着しない/運命を受け入れる/悪の存在/運命を「自由意志」で受けとめる/困難を受けとめる力を信じる/過去を振り返らない、未来を案じない

第4章 「今、ここ」を生きる
死なない人はいない/「今」を生きる/「ここ」を生きる/他者とのつながり/『自省録』を超えて

ブックス特別章 生の直下で死と向き合う
人生の深淵としての死/死は自然の営みである/死は自然の神秘である/死は変化である/死は休止である/死は権内にない/死を蔑ろにしない/どう生きればいいのか/死に囚われることなく生きる/生と死の絶対的断絶/人間の価値

読書案内

おわりに

 

著者プロフィール

著者の岸見一郎(きしみ・いちろう)さんは、1956年生まれ、京都出身。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋古代哲学史専攻)。奈良女子大学文学部(ギリシア語)、近大姫路大学看護学部、教育学部(生命倫理)、京都聖カタリナ高校看護専攻科(心理学)などで非常勤講師を歴任。専門の哲学と並行してアドラー心理学を研究。精力的に執筆・講演活動を行っている。

著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(古賀史健さんと共著/ダイヤモンド社)、『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵』(講談社)、『プラトンソクラテスの弁明』(KADOKAWA)など。訳書に、アドラー『人生の意味の心理学』(アルテ)、プラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)など。

 

NHK「100分de名著」ブックス マルクス・アウレリウス 自省録: 他者との共生はいかに可能か
岸見 一郎 (著)

自らの戒めと内省こそが、共生への道となる。

名君と名高いローマ皇帝が、自己の内面と徹底的に向き合って思索を掘り下げ、野営のテントで?燭を頼りに書き留めたという異色の哲学書。困難に立ち向かう人を勇気づけ、対人関係に悩む人へのヒントに満ちた不朽の名著を、『嫌われる勇気』で知られる岸見氏がやさしく解説する。書下ろしとなるブックス特別章も収載!

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です