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「世紀のロマンス小説」ではない? 鴻巣友季子さん『マーガレット・ミッチェル 風と共に去りぬ 世紀の大ベストセラーの誤解をとく』が刊行

古今東西の名著を25分×4回=100分で読み解くNHKの人気番組「100分de名著」の番組テキストに大幅な加筆を行い書籍化した、「NHK『100分de名著』ブックス」シリーズより、翻訳家・文芸評論家の鴻巣友季子さん著『NHK「100分de名著」ブックス マーガレット・ミッチェル 風と共に去りぬ 世紀の大ベストセラーの誤解をとく』がNHK出版より刊行されました。

本書のテーマは、「世紀の大ベストセラーの誤解をとく」。鴻巣友季子さんが翻訳家ならではの視点で、名作の多面的な読み方を示します。

 

「ヒロインは二人いる」「実はシスターフッド小説である」

20世紀のロマンス小説として知られる大長編『風と共に去りぬ』。しかし、原文を精緻に読むと、その本質が「恋愛」ではないことがわかります。

 
「ヒロインは二人いる」
「実はシスターフッド小説である」
「養護と扶養という視点で読むと面白い」

――翻訳を手がけた著者だからこそたどり着いた、実に多様な読み方を味わうことができます。Eテレ「100分de名著」テキストに、特別章・ブックガイドなどを大幅加筆のうえ、書籍化。

 
【本書「おわりに」より】

この大河小説はハリウッド映画の大成功のおかげで、売れ行きに拍車がかかり、抜群の世界的知名度を確立しました。その一方、映画のイメージのためにずいぶん誤解されてもきました。
(中略)
本書では、『風と共に去りぬ』への先入観を取り払い、ありのままの姿をご覧いただけるように解説を施しました。

 

本書の構成

はじめに 原作の知られざる世界を味わう

第1章 一筋縄ではいかない物語

第2章 アメリカの光と影

第3章 運命に立ち向かう女

第4章 すれ違う愛

ブックス特別章 養護・扶養小説としての『風と共に去りぬ』

読書案内 黒人文学の古典と現在

おわりに

 

著者プロフィール

鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ)さんは、1963年生まれ、東京都出身。翻訳家、文芸評論家。英米圏の同時代作家の紹介と並んで古典名作の新訳にも力を注ぐ。日本ペンクラブ女性作家委員、獄中作家・人権委員。

主な訳書にエミリー・ブロンテ『嵐が丘』、マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』、ウルフ『灯台へ』、マーガレット・アトウッド『昏き眼の暗殺者』『誓願』『老いぼれを燃やせ』、J・M・クッツェー『恥辱』『イエスの幼子時代』、アマンダ・ゴーマン『わたしたちの登る丘』『わたしたちの担うもの』など。

著書に『明治大正 翻訳ワンダーランド』『翻訳教室』『翻訳ってなんだろう?』『謎とき『風と共に去りぬ』』『翻訳、一期一会』『文学は予言する』など。

 

 


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