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阿川佐和子さんが亡くなった母親の記憶を〈食〉で辿った『母の味、だいたい伝授』を刊行

阿川佐和子さん著『母の味、だいたい伝授』

阿川佐和子さん著『母の味、だいたい伝授』

公開中の映画「エゴイスト」でゲイの青年(宮沢氷魚さん)の母親役を演じるなど女優業も快調な阿川佐和子さんが、食エッセイの最新作『母の味、だいたい伝授』を新潮社より刊行しました。

 

阿川佐和子さんの思い出の「母の味」は? 亡くなった母親の記憶を〈食〉で辿った最新エッセイ集

これまで、娘から見た父の作家・阿川弘之さんの横暴ぶりや食い意地については『アガワ家の危ない食卓』や『強父論』などさまざまなエッセイで書いてきましたが、本書は3年前に亡くなった母が回想の中心。子供の頃からよく作ってくれた料理を自らも作ってみることで振り返る半自叙伝であり、いかに日々をイキイキと過ごすかという〈暮らしのヒント〉集でもあります。

 
「母が作ってくれた料理でいちばん好きだったものはなんだろう。クリームコロッケか鶏飯か。はたまたオックステールシチューかドライカレーか。かつぶし弁当も木須肉(ムースーロー)もおいしかった。そうだ、レモンライスというのもあったっけ……」と始まり、コロナ禍の最中に母をおくった「リモート葬儀顛末記」で終わります。

浮かび上がってくるのは、居職でうるさい夫と4人の子供たちを何十年も毎日食べさせてきたひとりの女性の人生であり、それをゆっくり回想していく娘の姿です。

 
料理研究家の土井善晴さんも本書の帯に、
「この本を読んで、料理を学ぶ学生の教材にしたいと思いました。美味しいはもちろん大切だけど、料理とは人生そのものだとわかるからです。」
と推薦文を寄せています。

 
もうひとつ。再現しようとする母の味あれこれ、レモンライスも鶏飯もクリームコロッケもシーザーサラダも阿川さんが描くと、どれもこれも実に旨そうなんです。

 
【本書の内容】

結婚もした、両親も看取った、私に残ったのはいよいよ〈あの欲望〉だけだ――。懐かしい母の味を再現しようと奮戦し、動脈硬化を注意され、好物の牡蠣に再三あたり、でも食欲と好奇心は相変わらずの日々から生まれた風味絶佳のおいしいエッセイ集。コロナ禍の最中に逝った母をおくった、話題の「リモート葬儀顛末記」を附す。

 

著者プロフィール

著者の阿川佐和子(あがわ・さわこ)さんは、1953(昭和28)年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。

『ああ言えばこう食う』(檀ふみさんとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。その他の著書に大ベストセラーとなった『聞く力』などがある。

 

母の味、だいたい伝授
阿川 佐和子 (著)

アガワの十八番、食をめぐるエッセイ最新作!レシピとしてはあまり役に立たないけど、読めば台所に立ちたくなります。

 


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