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あをにまるさん〈古典文学パロディ小説〉『今昔奈良物語集』が刊行

あをにまるさん著『今昔奈良物語集』(装画:樋口モエさん)

あをにまるさん著『今昔奈良物語集』(装画:樋口モエさん)

あをにまるさんの古典文学パロディ小説『今昔奈良物語集』(装画:樋口モエさん)がKADOKAWAより刊行されました。

 

Twitterで話題沸騰の古典文学パロディ小説を書籍化! あの名作が「奈良」を舞台に生まれ変わる!

著者「あをにまる」さんはウェブ小説サイト「カクヨム」にて活動し、「こころ」「山月記」などの日本古典文学をパロディした短編小説を発表しています。なかでも「竹取物語」をネットスラングと古典文法を織り交ぜて生まれ変わらせた「ファンキー竹取物語」(https://kakuyomu.jp/works/16816700426703762022)は大きな反響を呼び、2021年に株式会社はてなが主催した「はてなインターネット文学賞」(https://kakuyomu.jp/contests/hatena_internet_bungaku)で大賞を受賞しました。

 
「ファンキー竹取物語」のほか、「鹿」になってしまった親友との友情譚「若草山月記」や、「どん」とあだ名される冴えない銀行員の悲哀を描いた「どん銀行員」などWebで人気を博した8つの短編に、書き下ろしを加えて『今昔奈良物語集』として書籍化されることとなりました。

 
Twitterアカウント「卑屈な奈良県民bot」の中の人でもある「あをにまる」さんの奈良愛と、教科書でお馴染みの古典文学と記憶に新しい時事問題や社会現象が溶け合う斬新さが詰まった一冊です。

 

『今昔奈良物語集』概要

【内容紹介】

「ガチの昔。竹取の翁といふ陽キャありけり」
あの名作が現代奈良で生まれ変わる!抱腹絶倒の文学パロディ短編集

総務省のエリート官僚・稲田永才は、故郷の奈良へ出張し車で移動していたところ、一匹の鹿を轢いてしまう。慌てる稲田をよそに、鹿はたちまち草むらに隠れ「痛いやんけ……」と繰り返し呟き始めた。その声を聞いた稲田の身に衝撃が走る。それはかつて母校の唐招提寺学園で机を並べた親友・市田理一郎の声だった。(「若草山月記」)

奈良の地方銀行「平城銀行」の本店職員・小山栗夫は、鈍くささとミスの多さから「どん」というあだ名で呼ばれていた。行内で有名なパワハラ部長・兵藤により、十津川村の出張所へ異動となった小山。しょんぼりと配属先で働き始めた矢先、銀行の勘定系システムに障害が発生。口座振替や振り込みが遅延、さらには全店舗のATMがフリーズし、キャッシュカードが機械に吸い込まれたまま戻ってこないなど最悪の事件が続出して――。(「どん銀行員」)

…ほか全11篇。

 
<目次>

走れ黒須(太宰治「走れメロス」)
奈良島太郎(「浦島太郎」)
二十歳(菊池寛「形」)
ファンキー竹取物語(「竹取物語」)
大和の桜の満開の下(坂口安吾「桜の森の満開の下」)
古都路(夏目漱石「こころ」)
三文の徳(芥川龍之介「薮の中」)
若草山月記(中島敦「山月記」)
どん銀行員(新美南吉「ごんぎつね」)
うみなし(宮澤賢治「やまなし」)
耳成浩一の話(小泉八雲「耳無芳一の話」)

 

著者プロフィール

著者の あをにまる さんは、1994年生まれ。奈良県出身、在住。2021年に小説投稿WEBサイト「カクヨム」に投稿した「ファンキー竹取物語」が、はてなインターネット文学賞大賞を受賞。同作を収録した『今昔奈良物語集』にて作家デビュー。

 

今昔奈良物語集
あをにまる (著)

ガチの昔。竹取の翁といふ陽キャありけり――抱腹絶倒の文学パロディ集!

黒須は激怒した。必ず、かの邪知暴虐のぼったくりバーを除かねばならぬと決意した――。大和八木の実家に暮らす独身無職の黒須は、大阪に住む悪友・瀬川を訪ねる。久しぶりの再会を喜ぶ二人は、一晩飲み明かそうと宗右衛門町のキャバクラへ。しかしそこは法外な値段設定のぼったくりバーだった! 手持ちが足らない黒須は、瀬川を人質として店に残し、奈良の実家へ現金を取りに戻るため走り出す。(「走れ黒須」)ほか全11篇。

 


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