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【第25回大藪春彦賞】赤神諒さん『はぐれ鴉』と安壇美緒さん『ラブカは静かに弓を持つ』が受賞

第25回大藪春彦賞が決定!

第25回大藪春彦賞が決定!

徳間書店は1月26日、作家・大藪春彦さんの業績を記念し、その物語世界を引き継ぐ新進気鋭の作家および作品に贈る「第25回大藪春彦賞」の受賞者・受賞作を発表しました。

 

第25回大藪春彦賞が決定!

第25回大藪春彦賞の選考会が1月26日午後5時より東京・新橋の第一ホテル東京で開催され、次の通り受賞作家と作品を選出しました。

 
<第25回大藪春彦賞 受賞作家・受賞作品>

◎赤神諒(あかがみ・りょう)さん
『はぐれ鴉』(集英社)

◎安壇美緒(あだん・みお)さん
『ラブカは静かに弓を持つ』(集英社)

 
選考委員は、大沢在昌さん、黒川博行さん、東山彰良さん。

受賞者の赤神諒さんと安壇美緒さんには大藪春彦賞選考委員会と後援の徳間書店から正賞として顕彰牌・賞状、副賞として各150万円が贈られます。

贈賞式は3月上旬に関係者のみで執り行われます。なお、昨年10月に決定した第6回大藪春彦新人賞(受賞者:天羽恵さん/受賞作「日盛りの蝉」)の贈賞式も同時に行われます。

 
<参考> 第25回大藪春彦賞 候補作

◎赤神諒さん『はぐれ鴉』(集英社)
◎安壇美緒さん『ラブカは静かに弓を持つ』(集英社)
◎城山真一さん『ダブルバインド』(双葉社)
◎山之口洋さん『SIP 超知能警察』(双葉社)

 

受賞者プロフィール

 
■赤神諒(あかがみ・りょう)さん

1972年生まれ、京都府京都市出身。同志社大学文学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、上智大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。私立大学教員、法学博士、弁護士。2017年「義と愛と」(『大友二階崩れ』に改題)で第9回日経小説大賞を受賞し作家デビュー。

他の著書に『大友の聖将』『大友落月記』『太陽の門』『神遊の城』『妙麟』『計策師 甲駿相三国同盟異聞』『空貝 村上水軍の神姫』『酔象の流儀 朝倉盛衰記』『立花三将伝』『仁王の本願』、最新刊の『友よ』など多数。

 
■安壇美緒(あだん・みお)さん

1986年生まれ、北海道出身。早稲田大学第二文学部卒業。2017年『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。

2022年『ラブカは静かに弓を持つ』で第6回未来屋小説大賞を受賞。他の著書に『金木犀とメテオラ』がある。

 

大藪春彦賞について

大藪春彦賞は、作家・大藪春彦さんの業績を記念し徳間書店が創設、「優れた物語世界の精神を継承する新進気鋭の作家及び作品」に贈られる文学賞です。

大藪春彦賞選考委員会が主催し、毎年10月1日から翌年9月末日までに発表された小説作品の中から選ばれます。

 

はぐれ鴉
赤神 諒 (著)

寛文六年、豊後国・竹田藩で城代一族二十四人殺しという凄惨な事件が起きた。
一人逃げ延びた城代の次男・次郎丸は復讐のため、江戸で剣の腕を磨き、名を変え、叔父で下手人である現城代・玉田巧佐衛門がいる竹田の地を十四年ぶりに踏んだ。長い時を経て再会した巧佐衛門は、兇行を目の当たりにした当時の印象と違い、みすぼらしい容姿で、高位にありながら地位や名誉に関心がない変わり者と周囲から噂されていた。
そして次郎丸は竹田小町と評判の巧佐衛門の娘・英里と出会い、予期せず惹かれていく。恋か復讐か、千々に乱れる心を抱きながらも、煮え滾る復讐心を支えに必ずや叔父を討つと心に誓うのだが……。

ラブカは静かに弓を持つ
安壇 美緒 (著)

深く潜れば潜るほど、主人公と自分を重ね、浅葉先生に救われ、突き刺される。
暗い深海で一筋の光にすがるように、どうか壊れてしまわないでと願いながら、一気に読み終えました。
限られた文字数では、語りきることなどできません。
この物語はこう紡がれ、奏でられるしかなかったのだと、心から感じました。
まだずっと、余韻が残響のように、自分の中で鳴り続けています。
――斉藤壮馬さん(声優)

その人は尊敬すべき師であると同時に、得がたい友人になった。
内向的な青年の冷めた視線に映し出された世界が、次第にみずみずしく光に満ちた世界に変わっていく。
たとえその前提が裏切り行為であったにしても。
――篠田節子さん(作家)

優れた演奏を聴き終えたかのような感動が胸に満ちてくる。
嘘を重ねる主人公にこうまで味方したくなるのは、
書き手の筆に嘘がないからだろう。
〈音楽の力〉によって結びつき回復してゆく人々を、
〈言葉の力〉で描ききった希有な小説。
――村山由佳さん(作家)

武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……

 


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