本のページ

SINCE 1991

生きるべきか、死ぬべきか――「優柔不断」な青年は、ある答えにたどり着く! 河合祥一郎さん『シェイクスピア ハムレット 悩みを乗り越えて悟りへ』が刊行

河合祥一郎さん著『シェイクスピア ハムレット 悩みを乗り越えて悟りへ』

河合祥一郎さん著『シェイクスピア ハムレット 悩みを乗り越えて悟りへ』

シェイクスピア研究の第一人者である河合祥一郎さんが『ハムレット』を明快に解説する、NHK「100分de名著」ブックス『シェイクスピア ハムレット 悩みを乗り越えて悟りへ』がNHK出版より刊行されました。

父を殺された青年ハムレットは、なぜ復讐を先延ばしにするのか。「理性」と「感情」に引き裂かれる近代人の苦悩を描き出した、シェイクスピア悲劇の最高峰の魅力に触れられる一冊です。

 

生きるべきか、死ぬべきか――青年が葛藤する本当の理由とは

シェイクスピア悲劇の最高峰とされる『ハムレット』は、誤解のつきない作品です。たとえば、主人公のハムレットは青白く物憂げな青年で、優柔不断で実行力に欠ける人物と理解されていますが、そうしたイメージは後世のロマン派映画などによって過度に誇張されたもの。本書では、中世と近代の端境期にあったイギリス文化の解説を踏まえて、ハムレットの人物像に迫っていきます。

 
また、『ハムレット』を単なる「復讐劇」ととらえていては、本作の真価は理解できません。著書の河合祥一郎さんは、「理性」と「感情」に引き裂かれる近代人の苦悩を描き出した哲学的な作品であり、有名な名セリフ「生きるべきか、死ぬべきか(To be, or not to be)」もそうした理解で読む必要があると言います。

 
初演以来、実に400年以上にわたり世界中で上演されてきた『ハムレット』。「題名だけは知っているけれど、読んだことがない」という人も、この一冊で奥深さ、面白さがわかります。

書き下ろしとなるブックス特別章「ハムレットの哲学」では、戯曲を読むことの豊かさや難しさについて、河合さんの体験をまじえて語られます。

 

本書の構成

はじめに

第1章 「理性」と「熱情」のはざまで

第2章 「生きるべきか、死ぬべきか」

第3章 「弱き者、汝の名は女」

第4章  悩みを乗り越えて悟りへ

特別章  ハムレットの哲学

 

著者プロフィール

著者の河合祥一郎(かわい・しょういちろう)さんは、1960年生まれ。東京大学大学院教授。専門はシェイクスピア、英米文学・演劇。東京大学文学部英文科卒業後、同大学院にて博士号、英ケンブリッジ大学にてPh.D.を取得。

おもな著書に『ハムレットは太っていた!』(サントリー学芸賞、白水社)、『シェイクスピアの正体』(新潮文庫)ほか多数。シェイクスピア戯曲の新訳のほか、ルイス・キャロル、C・S・ルイスなどの作品を翻訳。

 

NHK「100分de名著」ブックス シェイクスピア ハムレット: 悩みを乗り越えて悟りへ
河合 祥一郎 (著)

父を殺された青年ハムレットは、なぜ復讐を先延ばしにするのか。「理性」と「感情」に引き裂かれる近代人の苦悩を描き出した、シェイクスピア悲劇の最高峰。単なる「復讐劇」ではなく、存在の問題を追求する哲学的な作品として、シェイクスピア研究の第一人者が明快に解説する。書下ろしとなるブックス特別章「ハムレットの哲学」収載!

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です