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麻宮好さん「第1回警察小説新人賞」受賞作『恩送り 泥濘の十手』が刊行

麻宮好さん著『恩送り 泥濘の十手』

麻宮好さん著『恩送り 泥濘の十手』

昨年まで開催されていた「警察小説大賞」をリニューアルした「第1回警察小説新人賞」を受賞した麻宮好さん著『恩送り 泥濘の十手』が小学館より刊行されました。

 

第1回警察小説新人賞選考会にて全選考委員激賞!

「受賞も納得の、高水準の捕物帳であった。第1回警察小説新人賞に応募した作者と、受賞作に決めた選考委員の英断に、あらためて拍手を送りたい」
――書評家・細谷正充さん

 
今年7月に開催された警察小説新人賞の選考会では、「警察小説」という冠ながら、時代物の人情捕物帖「恩送り 泥濘の十手」が満場一致の受賞作となりました。

ジャンルを越境しながらも選考委員が推したのは、とても新人とは思えない堂々たる筆致に一同が魅了されたからに他なりません。本書では、捕物を愉しめるのはもちろん、江戸情緒もたっぷり描写されています。特にヒロインの探索を手助けする、少年ふたりにかかわる人情の機微が読みどころになっています。

 
<選考委員の選評より>

◎相場英雄さん「流れるような文体、各キャラクターの視点、そこから広がる江戸の風景描写が俊逸」

◎月村了衛さん「堂に入った書きぶりで、江戸情緒、人物描写ともに立派なものです」

◎長岡弘樹さん「この文章はすでにプロ級であり、読み手は安心して作品世界に身を委ねていられる」

◎東山彰良さん「細部にまで目端が行き届いていて、登場人物を過不足なく使い切っているところが見事でした」

 
【本書のあらすじ】

火付けの真相を追ったまま、行方知れずになっている岡っ引きの父・利助を探す娘のおまき。おまきを手助けする材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要、そして臨時廻り同心の飯倉。手がかりは漆で塗られた謎の蓋のみ。器の身はどこにあるのか? いったいどんな器なのか? もつれた糸がほどけずに四人が焦るある日、大川に若い男の土左衛門が揚がったという。袂から見つかったのは漆塗りの容れ物。だが、妙なことに蓋と身が取り違えられていた。身元は薬種問屋相模屋の跡取り息子・藤一郎で、のちに利助の遺した蓋と藤一郎が遺した容れ物は一対だったと判る。

利助と藤一郎とを繋ぐ容れ物は果たして誰のものなのか?
おまきと三人は新たな手がかりを元に利助を探し出せるのか?
読者を圧倒する、堂に入った筆力の人情捕物帳!

 

著者プロフィール

著者の麻宮好(あさみや・こう)さんは、群馬県出身。大学卒業後、会社員を経て中学入試専門塾で国語の講師を務める。

2020年、第1回日本おいしい小説大賞応募作である『月のスープのつくりかた』を改稿しデビュー。2022年、本作で第1回警察小説新人賞を受賞。

 

恩送り 泥濘の十手
麻宮 好 (著)

 
【関連】
警察小説新人賞 第1回 受賞作発表|小学館

 


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