本のページ

SINCE 1991

美しい全面帯に変更したら、売り上げが60倍に!西條奈加さん『千年鬼』が重版 香港では長編アニメーション映画の企画も

(左)『千年鬼』全面帯/(右)書影

(左)『千年鬼』全面帯/(右)書影

徳間書店は、西條奈加さん著『千年鬼(せんねんき)』(徳間文庫)の6度目の重版を決定いたしました。

 

“人鬼”になってしまった少女の魂を救うため、小鬼は千年の旅に出る

本書は、ファンタジー、時代小説、推理小説と幅広いジャンルで活躍する西條奈加さんによる、精緻な筆致で紡がれた、切なくもあたたかい、人と鬼たちが織りなす物語。2015年8月に文庫版が発売されました(単行本は2012年6月刊)。

 
文庫版発売から5年目の今年10月、この物語の世界が描かれた美麗な全面帯に巻きかえたところ、再度書店での展開拡大につながり、最近 の「鬼」ブームともあいまって、その実売数は、過去1年間(2019年10月~2020年9月)の平均月間数に比べ、10月は約36倍、11月は約60倍の伸びとなりました(※日販、トーハン各POS調べ)。こうした好調な売り上げを背景に この度の重版につながりました。

 
――人間からは姿が見えないはずの小鬼が、偶然その姿が見えるという少女・民(たみ)に出会う。小鬼が民に過 去世(かこぜ)を見せると、民は心に〈鬼の芽〉を生じ、やがて「人鬼」となってしまう。もう一度、民を人間に 戻してあげたい小鬼は、民の魂を解き放つため、黒鬼とともに〈鬼の芽〉を集める千年の旅に出る――。

『千年鬼』全面帯 展開図(イラスト:小林系さん/デザイン:AFTERGLOW)

『千年鬼』全面帯 展開図(イラスト:小林系さん/デザイン:AFTERGLOW)

『千年鬼』の全面帯は、カバーイラストを手がけたイラストレーター・小林系さんによる特製描き下ろし。登場人物や場面など物語の情景が帯のそで部分まで描かれた美麗な全面帯で、『千年鬼』の世界に誘います。

 

『千年鬼(せんねんき)』について

 
【あらすじ】

ある時、森で暮らす小鬼は迷い込んだ少女・民と出会う。民と仲良くなった小鬼は禁断の過去見(かこみ)の術を使って民が探す弟のいた過去世を見せるが、それにより民は〈鬼の芽〉を心に生じさせ「人鬼(ひとおに)」になってしまう。

小鬼は、転生を繰り返す彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる〈鬼の芽〉―酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年、好きな人を殺した男を側仕えにしていじめ抜く姫君、行商をしながら長屋で一人暮らす老婆、凶作が続く村で愛娘を捨てろと言われ憤る農夫、田舎から出て姉とともに色街で暮らす少女―を摘み取る千年の旅を始める。美しくも切ない想いを精緻な筆致で紡ぐ感動ファンタジー。

鬼の芽は、鬼ではなく人に宿る。恨み辛みを糧として ときにゆっくりと ときにひと息に 身内にそだつ やがてその実がはじければ 額に二本の角をもつ 人鬼となる げに恐ろしきは鬼ではなく この人鬼なり 『千年鬼』店頭パネル

鬼の芽は、鬼ではなく人に宿る。恨み辛みを糧として ときにゆっくりと ときにひと息に 身内にそだつ やがてその実がはじければ 額に二本の角をもつ 人鬼となる げに恐ろしきは鬼ではなく この人鬼なり 『千年鬼』店頭パネル

 
<目次>
三粒の豆
鬼姫さま
忘れの呪文
隻腕の鬼
小鬼と民
千年の罪
最後の鬼の芽

 

著者プロフィール

著者の西條奈加(さいじょう・なか)さんは、1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞。

主な著書に『千年鬼』『刑罰0号』『せき越えぬ』『隠居すごろく』『永田町小町バトル』や「善人長屋」「お蔦さんの 神楽坂日記」シリーズなどがある。

 

『千年鬼』を原作とした長編アニメーション映画企画が香港で進行中!

デジタルハリウッド株式会社が取り組んでいる、日本のコンテンツを発掘し海外へライセンス販売を行う「日本IPグローバルチャレンジ・プログラム」により、 小説『千年鬼』(著:西條奈加さん)を原作とし製作する長編アニメーション映画『Another World 世外(仮題)』の企画 が香港にて進行中です(2022年以降に完成予定)。

2020年8月に開催されたHAF(香港/アジアフィルム・ファイナンシング・フォーラム)にて、劇映画部門の大賞を受賞し、今後アジア圏でも注目を集める一冊です。

 

千年鬼 (徳間文庫)
西條 奈加 (著)

森で暮らす小鬼は、弟を探して迷い込んだ少女・民と出会う。
過去見の術を使って弟がいた過去世を見せるが、その為に民は錯乱し、身内に『鬼の芽』を生じさせた。
鬼の芽は、破裂し、非道を働けば、地獄に落とされ、現世へ二度と戻れない。
だから小鬼は、生まれ変わる度に生じる鬼の芽を、千年にわたって、摘みとる業を自ら望んで背負うことに……。
人の心の機微を、気鋭の著者が描く、ファンタジー小説。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です