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柚月裕子さん『教誨』が発売即重版!

柚月裕子さん著『教誨』

柚月裕子さん著『教誨』

小学館より11月下旬に刊行された、女性死刑囚の心に迫る柚月裕子さんの長編小説『教誨』が発売即重版となりました。

 

ベストセラー『孤狼の血』『慈雨』『盤上の向日葵』に連なる一年ぶりの長編!

「悲しい物語ではあるけれど、罪と罰の真髄を見た気がして心が震えた」――黒木瞳さん(俳優)

 
【あらすじ】
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身元引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は死刑当日の響子がどんな様子だったのか、拘置所の職員に訊ねた。

«遠くを見ながら、約束は守ったよ、褒めて、と。それが最期の言葉でした」
響子は誰かと約束をしていたらしい。
「その約束とはなんですか。誰と交わしていたんでしょう」
橘が首を横に振る。
「わかりません。最後の言葉がどのようなものであっても、立会人はなにも訊ねません」
命乞いをしても、恨み言を叫んでも、刑の執行は変わらない。どのような言葉でもただ受け止めることが、いまから死する者への恩情ということか。
響子が最後までこだわっていた約束とはなんなのか、気になる。»
(本文より)

 
香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。
選べない境遇、負のスパイラル・・・彼女の罪は彼女だけのせいなのか。胸の奥から憤りとやるせなさがふつふつとわき上がり、ページをめくる手が止まらない。読後、タイトル『教誨』の意味が重くのしかかる。

 
<柚月裕子さんより>

「自分の作品のなかで、犯罪というものを一番掘り下げた作品です。執筆中、辛くてなんども書けなくなりました。こんなに苦しかった作品ははじめてです。響子が交わした約束とはなんだったのか、香純と一緒に追いかけてください」

 
【全国の書店員さんから反響続々!】

◎「読み終えてあまりにも切なく哀しく、しばらく放心状態でした。響子の最期の言葉の意味が分かった時、涙が止まりませんでした」(紀伊国屋書店エブリイ津高店 髙見晴子さん)
◎「哀しくてやり切れない思いを終始抱えながら読みました。〝罪を憎んで人を憎まず〟という言葉を、本当の意味で初めて理解できたような気がします」(六本松蔦屋書店 山田麻奈未さん)
◎「重厚かつリアリティに満ちた社会派小説。人の深き業を完璧に書き切っており、読む者の感情を揺さぶる。ラストの一言には強く頷くほかない」(エムズエクスポ花巻店 菅野樹さん)

 

著者プロフィール

著者の柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)さんは、1968年生まれ、岩手県出身。2008年『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。

2013年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、2019年『朽ちないサクラ』で第5回徳間文庫大賞を受賞。

他の著書に『最後の証人』『検事の本懐』『検事の死命』『検事の信義』『蟻の菜園‐アントガーデン‐』『パレートの誤算』『月下のサクラ』『ウツボカズラの甘い息』『あしたの君へ』『慈雨』『盤上の向日葵』『暴虎の牙』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオの咲く夏』などがある。

 

教誨
柚月 裕子 (著)

女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説!

幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉――
「約束は守ったよ、褒めて」

吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。

 


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