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短歌史上初!アイドルたちが短歌に挑戦する「アイドル歌会」が公式歌集を刊行

『アイドル歌会 公式歌集1』

『アイドル歌会 公式歌集1』

短歌研究社が発行する月刊誌『短歌研究』の創刊90周年を記念して、2021年7月に初開催された人気アイドルによる歌会「アイドル歌会」は、歌集『アイドル歌会 公式歌集1』を講談社より刊行しました。

 

ついに歌集出版! 人気アイドルが「本当の気持ち」を5・7・5・7・7に乗せて伝えます!

編者はベストセラー歌集『サラダ記念日』の俵万智さん、歌集『念力家族』がNHKドラマ化された笹公人さんという有名プロ歌人のお二人と、アイドル・コミック文化に詳しい吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)。発行は老舗・短歌研究社。

 
2021年7月6日開催の第1回「アイドル歌会@サラダ記念日」は、第一次販売チケットが7分で完売などメディアで大反響。このたび全5回の「神イベント」の感動と涙と笑いをリアルに歌集で再現しました。

 
アイドルたちが作った100首を超える全短歌と、1000首を超えるファンのSNS投稿短歌のセレクション。参加アイドルは14人。江嶋綾恵梨さん(26時のマスカレイド)/大場花菜さん(=LOVE)/鹿目凛さん(でんぱ組.inc)/巫まろさん(METAMUSE ex.ZOC)/吉川友さん/駄好乙さん(鶯籠)/寺嶋由芙さん/十束おとはさん(フィロソフィーのダンス)/豊田萌絵さん/なでしこさん(ヤなことそっとミュート)/播磨かなさん/真山りかさん(私立恵比寿中学)/宮田愛萌さん(日向坂46)/律月ひかるさん(いぎなり東北産)。

参加アイドル「ぺろりん先生」こと鹿目凛さんによる、アイドルとファン(ヲタク)の関係を描いた装画イラストも話題に。

 
(口上)

短歌は千三百年前からつづく、愛の交換ツール。
愛し合う喜びを、会えない哀しみを、道ならぬ恋の苦しみを、五・七・五・七・七の三十一文字に乗せる。一晩かかってしゃべっていたことより、三十一文字のほうが気持ちが伝わることがある。
短歌を披露しあうのは、歌会。歌を持ち寄り、自分たちの「推し」の歌を鑑賞し合う。

短歌に一番はない。上手い、下手はない。あるのは、どの歌が好きか、どの言葉が胸に響くか。
「あなたは、どの短歌を推しますか」

愛を届けるといえばアイドル、そして、推しアイドルを応援するファンたち。アイドルと短歌との出会いーー新しい可能性が広がる。
短歌と出会ったアイドルは、三十一文字でどんな思いを紡ぐのか。
みなさん、お待たせしました、「アイドル歌会 公式歌集1」をお届けします。

 

本書の構成

 
1=再現! アイドル歌会
「アイドル歌会全5回」でアイドルが作った全歌を紹介。イベントで語られた、その歌に託した思い、ほかのアイドルがどう読んだのかの「推しコメント」をすべて紹介します。東京池袋「ミクサライブ東京」で開催したレギュラー歌会をたっぷり再現します。

アイドル歌会(11月23日)撮影・林晋介

アイドル歌会(11月23日)撮影・林晋介

 
2=再現! 念力付け句大会
選者&アイドル、アイドル&アイドル、アイドル&ファンが短歌を合作!
上の句(五・七・五)のお題には、下の句の七・七を。
下の句(七・七)のお題には、上の句の五・七・五を。
選者のお題にアイドルが、そしてアイドル自身もお題を考えて、ほかのアイドルや、ファンも、付け句をします。リアルタイムで会場で紹介したり。アイドルもステージ上でスマホを見て、面白かった付け句を紹介します。

 
3=TOKYO IDOL FESTIVAL特別出張編・作品紹介
レギュラー大会とは別に、毎年お台場で開催されるTOKYO IDOL FESTIVAL(フジテレビ主催)で、2021年と2022年に、特別出張版を開催。その時披露された短歌を特別収録します。TIF出張版に参加したのは、江嶋綾恵梨さん(26時のマスカレイド)/大場はるかさん(ナナランド)/高木悠未さん(LinQ)/寺嶋由芙さん/村上まなつさん(DIALOGUE+)。

 
4=ファンたちのSNS投稿付け句傑作選
アイドルがステージから出したお題に、リアルタイムで会場や配信視聴のファンたちが付け句を投稿。その場で、どんどんリアルタイムに紹介されます。アイドルも面白いと思ったファンの付け句を紹介。ひとつのお題に最高で200以上のSNS付け句投稿があり、イベント5回で、のべ投句数は1000首を軽く超えます。
その中から、編者と編集部が、380首を厳選して紹介。

 
◆巻末スペシャルコンテンツ 編者座談会=「ベリーベスト・オブ・アイドル短歌」
俵万智さん・笹公人さん・吉田尚記さんの三人は企画の立ち上がりから参加し、手作りでイベントの形を考えてきたその苦労話や、あらためてアイドル短歌のベストを選出。

 
収録のアイドル短歌は148首。ファンのSNS投稿は380首。

 

参加アイドルと短歌代表作 〔敬称略〕

◆「アイドルのスイッチ入る空色の愛の魔法に袖を通せば」(宮田愛萌・日向坂46)

宮田愛萌(日向坂46)

宮田愛萌(日向坂46)

◆「お父さん? 恋人? 友達? 誰目線? 遠くて近い特別たちよ」(真山りか・私立恵比寿中学)

真山りか(私立恵比寿中学)

真山りか(私立恵比寿中学)

◆「「変わったね」君に言われて「変わったよ」変わらなければ続けられない」(鹿目凛・でんぱ組.inc)

鹿目凛(でんぱ組.inc)

鹿目凛(でんぱ組.inc)

◆「ただいまと私の街で歌う日のポニーテールは気合のしるし」(大場花菜・=LOVE)

大場花菜(=LOVE)

大場花菜(=LOVE)

◆「進化する私を見てて卒業は終わりだけれどはじまりだから」(江嶋綾恵梨・26時のマスカレイド)

江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)

江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)

◆「平日のオフにカフェラテ飲みながら普段の君に思いを馳せる」(寺嶋由芙)

寺嶋由芙

寺嶋由芙

◆「就職から結婚報告まで受けとめて わたしは歩くパワースポット」(十束おとは・フィロソフィーのダンス)

十束おとは(フィロソフィーのダンス)

十束おとは(フィロソフィーのダンス)

◆「口紅をちょっぴり濃くしただけなのに男ができたと容疑がかかる」(巫まろ・METAMUSE.ex.ZOC)

巫まろ(METAMUSE.ex.ZOC)

巫まろ(METAMUSE.ex.ZOC)

◆「もし君が繋いだ手から僕の寿命吸い取っていてもそれでもいいよ」(律月ひかる・いぎなり東北産)

律月ひかる(いぎなり東北産)

律月ひかる(いぎなり東北産)

◆「スーパーのビニール袋に口紅とファンデを詰めていざイベントへ」(吉川友)

吉川友

吉川友

◆「円陣をもう組むことのないグループに あけおめLINE送るべきかな」(播磨かな)

播磨かな

播磨かな

◆「公式のスリーサイズでできた衣装入らないのは多分気のせい」(豊田萌絵)

豊田萌絵

豊田萌絵

◆「その飛沫君が振り撒くほとばしるライトに照らされ虹色幻想」(駄好乙・鶯籠)

駄好乙

駄好乙

◆「応援のリフトは神輿きらきらとされてる側の景色がこれか」(なでしこ・ヤなことそっとミュート)

なでしこ(ヤなことそっとミュート)

なでしこ(ヤなことそっとミュート)

 

編者プロフィール

 
■俵万智(たわら・まち)さん

1962年生まれ、大阪出身。280万部という現代短歌では最大のベストセラーとなった歌集『サラダ記念日』の著者。同歌集で現代歌人協会賞を受賞。日常で使われる「口語」を用いて、短歌の幅を大きく広げた。

ほかの歌集に『かぜのてのひら』『チョコレート革命』、『プーさんの鼻』(若山牧水賞受賞)、『オレがマリオ』などがある。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。2020年に歌舞伎町ホストたちの歌集としてヒット作となった『ホスト万葉集』『ホスト万葉集・巻の二』では企画のはじめから編者として関わった。

最新歌集『未来のサイズ』を20年10月に上梓。同作で、詩歌文学館賞と迢空賞をダブル受賞。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。

 
■笹公人(ささ・きみひと)さん

1975年生まれ、東京出身。第一歌集『念力家族』がNHKドラマの原作となったほか、短歌のエンターテインメント性を追求する第一人者。続く歌集・作品集に、『念力図鑑』『抒情の奇妙な冒険』『念力ろまん』作品集『念力レストラン』などがある。

大林宣彦監督『その日のまえに』にも出演。「未来短歌会」選者。「牧水・短歌甲子園」審査員。日本文藝家協会会員。近作に『パラレル百景』(北村みなみさんとコラボ)、最新歌集に『終楽章』(短歌研究社)。

 
■吉田尚記(よしだ・ひさのり)さん

1975年生まれ、東京出身。ニッポン放送アナウンサー。第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞受賞。

ラジオ以外にもテレビ番組やイベント司会、書籍の出版など幅広く活躍。バーチャルMC「一翔剣」の「上司」。人呼んで「日本一忙しいアナウンサー」。またマンガ、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、「マンガ大賞」発起人をつとめ、著書『なぜこの人と話をすると楽になるのか』が13万部を超えるベストセラーになるなど、アナウンサーの枠にとらわれず活動を続けている。

最新著作は、『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました』(石川善樹さんと共著)。

 
■編集・発行:短歌研究社(たんかけんきゅうしゃ)

昭和7年創刊の短歌総合誌『短歌研究』発行元。1988年より講談社の100パーセント子会社となる。『短歌研究』は、今年創刊90年の、日本で最も歴史の長い老舗短歌雑誌。短歌を切り口とした新しい短歌書籍、短歌イベントに進出。

2020年、歌舞伎町ホストの短歌集として話題となった『ホスト万葉集』がヒット(講談社文庫から発売中)。短歌のエンタテインメント性の拡大を指向し、月刊誌『短歌研究』創刊90周年記念企画として「アイドル歌会」を主催。

 

アイドル歌会 公式歌集1
俵 万智 (編集), 笹 公人 (編集), 吉田 尚記 (編集)

アイドルが短歌に初挑戦! アイドル界でも短歌界でも大注目の神イベント「アイドル歌会」が歌集になりました。
2021年の第1回「アイドル歌会@サラダ記念日」から1年。100を超える短歌と1000を超えるファンたちとの付け句を厳選。
歌会に参加のアイドルは14人。
江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)/大場花菜(=LOVE)/鹿目凛(でんぱ組.inc)/巫まろ(ZOC)/吉川友/駄好乙(鶯籠)/寺嶋由芙/十束おとは(フィロソフィーのダンス)/豊田萌絵/なでしこ(ヤなことそっとミュート)/播磨かな/宮田愛萌(日向坂46)/真山りか(私立恵比寿中学)/律月ひかる(いぎなり東北産)

あの神イベントの興奮が、歌集で蘇る!

収録の短歌

●お題「ファン」
育てかた間違えていたガチ恋は終わればおさまる元カレ面に(鹿目凛)
「さようなら」その一言を交せずに出会いと別れまた繰り返す (駄好乙)
平日のオフにカフェラテ飲みながら普段の君に思いを馳せる(寺嶋由芙)
お父さん? 恋人? 友達? 誰目線? 遠くて近い特別たちよ(真山りか)

●お題「衣装」
アイドルのスイッチ入る空色の愛の魔法に袖を通せば(宮田愛萌)
公式のスリーサイズでできた衣装入らないのは多分気のせい(豊田萌絵)
年齢とスカート丈が反比例わたしの青春測り切れない(真山りか)
共演のフリフリ衣装見ないふり 心に巻いてるピンクのリボン(律月ひかる)

特別収録として、TOKYO IDOL FESTIVALで、2021年、2022年に開催した「特別出張版」で発表した短歌も収録。TIF出張版に参加したのは、江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)/大場はるか(ナナランド)/高木悠未(LinQ)/寺嶋由芙/村上まなつ(DIALOGUE+)

 
【関連】
アイドル歌会(@idol_utakai) / Twitter

 


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