本のページ

SINCE 1991

ウクライナの絵本作家が侵攻直後から鉛筆1本で描いた戦禍のドキュメンタリー『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』が刊行 「子どもたちの腕に名前と生年月日、連絡先を書いた。万が一、死んでしまっても身元が分かるように。」

オリガ・グレベンニクさん著『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』(ロシア語監修:奈倉有里さん、訳:渡辺麻土香さん・チョン・ソウンさん)

オリガ・グレベンニクさん著『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』(ロシア語監修:奈倉有里さん、訳:渡辺麻土香さん・チョン・ソウンさん)

河出書房新社は、戦禍の中で描かれた鉛筆による絵日記、オリガ・グレベンニクさん著『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』(ロシア語監修:奈倉有里さん、訳:渡辺麻土香さん・チョン・ソウンさん)を9月5日に刊行しました。

※なお、河出書房新社では、本書の売り上げ1冊につき100円をウクライナ赤十字社に寄付します。

 

ウクライナの現実、戦争の現実を描く、慟哭のドキュメンタリー!

ロシアがウクライナに軍事侵攻した2月24日。著者オリガ・グレベンニクさんはその日からマンションの地下室での避難生活を余儀なくされ、ハリコフ(ハルキウ)から西部の街リヴォフ(リヴィウ)を経て、ブルガリアまで逃れていく過程を絵と文章で綴っていました。

それを韓国の出版社が4月に書籍化すると世界で大きな反響を呼び、日本でもNHK「おはよう日本」(6月6日放送)で紹介され、現在イタリア、ドイツ、ルーマニア、フィンランドなど、世界数カ国で出版が決定しています。

心に迫る絵と切実な文章で綴られた、ウクライナの現実、戦争の現実を描く、慟哭のドキュメンタリー作品です。

 
「子どもたちの腕に名前と生年月日、そしてわたしの電話番号を書いた。万が一、死んでしまっても身元が分かるように。」(本書より)

「ねぇ、どう思う? 戦争中でも、わたしのたんどーび(誕生日)ってあるのかな?」(娘の言葉より)

「私の生きてきた35年をすべて捨てるのに、猶予はたった10分しか与えられなかった。母親を、家を置いて。わが子たちのために」

「リヴォフ(リビウ)、別れの街。夫と別れなければならない地点。夫は国境を越えることができなかった。男性たちは国外に出ることはできない」

地下室にチョークを持ってきた。とうとう、ここにも「洞窟壁画」と言えるくらいのものが出来上がった。

地下室にチョークを持ってきた。とうとう、ここにも「洞窟壁画」と言えるくらいのものが出来上がった。

はっきりとどこへ行くのかは分からないまま、わたしたちは電車に飛び乗った。

はっきりとどこへ行くのかは分からないまま、わたしたちは電車に飛び乗った。

夫はわたしたちをバスに乗せた。ここから先、彼はわたしたちと一緒に行くことができない。

夫はわたしたちをバスに乗せた。ここから先、彼はわたしたちと一緒に行くことができない。

 

黒柳徹子さん推薦!

1984年にアジアで初めてユニセフ(国際連合児童基金)親善大使に任命され、多くの慈善活動に携われている黒柳徹子さんから推薦のメッセージが寄せられています。

 
「鉛筆一本もって地下室に避難し、戦争と二人の子どものことを描き続けるウクライナの絵本作家。走り書きのような絵と文章は、差し迫った彼女の心が表れている。今までなかった戦争日記!」

 

著者オリガさんの言葉

わたしがこの日記を書くのは「戦争反対!」と叫ぶためである。
戦争に勝者はいない。そこにあるのは血、破壊、
そしてわたしたちひとりひとりの心の中に出来た大きな穴だけだ。
わたしは民族で人を分けない。人を定義するのは、民族ではなく行動だからだ。
多くのロシア人が戦争に反対しているということも知っている。
今わたしは国籍や民族を問わず、わたしを助けてくれる人たちと共にいる。
彼らには「力」がある。
戦争は終わり、そういう力を持った人たちは今は、はっきりと分かる。戦争と人間が別物であるということが。
戦争は人間など気にしない。戦争はわたしを思いっきり揺さぶった。

 

著者プロフィール

 
■著者:オリガ・グレベンニク(Olga Grebennik)さん

1986年生まれ、ウクライナ・ハリコフ(ハルキウ)出身。大学では建築学を専攻し、現在は絵本作家、イラストレーター、アーティストとして活動している。9歳の息子と4歳の娘の母(2022年4月現在)。

『ママ、怒らないで』などの絵本を出版。彼女が挿絵を描いた本はすべてベストセラーになり、イラスト作品も世界各国で人気を博す。

 
■ロシア語監修:奈倉有里(なぐら・ゆり)さん

1982年生まれ、東京出身。ロシア国立ゴーリキー文学大学卒業、東京大学大学院博士課程満期退学。博士(文学)。

著書に『夕暮れに夜明けの歌を──文学を探しにロシアに行く』(イースト・プレス)、『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』(未知谷)、訳書にミハイル・シーシキン『手紙』、リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』、ウラジーミル・ナボコフ『マーシェンカ』(以上新潮社),サーシャ・フィリペンコ『赤い十字』(集英社)など。

 

戦争日記 : 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々
オリガ・グレベンニク (著), 奈倉有里 (監修), 渡辺麻土香 (翻訳), チョン・ソウン (翻訳)

【衝撃の記録、緊急出版! 】
ウクライナの絵本作家が侵攻直後から鉛筆1本で描いた、戦禍のドキュメンタリー。

ロシアがウクライナに軍事侵攻した2月24日。
著者はその日からマンションの地下室での避難生活が始まり、そしてハリコフ(ハルキウ)から西部の街リヴォフ(リヴィウ)を経て、ブルガリアまで逃れていく過程を絵と文章で綴った。

韓国の出版社が書籍化すると世界で大きな反響があり、日本でもNHK「おはよう日本」(6月6日放送)で紹介された。現在、世界数カ国で出版が決定している。

戦争によって破壊された日常、別れなければならない家族、恐怖との戦い……心に迫る絵と切実な文章で綴られた、今こそ読まれるべき一冊。
ロシア語監修/解説:奈倉有里

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です