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君嶋彼方さん「小説野性時代新人賞」受賞後第一作『夜がうたた寝してる間に』が刊行

君嶋彼方さん著『夜がうたた寝してる間に』(KADOKAWA)

君嶋彼方さん著『夜がうたた寝してる間に』(KADOKAWA)

第12回「小説 野性時代 新人賞」受賞作『君の顔では泣けない』に続く、君嶋彼方さんのデビュー第2作『夜がうたた寝してる間に』がKADOKAWAより刊行されました。

 

余計な“力”を持ったせいで、こんなにも一人ぼっちだ――。

どんな力があっても、才能があっても、抱える苦しみや悩みはきっとそれほど変わらない。
様々な苦悩を抱く人々が織りなすこの物語の中に、「自分」を見つけていただけたら幸いです。
――君嶋彼方さん

 
昨年9月に刊行された『君の顔では泣けない』で〈15年も元に戻らない〉二人の〈入れ替わり後の日常〉を描き、新人ばなれしたデビュー作として話題を集めた君嶋彼方さん。第2作となる本作は、「少し人と違う」ことにコンプレックスを感じ、笑顔という仮面をつけなければ周囲になじめない、「普通」とされる人々との距離感に悩む高校生の姿とその成長が描かれた小説です。

 
そのルールは誰の何のためにあるのか?「普通」っていったい…?
君嶋さんの特徴でもある、美しく、そして、瑞々しくもエモーショナルな筆致で描かれる切実な叫びは、同調圧力が生まれやすい環境にいる私たちにリアルに突き刺さります。

『夜がうたた寝してる間に』書店店頭用パネル画像

『夜がうたた寝してる間に』書店店頭用パネル画像

【あらすじ】

他人と違っても、俺ならうまくやっていけると思っていた。
――あの事件が起きるまでは。

高校二年の冴木旭には、時間を止めるという特殊能力がある。だがそのせいで普通の高校生活は脅かされていた。異質な存在への無遠慮な視線と偏見に耐え、必死で笑顔をつくる旭だったが、大量の机が窓から投げ捨てられる怪事件が起き、能力者が犯人と疑われる。旭は真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするも、悩みをわかり合えると思った能力者仲間の篠宮と我妻にも距離を置かれてしまう。焦りを覚えていたとき、また新たな事件が起きて……。

必死でみっともなく、真っ直ぐに生きるすべての人の背中を押す青春小説。

 
<全国の書店員より推薦コメント続々!>

知りたいのに知りたくない、知ってほしいのに知ってほしくない。人間ってなんて不器用な生き物なのだろう。
求められること、信じてもらうこと、認めてもらうこと、ともに笑いあうこと、とてもシンプルだけど、
っとそれだけでこの先も生きていたいと思える。
これは生きづらい今を生きる、私たちの物語だ。
すごく、すごく、面白かったです!!!!!
──宮脇書店新広田店 國本ゆい奈さん

超能力!この特殊な設定をさらりと自然な様子で描き、マイノリティの苦悩、親や友だちへの思い、
将来への不安がリアルにじわじわと伝わってくる。
他者と分かり合うことの難しさ。
自分に向き合う姿がとても清々しくて悩む姿に青春を感じました。
──水嶋書房くずはモール店 井上恵さん

頭の止まっている夜の描写からグイグイと引き込まれてしまった、この苦しく切なくきれいな物語に。
無理して周りに合わせようとしたり、孤独感に苛まれたり、
誰しも一度は経験したことがあるであろう感情が丁寧に描かれていて胸が苦しくなるほどだった。
疾走感と光の射す方へ向かうようなやさしい余韻の残るラストが素晴らしかった。
──六本松蔦屋書店 峯多美子さん

このまま夜が明けなければいいのに、
と朝を迎えることが憂鬱だったあの日の自分に、
この本を渡せたらどんなにいいだろうかと思います。
孤独な痛みを否定することなくずっと隣にいてくれる物語に脳がいっぱいになりました。
読み終えてから数日経ちますが、その後の彼ら彼女らに思いを馳せずにはいられません。
前作も大好きですが今作も大・大・大好きです!!
──紀伊國屋書店鶴見大学ブックセンター 伊勢川詩織さん

学校って緊張の連続。傷つきながら笑顔でやり過ごすことだって誰にだってある。
叩きつけられるような言葉に胸がヒリヒリした。
持つ者が悩み苦しむように、持たない者もそれぞれの想いがある。
人と関わるには傷は伴うもの。足掻け、そして泥臭くあれ、若者よ!
清々しいラストに胸が鳴った――!
──未来屋書店大日店 石坂華月さん

 

著者プロフィール

撮影:中林香

撮影:中林香

著者の君嶋彼方(きみじま・かなた)さんは、1989年生まれ、東京都出身。2021年「水平線は回転する」で第12回小説 野性時代 新人賞を受賞。同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー。

 

夜がうたた寝してる間に
君嶋 彼方 (著)

『君の顔では泣けない』著者待望の新刊! 小説野性時代新人賞受賞第一作。

高校二年の冴木旭には、時間を止めるという特殊能力がある。だが旭にとって一番大事なのは、普通の場所で、普通の人と同じように生きていくことだ。異質な存在に向けられる無遠慮な視線や偏見に耐え、必死で笑顔をつくっていた旭だったが、大量の机が教室の窓から投げ捨てられるという怪事件が起こり、能力者が犯人ではないかと疑われる。旭は真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするも、悩みをわかり合えると思っていた能力者仲間の篠宮と我妻にも距離を置かれてしまう。焦りを覚えていたところに、また新たな事件が起きて……。

装画:jyari

<デビュー作>

君の顔では泣けない
君嶋 彼方 (著)

圧倒的リアリティで「入れ替わり」を描く小説野性時代新人賞受賞作!

高校1年の坂平陸は、プールに一緒に落ちたことがきっかけで同級生の水村まなみと体が入れ替わってしまう。いつか元に戻ると信じ、入れ替わったことは二人だけの秘密にすると決めた陸だったが、“坂平陸”としてそつなく生きるまなみとは異なり、うまく“水村まなみ”になりきれず戸惑ううちに時が流れていく。もう元には戻れないのだろうか。男として生きることを諦め、新たな人生を歩み出すべきか――。迷いを抱えながら、陸は高校卒業と上京、結婚、出産と、水村まなみとして人生の転機を経験していくことになる。

 
【関連】
君嶋彼方 特設サイト | カドブン

 


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