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【第12回小説 野性時代 新人賞】君嶋彼方さん「水平線は回転する」が受賞 奨励賞に河合紗都さん「どしょぼね」と橋本秋葉さん「連鎖するチョイスチョイスチョイスと天秤の帰結」

第12回小説 野性時代 新人賞が決定!

第12回小説 野性時代 新人賞が決定!

KADOKAWAは3月15日、公募の新人文学賞「第12回小説 野性時代 新人賞」(旧「野性時代フロンティア文学賞」)の選考結果を発表しました。

 

第12回小説 野性時代 新人賞の選考結果について

第12回小説 野性時代 新人賞は、3月15日午後3時より選考会を開催。応募総数667作品の中から最終選考に残った3作品について審査し、次の通り受賞作が決定しました。また、受賞に準じる賞として、奨励賞も選出されました。

 
<第12回小説 野性時代 新人賞 受賞作品>

■新人賞

君嶋彼方(きみじま・かなた)さん ※ペンネーム
「水平線は回転する」

 
■奨励賞

◎河合紗都(かわい・さと)さん ※ペンネーム
「どしょぼね」

◎橋本秋葉(はしもと・あきば)さん ※ペンネーム
「連鎖するチョイスチョイスチョイスと天秤の帰結」

 
新人賞を受賞した君嶋彼方さんは、1989年(平成元年)11月8日生まれ。男性。東京都出身。東京都足立区在住。明治大学卒業。現在、会社員。君嶋さんには賞金100万円が贈られ、受賞作は単行本として2021年夏頃にKADOKAWAより刊行される予定です。

奨励賞を受賞した河合紗都さんは、1979年(昭和54年)4月7日生まれ。女性。京都府出身。京都府京都市在住。京都大学文学部人文学科卒業、同大学院文学研究科文献文化学科修士課程修了。

同じく奨励賞を受賞した橋本秋葉さんは、1996年(平成8年)10月27日生まれ。男性。宮城県仙台市出身、在住。宮城県工業高等学校電気科卒業。

 
選考委員は、冲方丁さん、辻村深月さん、森見登美彦さん。選評は2021年4月25日(日)発売の『小説 野性時代』5月号(※電子雑誌)に掲載される予定です。

 
なお、最終候補作は、以下の3作品でした。

【最終候補作】
◎君嶋彼方さん「水平線は回転する」
◎河合紗都さん「どしょぼね」
◎橋本秋葉さん「連鎖するチョイスチョイスチョイスと天秤の帰結」

★公式サイトTOP:https://awards.kadobun.jp/yaseijidai/
★結果発表ページ:https://awards.kadobun.jp/yaseijidai/announcement/

 

「第12回小説 野性時代 新人賞」受賞作品の梗概

 
■「新人賞」受賞作

◆作品名:「水平線は回転する」

あらすじ:三十歳の主婦・水村まなみは、一年に一度必ず会う相手がいる。その日は夫も娘も連れず、一人で帰省をする。その相手は、高校の同級生の佐文陸という男だった。二人には秘密があった。二人は十五歳のときに、学校のプールに同時に落ちたことがきっかけで体が入れ替わってしまった。そしてそのまま戻ることなく、十五年間を過ごしてきたのだ。
十五歳のとき、入れ替わった二人は戸惑いながらも、それを隠して生活していくことを決めた。いつかこの体が元に戻ることを信じ、二人は協力し合いながら、家族や友人たちをどうにかやり過ごしていた。しかし、水村まなみの体を持った佐文陸は、うまくまなみを演じることができなかった。一方水村は佐文陸としてそつなく過ごし……。

 
■「奨励賞」受賞作

◆作品名:「どしょぼね」

あらすじ:明治四十二年二月、操り浄瑠璃の文楽座は、それまでの座主である植村家から松竹合名会社へ譲渡された。手締めの式の後、文楽座を支えてきた〈おえさん〉こと春は、我が子同様の茜に対し、来し方を振り返って語らおうと誘いをかける。
春の話はまず、春と春の夫・大助との馴れ初めから始まった。明治三年、春が茶見世で働いていた頃、大助に誘いをかけられた。大助には妻子があると直感しながらもつきあい始めると、春をひとりの番頭・正助が訪ねてきて、春は大助が植村家の跡取り息子であることを知る。それをきっかけに操り浄瑠璃を見に行き、そのおもしろさにすっかり目覚める。それから約一年半後、妻を亡くした大助は春に求婚し、春は植村家の一員になり……。

 
◆作品名:「連鎖するチョイスチョイスチョイスと天秤の帰結」

あらすじ:殺し屋の僕・ゴロウは相棒のツバサと一緒に標的の死体を埋める。仕事を終えた朝、組織の人間であるクリケットから、「おまえにしか出来ない仕事」の連絡が入る。宇宙人が仙台市に潜伏しているので始末しろ、というのだ。宇宙人については苦い記憶があった。前の相棒が火星人ジョーンズに殺されたのだ。宇宙人には核と呼ばれる部位があり、専用の弾丸で撃たなければいけない。支給された弾丸は六発。僕とツバサはパルス発信器を用いて宇宙人を捜し出す。スカイと名乗るその宇宙人を始末しようとしたが、「私は地球を救いに来た」という言葉に動揺し、発砲するが失敗。スカイが言うには、自分は善い宇宙人で、ほかの悪い宇宙人三人が地球を乗っ取ろうとしているそうだが……。

 

小説 野性時代 新人賞について

「小説 野性時代 新人賞」は、2009年に創設された公募の文学新人賞です。これまでにない新ジャンルを築きあげるエンターテインメント作品を広く募集し、読む者の心を揺さぶる、将来性豊かな稀代のストーリーテラーを選出します。

 
■原稿枚数:400字詰め原稿用紙換算200枚から400枚(長編1作品)。

■対象作品:広義のエンターテインメント小説。恋愛、ミステリ、冒険、青春、歴史、時代、ファンタジーなど、ジャンルは問いません(ノンフィクション・論文・詩歌・絵本は除く)。

★公式サイト:https://awards.kadobun.jp/yaseijidai/

※第11回より「野性時代フロンティア文学賞」を「小説 野性時代 新人賞」に改称しました。

 

<参考>前回(第11回)大賞受賞作

化け者心中
蝉谷 めぐ実 (著)

その所業、人か鬼か―時は文政、所は江戸。当代一の人気を誇る中村座の座元から、鬼探しの依頼を受け、心優しい鳥屋の藤九郎は、かつて一世を風靡した稀代の女形・魚之助とともに真相解明に乗り出す。しかし芸に心血を注ぐ“傾奇者”たちの凄まじい執念を目の当たりにするうち、藤九郎は、人と鬼を隔てるもの、さらには足を失い失意の底で生きる魚之助の業に深く思いを致すことになり…。善悪、愛憎、男女、美醜、虚実、今昔―すべての境を溶かしこんだ狂おしくも愛おしい異形たちの相克。第11回小説野性時代新人賞受賞作。

 
【関連】
第12回 小説 野性時代 新人賞の選考結果と受賞作|KADOKAWA

 


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