「第21回新潮ドキュメント賞」候補作が決定 鈴木忠平さん、太田泰彦さん、川口穣さん、永田和宏さん、末並俊司さんの計5作品

「第21回新潮ドキュメント賞」候補作
新潮文芸振興会は8月3日、第21回新潮ドキュメント賞の候補作を発表しました。
「第21回新潮ドキュメント賞」候補作
第21回新潮ドキュメント賞の候補作は次の通りです。
【第21回新潮ドキュメント賞 候補作】
◎鈴木忠平(すずき・ただひら)さん
『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(文藝春秋)
◎太田泰彦(おおた・やすひこ)さん
『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』(日本経済新聞出版)
◎川口穣(かわぐち・みのり)さん
『防災アプリ 特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)
◎永田和宏(ながた・かずひろ)さん
『あの胸が岬のように遠かった―河野裕子との青春―』(新潮社)
◎末並俊司(すえなみ・しゅんじ)さん
『マイホーム山谷』(小学館)
なお、今回の選考結果の発表は8月26日の予定です。
新潮ドキュメント賞について
新潮ドキュメント賞は、財団法人「新潮文芸振興会」が主催。ノンフィクション作品(雑誌掲載も含む)を対象とし、「ジャーナリスティックな視点から現代社会と深く切り結び、その構成・表現において文学的にも良質と認められる作品」一篇に授与される文学賞です。
なお、以前は「新潮学芸賞」の名称で2001年まで開催されていましたが、2002年からノンフィクションを対象とする「新潮ドキュメント賞」と、評論・エッセイを対象とする「小林秀雄賞」とに分離しています。
第21回は、令和3年7月1日から令和4年6月30日までを対象期間としています。
選考委員は、池上彰さん、梯久美子さん、櫻井よしこさん、藤原正彦さん、保阪正康さん。
受賞作には、記念品および副賞として100万円が贈られます。
嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか 鈴木 忠平 (著) なぜ 語らないのか。 中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。秘密主義的な取材ルールを設け、マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……。そこに込められた深謀遠慮に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった12人の男たちの証言から、異端の名将の実像に迫る。 |
2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か 太田 泰彦 (著) 米中対立の激化に伴い、戦略物資としての半導体の価値が高まっています。米バイデン政権は政府助成による国内企業のテコ入れを急ぎ、中国への技術移転を阻止する政策を矢継ぎ早に打ち出しました。日本でも半導体産業の復興を目指した国家戦略が始動しています。自動車で進むCASE革命をはじめ経済のデジタル化において半導体は不可欠な存在であり、需要は高まり高度化もますます進んでいます。 経済のグローバル化が進み、半導体をはじめとするテクノロジー産業では、国際的な分業・物流が発達しました。米中で二極化する世界では、複雑化したサプライチェーンの要衝を戦略的に支配下に置かなければ、経済の安定と競争力を保てなくなっています。 |
防災アプリ 特務機関NERV: 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年 川口 穣 (著) ————————————————————————– 「謎の災害速報アカウント」――。 かつてそう呼ばれたツイッターアカウント「特務機関NERV」は、今や社会インフラになった。ツイッターフォロワー数140万人、スマホアプリダウンロード数206万。地震情報や気象警報のツイートはNHKニュース速報よりも速い。 「遊び」から社会インフラへ。 石森大貴とゲヒルンが、情報と防災にかけた10年の歩みを追いかける。 |
あの胸が岬のように遠かった 永田 和宏 (著) 熱く、性急で、誠実でありたくて傷つけあった――。 「二人の人を愛してしまへり」――没後十年、歌人の妻が遺した日記と手紙300通から夫が辿り直す、命がけの愛の物語。 「知らぬまま逝ってしまった きみを捨て死なうとしたこと死にそこねたこと」 ロングセラー『歌に私は泣くだらう――妻・河野裕子 闘病の十年』、最期の日まで愛を詠み続けた二人の物語は、この青春の日々から始まった。 反響を呼び、「書籍化はいつ」と問い合わせが相次いだ長期連載、ついに発売! ! NHKドラマ「あの胸が岬のように遠かった~河野裕子と生きた青春」原作 NHK BS1スペシャル「ほんたうに俺でよかつたのか」(2022年2月25日放送、3月10日再放送)で大注目 |
マイホーム山谷 末並 俊司 (著) 第28回小学館ノンフィクション大賞受賞作 日本有数のドヤ街として知られる東京・山谷。 この地で2002年に民間ホスピス「きぼうのいえ」を創設した山本雅基氏と妻・美恵さんは、映画『おとうと』(山田洋次監督)のモデルとなり、NHK『プロフェッショナル』で特集されるなど「理想のケア」の体現者として注目を集めた。 ところが、現在の「きぼうのいえ」に山本夫妻の姿はない。 山本氏は、なぜ介護を担う立場から受ける立場になったのか。 選考委員絶賛! 【編集担当からのおすすめ情報】 |
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