「第22回新潮ドキュメント賞」候補作が決定 三浦英之さん、吉原真里さん、伊澤理江さん、室橋裕和さん、水谷竹秀さんの計5作品
新潮文芸振興会は8月2日、第22回新潮ドキュメント賞の候補作を発表しました。
「第22回新潮ドキュメント賞」候補作
第22回新潮ドキュメント賞の候補作は次の通りです。
【第22回新潮ドキュメント賞 候補作】 ※刊行順
◎三浦英之(みうら・ひでゆき)さん
『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』(集英社)
◎吉原真里(よしはら・まり)さん
『親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』(アルテスパブリッシング)
◎伊澤理江(いざわ・りえ)さん
『黒い海 船は突然、深海へ消えた』(講談社)
◎室橋裕和(むろはし・ひろかず)さん
『北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本』(新潮社)
◎水谷竹秀(みずたに・たけひで)さん
『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館)
なお、今回の選考結果の発表は8月25日(金)の予定です。
新潮ドキュメント賞について
新潮ドキュメント賞は、財団法人「新潮文芸振興会」が主催。ノンフィクション作品(雑誌掲載も含む)を対象とし、「ジャーナリスティックな視点から現代社会と深く切り結び、その構成・表現において文学的にも良質と認められる作品」一篇に授与される文学賞です。
なお、以前は「新潮学芸賞」の名称で2001年まで開催されていましたが、2002年からノンフィクションを対象とする「新潮ドキュメント賞」と、評論・エッセイを対象とする「小林秀雄賞」とに分離しています。
第22回は、令和4年7月1日から令和5年6月30日までを対象期間としています。
選考委員は、池上彰さん、梯久美子さん、櫻井よしこさん、藤原正彦さん、保阪正康さん。
受賞作には、記念品および副賞として100万円が贈られます。
太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密 三浦 英之 (著) 1970~80年代、資源を求めた日本がアフリカ大陸に残したものは、巨大な開発計画の失敗とさび付いた採掘工場群。 |
親愛なるレニー: レナード・バーンスタインと戦後日本の物語 吉原 真里 (著) 図書館に人知れず眠っていたふたりの日本人からの手紙がいま、語りはじめる。 “……でもレニー、僕はあなたを愛してしまったし、忘れることはできないのです。 ワシントンの図書館で著者が出逢った数百通の手紙。 カズコ──日本でおそらく最初の、そしてもっとも熱心なファン。 マエストロとふたりの日本人とが紡いだ愛の物語を軸に、冷戦期アメリカの文化戦略、高度成長期日本に花開く音楽文化が描かれる。 レナード・バーンスタイン(1918-1990)は、ニューヨーク・フィル、ウィーン・フィルなどのタクトをとった指揮者として、《ウェスト・サイド・ストーリー》《キャンディード》など不滅の名作の数々を生みだした作曲家として、米ソ冷戦期に反核や平和運動に精力的にとりくんだ行動する音楽家として、20世紀を代表する芸術家の筆頭にあげられる巨匠。 スティーヴン・スピルバーグがリメイクし大ヒットしたミュージカル映画『ウェスト・サイド・ストーリー』(2021)やNetflixが制作し、スピルバーグ、マーティン・スコセッシらが名を連ねる伝記映画『マエストロ』(2023年春公開予定)などで、いまなお世界中から注目を集めている。 著者は『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール──市民が育む芸術イヴェント』(2010)、『「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか?──人種・ジェンダー・文化資本』(2013)、『私たちが声を上げるとき──アメリカを変えた10の問い』(共著、2022)など、アメリカ文化史、ジェンダー研究などの分野で活躍する気鋭の研究者、吉原真里。 |
黒い海 船は突然、深海へ消えた 伊澤 理江 (著) その船は突然、深海へ消えた。 本書は実話であり、同時にミステリーでもある。 2008年、太平洋上で碇泊中の中型漁船が突如として沈没、17名もの犠牲者を出した。 生存者の証言によれば、 なぜ、沈みようがない状況下で悲劇は起こったのか。 ふとしたことから、この忘れ去られた事件について知った、一人のジャーナリストが、ゆっくり時間をかけて調べていくうちに、「点」と「点」が、少しずつつながっていく。 彼女が描く「驚愕の真相」とは、はたして・・・・・・。 |
北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本 室橋 裕和 (著) ウマすぎる異国飯と人情を辿るやみつきロードムービー・ノンフィクション! 群馬県高崎市から茨城県鉾田市まで北関東を横断する一本の道、誰が呼んだか「エスニック国道」は知る人ぞ知る異国飯の本場だ。 |
ルポ 国際ロマンス詐欺 (小学館新書) 水谷 竹秀 (著) ナイジェリアでロマンス詐欺犯に直撃! ●被害者と詐欺犯の双方に迫った本邦初のルポルタージュ!● SNSやマッチングアプリで恋愛感情を抱かせ、金銭を騙し取る「国際ロマンス詐欺」の被害が急増している。 なぜ被害者は、会ったこともない犯人に騙されてしまうのか。「お金を払わないと、関係が途切れちゃうんじゃないか……」。被害者の悲痛な声に耳を傾けると、被害者の心理に漬け込む詐欺犯の「手口」が見えてきた。 そして取材を進めると、国際ロマンス詐欺犯は、西アフリカを中心として世界中に広がっている実態が明らかになってきた。 その被害者・加害者の双方に迫った、本邦初の迫真ルポ。 * * * * * ●詐欺犯の“愛の囁き”には、すべからく「裏」がある● ・被害者への「I love you」のメッセージは、例文をコピペして送っている 【編集担当からのおすすめ情報】 その舞台はアフリカ・ナイジェリア。犯人たちが語った手口は、著者が日本で出会った被害者たちが騙された手法と一致することが明らかになっていきます。詐欺犯たちは、いかにして被害者を騙すのか。そして、騙し取ったお金でどんな暮らしをしているのか――。犯罪・事件のルポルタージュとして、そして詐欺被害を少しでも減らすためのヒントとして、一人でも多くの方にお読みいただきたい一冊です。 |
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