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17カ国で出版決定!「自閉症ゆえに文章が書けない」と言われた14歳による、英「最優秀ネイチャーライティング」選出『自閉症のぼくは書くことで息をする』が刊行

ダーラ・マカナルティさん著『自閉症のぼくは書くことで息をする 14歳、ナチュラリストの日記』(訳:近藤隆文さん)

ダーラ・マカナルティさん著『自閉症のぼくは書くことで息をする 14歳、ナチュラリストの日記』(訳:近藤隆文さん)

辰巳出版は翻訳レーベル「&books」より、ダーラ・マカナルティさん著『自閉症のぼくは書くことで息をする 14歳、ナチュラリストの日記』(訳:近藤隆文さん)を刊行しました。

執筆当時14歳で自閉症のナチュラリスト、ダーラ・マカナルティさんが、同じく自閉症の家族とともに北アイルランドの自然を全身全霊で体感していく1年間の記録です。

 

「自閉症ゆえに文章が書けない」と言われた14歳による、イギリス最優秀ネイチャーライティングに選ばれた北アイルランドの四季と動植物たちとの1年間の記録

 
【『自閉症の僕が跳びはねる理由』著者・東田直樹さん推薦!】
「自閉症であることを家族と大自然が肯定してくれた。
人のやさしさ、色彩豊かな植物、そして大空を羽ばたく鳥たちが少年の心を救ったのです。
多様性の尊重とは未来への希望、湧き上がる思いを美しい文章で綴った一冊。」

 
教師から「自閉症ゆえに文章が書けない」と言われたこともあった。けれど、「だからこそみんなより世界を強く感じられる」というダーラさんのまなざしは、世界にひとつだけの特別なレンズです。小さな命のきらめきから大自然のパノラマまでを鮮やかにとらえ、彼自身の世界の見え方・感じ方を私たちに体感させてくれます。

本書は、イギリス最優秀ネイチャーライティングに贈られるウェインライト賞をはじめ、複数の文学賞を史上最年少で受賞。またダーラさんは、英国鳥類保護協会から最も権威あるRSPBメダルも史上最年少で授与されています。

 

本書『自閉症のぼくは書くことで息をする』より一部抜粋

 
14歳、自閉症のぼく 1年間の日記

「この日記はぼくの世界の移り変わりを、春から冬にかけて、家や自然のなか、ぼくの頭のなかを舞台につづるものだ。北アイルランド西部のファーマナ県から東部のダウン県へと道をたどり、住み慣れた家との別れや土地と景色の変化、ときには五感と心を根こそぎ持っていかれる体験も記していく。(中略)心はナチュラリスト、頭は科学者志望、体は自然界への無関心と破壊行為にとっくにうんざりしている人。この日記のページからあふれるくらいに、野生の生き物たちとのつながりを表したり、ぼくなりの世界の見方の説明に努めたりして、ぼくらが家族としてどんなふうに嵐を乗り切るかを描きたい」
――プロローグ より

チョウとの心安らぐひととき

チョウとの心安らぐひととき

 
自閉症のぼくに見える世界

「ぼくは世界の美しいものだけを見る、少なくともそう努めてやまない。ぼくらを取り巻く生命にとても引きつけられる、とてもぐっとくる。自閉症のぼくは何かにつけて感じ方が激しい。喜びのフィルターがない。まわりとちがっていたり、楽しくてはちきれそうになったり、毎日得意の絶頂だったりするのを気に入らない人はたくさんいる。ぼくは好かれない。でも高ぶる気持ちをしずめたくない。だってそうでしょう?」
――第2章 夏 より

自閉症のぼくは世界を強く感じられる

自閉症のぼくは世界を強く感じられる

 
壊れゆく自然への想い

「ぼくはいつもこの問題と闘っている。心臓の鼓動がトンボの翅(はね)みたいに速くなることもあるし、何もしないことへの絶望感を表現する場がなくて、精神的にかなり苦しい。自然界との強い結びつきはそんな弱気をやわらげてくれる。自然のなかに身を置いていると、自分のことばかり考えるのではなく、まわりの生物に気づきやすくなる――木、植物、鳥や(運がよければ)仲間の哺乳類。そういう出会いのなかでぼくらは喜びを感じるし、たぶんそんな瞬間にはっきり理解する。ぼくらは誰もが、この壮大な美しさの世話をし、保護する立場にあるのだと。ぼくらは誰もが管理人(カストディアン)だ」
――第4章 冬 より

気候変動のためのストライキ

気候変動のためのストライキ

 

本書の構成

プロローグ

用語解説

謝辞

訳者あとがき

 

著者プロフィール

 
■著者:ダーラ・マカナルティ(Dara McAnulty)さん

2004年生まれ。北アイルランド出身。作家、環境保護活動家、ナチュラリスト。

父を除く家族全員が自閉症の一家に育ち、その日常を記録した本書『自閉症のぼくは書くことで息をする』は、ウェインライト賞(2020年、英国ネイチャーライティング部門)およびBooks Are My Bag Readers Award(2020年、ノンフィクション部門)を史上最年少で受賞。2019年には環境保護への貢献を認められ、英国鳥類保護協会からRSPBメダルを史上最年少で授与されている。

 
■訳:近藤隆文(こんどう・たかふみ)さん

翻訳家。一橋大学社会学部卒業。

主な訳書に、フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『ヒア・アイ・アム』、マクドゥーガル『BORN TO RUN』(以上、NHK出版)、スピーノ『ほんとうのランニング』(木星社)、ネスタ―『BREATH』(早川書房)、モリソン『フランク・デリク81歳 素晴らしき普通の人生』(三賢社)がある。

 

自閉症のぼくは書くことで息をする (&books)
ダーラ・マカナルティ (著), 近藤 隆文 (翻訳)

東田直樹さん推薦! 17カ国で出版決定!
自閉症ゆえに何も書けないと言われた14歳の少年が綴った、
まばゆい北アイルランドの四季、そして動植物たちとの1年間

 
「自閉症のぼくは、みんなより世界を強く感じられるらしい。
世界はぼくにとって色とりどりの炎のようで、ひたすら美しい。
ぼくはただ、ぼくの世界の感じ方を知ってほしかった。
世界がどんなふうにぼくを揺さぶるのか、知ってほしかったんだ」
――ダーラ・マカナルティ

 


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