本のページ

SINCE 1991

川本直さんデビュー小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が第2回みんなのつぶやき文学賞で1位を獲得 読売文学賞、鮭児文学賞と合わせ3冠!

川本直さんデビュー小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が第2回みんなのつぶやき文学賞で1位を獲得

川本直さんデビュー小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が第2回みんなのつぶやき文学賞で1位を獲得

第2回「みんなのつぶやき文学賞」が3月13日に発表され、川本直さん著『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出書房新社)が国内篇第1位に輝きました。

 

川本直さんのデビュー小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が第2回「みんなのつぶやき文学賞」国内篇第1位に決定! 初小説で読売文学賞受賞という異例の快挙に続く栄冠

『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』は、文芸評論家として活躍してきた川本直さんのデビュー小説で、本年2月に発表された第73回読売文学賞小説賞受賞に続き、第9回鮭児文学賞(豊﨑由美さん主宰)とあわせ、今回の受賞で見事三冠達成の快挙となりました。

 
第2回「みんなのつぶやき文学賞」結果発表会に登壇した文筆家・山本貴光さんは、本作を「フィクションという見かけでなければ、本当にこういう人物が存在したのかもしれないと騙されそうなほど、バックグランドと書き込みが素晴らしい」と評し、同性愛が白眼視された時代に自由を体現し、当時の社会規範とタフにわたり合ったジュリアン・バトラーに「すっかりほれ込んでしまった」と讃辞を贈りました。

 
発表後には、著者・川本直さんも登壇し、読み巧者によって投票される「前身Twitter文学賞や今のみんなのつぶやき文学賞の受賞作はいつも納得の出来」だったと述べ、「選ばれことは本当に嬉しい、驚いている」と喜びを語りました。

 
投票者からは「物語のスケールを支える緻密さと生々しさ、膨大な知と川本さんの多くの目と耳が産み出した最初から最後まで興奮が続く大傑作。」(なみた・らいくさん)、「すごいものを読んだ…という至福の読書体験でした。」(hysさん)といった絶賛の声が寄せられています。

 
<第2回みんなのつぶやき文学賞 TOP3>

【国内篇】
◎第1位:川本直さん『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出書房新社)
◎第2位:乗代雄介さん『旅する練習』(講談社)
◎第3位:滝口悠生さん『長い一日』(講談社)

【海外篇】
◎第1位:ジュリア・フィリップスさん『消失の惑星(ほし)』(訳:井上里さん/早川書房)
◎第2位:劉慈欣さん『三体III 死神永生』(訳:大森望さん・光吉さくらさん・ワン チャイさん・泊功さん/早川書房)
◎第3位:アンドルス・キヴィラフクさん『蛇の言葉を話した男』(訳:関口涼子さん/河出書房新社)

 
※第2回「みんなのつぶやき文学賞」結果発表会の様子は、https://youtu.be/pUZkxklv4Is にてアーカイブをご覧になれます。

 

『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』とは

作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。
トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称されたアメリカ文学史上に燦然と輝く小説家ジュリアン・バトラー。その生涯は長きにわたって夥しい謎に包まれていた。

しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回顧録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。

大胆不敵に入り乱れる虚実――伝説の作家「ジュリアン・バトラー」を創造することで、「もうひとつの20世紀アメリカ文学史」を描き出した壮大な傑作デビュー長編!

 
<絶賛・感動の声が続々!>

米文学の最もスキャンダラスな時代、一際スキャンダラスに生きた恋人たちの生涯を、川本直は微塵の妥協もなく正攻法で描き切る。
──佐藤亜紀さん(小説家)

「川本直は文藝批評家ではなかったのか」。本書を手にする誰もがこう思うに違いない。そう、これは川本直初めての壮大なフィクションであり、読者を言葉だけで作られた迷宮へと誘い込むきわめて面白い小説である。
──高遠弘美さん(フランス文学者)

予想を遥かに上回る大傑作。クィア文学の嚆矢、ジュリアン・バトラーに魅了された。その秘められた真実に打ち震えた!
──伏見憲明さん(作家)

事実と虚偽が入り乱れるポスト・トゥルース時代のデカダンス小説。その筆力には張りがあり熱い魂をもちポップな感覚のあふれる、異才作家のデヴュー作。こんな大胆な発想と実験性をもつ長編は最近読んだことがない。
──富士川義之さん(英文学者)

嘘の中に真実があり、現実のあいだにフィクションは生まれる。スキャンダルの祝祭たる二十世紀文学史のまっただ中に飛び込み、メディア・スターの幻像を泳ぐジュリアン・バトラーは世界文学を大胆に書きかえるのだ。
──柳下毅一郎さん(映画評論家・翻訳家)

バトラーという虚構を軸にしながら、これだけの歴史を再構築し、参考文献も含めて本当にラストのラストまで楽しめる。「嘘から出たまこと」という言葉はこの作品の為にあるのではないかとさえ思える。
──阿久津武信さん(くまざわ書店錦糸町店)

待ってた! 久々に乗っていける不良文学〈ロックンロール〉パーティ! 愛するってこういうこと!?
──伊藤傑さん(丸善 お茶の水店)

「男らしく」という言葉もある意味では腐臭を放ちつつある昨今、主人公がそうであったようにジュリアン・バトラーは感受性豊かな読者人の「秘密の友」として生き続けることでしょう。
──小西功さん(紀伊國屋書店新宿本店)

 

川本直さん プロフィール

川本直(かわもと・なお)さんは、1980年生まれ。東京都出身。2011年「ゴア・ヴィダル会見記」(『新潮』)を発表しデビュー。文芸評論とノンフィクションを手掛ける。

著書に『「男の娘」たち』(河出書房新社)、共編著に『吉田健一ふたたび』(冨山房インターナショナル)がある。本書が初の小説となる。

 

みんなのつぶやき文学賞について

「みんなのつぶやき文学賞」は、書評家の豊﨑由美さんを発起人として2010年に創設された「Twitter文学賞」の志を引き継ぎ、小説好きの新たな遊び場として2021年に創設された文学賞です。

 
参加者は投票期間内にTwitterのタイムライン上にハッシュタグを付け、「その年に刊行された中で、最も面白かった小説のタイトル」を1作品だけ、ツイートで投票。期間内のツイート数を集計し、順位を決定します。

賞の発表後には、全国の協力書店にてフェアが展開されます。

 
昨年の第1回(2020年)「みんなのつぶやき文学賞」は、国内篇第1位に柴崎友香さん『百年と一日』(筑摩書房)、海外篇第1位に劉慈欣さん『三体 黒暗森林(上・下)』(訳:大森望さん・立原透耶さん・上原かおりさん・泊功訳さん/早川書房)が輝きました。

★「みんなのつぶやき文学賞」公式サイト:https://tbaward.jp/

 

ジュリアン・バトラーの真実の生涯
川本 直 (著)

佐藤亜紀氏、高遠弘美氏、伏見憲明氏、富士川義之氏、柳下毅一郎氏 推薦!
書き下ろし、700枚。壮大なデビュー長編小説。

ジュリアン・バトラー。
トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称されたアメリカを代表する小説家。バトラーの生涯は長きにわたって夥しい伝説的なゴシップの靄に包まれていた。しかし、2017 年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。
今、もうひとつの20世紀アメリカ文学史が幕を開ける。

<試し読み増量版>

ジュリアン・バトラーの真実の生涯 試し読み増量版
川本直 (著)

消失の惑星【ほし】
ジュリア フィリップス (著), 井上 里 (翻訳)

「喪失の悲しみは計り知れない。だが、喪失から再生しようともがく人間は美しい」――西 加奈子

この痛みから、目を背けることはできない
ロシア極東の街で幼い姉妹が失踪。この事件がばらばらに生きる女たちを結びつけた――。
新鋭米国作家による文芸作品。全米図書賞最終候補作

【あらすじ】
遠い街、見知らぬ人が受けた傷。
その痛みは、あまりにも身近――

8月のある午後、ロシア東部のカムチャツカ半島の街で、幼い姉妹が行方不明になった。警察の捜査は難航し、事故か誘拐かもわからぬまま時ばかりが過ぎる。失踪事件は、半島中の女性たちに影を落としてゆく。
姉妹の母親、2人を最後に目撃した研究者、心配性の恋人に監視される大学生、自身も失踪した娘をもつ先住民族の母親……ばらばらに生きてきた12人の女性の言葉がつながるとき、事件はふたたび動き出す。

カムチャツカの美しい情景、そこに生きる女性たちの痛みと希望を克明に描き、世界から注目される米国作家による文芸作品。
2019年全米図書賞最終候補作、23の言語で翻訳決定。

写真: Igor Ustynskyy
装幀:早川書房デザイン室

 
【関連】
みんなのつぶやき文学賞公式サイト
祝! デビュー小説にして読売文学賞受賞 大胆不敵に虚実が入り乱れる──川本直『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』試し読み|Web河出

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です