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【第39回詩歌文学館賞】が松岡政則さん『ぢべたくちべた』、三井ゆきさん『水平線』、正木ゆう子さん『玉響』が受賞

日本現代詩歌文学館は3月7日、第39回詩歌文学館賞の受賞作を発表しました。

 

「第39回詩歌文学館賞」各部門の受賞作が決定!

第39回詩歌文学館賞の受賞作が次の通り決定しました。

 
■詩部門
松岡政則(まつおか・まさのり)さん
『ぢべたくちべた』(思潮社)

■短歌部門
三井ゆき(みつい・ゆき)さん
『水平線』(角川文化振興財団)

■俳句部門
正木ゆう子(まさき ゆうこ)さん
『玉響』(春秋社)

 
「詩部門」を受賞した松岡政則さんは、1955年生まれ、広島県出身。1997年「家」で第27回新日本文学賞、2004年『金田君の宝物』で第54回H氏賞、2024年2月には今回の受賞作『ぢべたくちべた』で第57回日本詩人クラブ賞を受賞。

「短歌部門」を受賞した三井ゆきさんは、1939年生まれ、石川県輪島市出身。1992年『曙橋にて』で第21回泉鏡花記念金沢市民文学賞、1996年『能登往還』で第5回ながらみ現代短歌賞、2007年『天蓋天涯』で第35回日本歌人クラブ賞を受賞。雑誌「短歌人」同人。

「俳句部門」を受賞した正木ゆう子さんは、1952年生まれ、熊本市出身。お茶の水女子大学卒業。1973年より能村登四郎さんに師事。読売俳壇選者、熊本日日新聞俳壇選者、南日本新聞俳壇選者。2000年に俳論集『起きて、立って、服を着ること』で第14回俳人協会評論賞、2003年に句集『静かな水』で第53回芸術選奨文部科学大臣賞、2017年に句集『羽羽』で第51回蛇笏賞を受賞。2019年に紫綬褒章を受章。2024年2月には今回の受賞作『玉響』で第75回読売文学賞を受賞

 
選考委員は、「詩」部門が伊藤比呂美さん、小池昌代さん、佐々木幹郎さん、「短歌」部門が加藤治郎さん、吉川宏志さん、米川千嘉子さん、「俳句」部門が西村和子さん、三村純也さん、渡辺誠一郎さん。

受賞者には、正賞として鬼剣舞手彫り面が、副賞として賞金100万円が贈られます。贈賞式は、5月25日(土)15時より日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)にて開催。

 

詩歌文学館賞について

詩歌文学館賞は、現代詩歌文学の振興に寄与すべく設立された「日本現代詩歌文学館」を記念して、優れた詩歌作品集を各ジャンルから選んで顕彰するもので、井上靖初代名誉館長の提唱によって設けられた文学賞。1年間に刊行された詩、短歌、俳句作品集の中から、それぞれ最も優れたものに贈られます。

 
選考は、同館の振興会役員・評議員をはじめとする主要詩歌人、文芸誌編集者など約1,000名からのアンケートを参考に、各分野3名の選考委員が行います。選考委員による選評など詳細は集英社が発行する文芸誌『すばる』6月号に掲載されます。

 

ぢべたくちべた
松岡政則 (著)

「どこまでがわたしのもので/どこからがおやおやのびねつなのか/るいがおよばぬようにかいた聲にならない聲をかいた」
あるくを通して、艸に出会い、大灣に出会い、著者にしか触れえない強度で視るもの聴くものに触れていく。
現代詩文庫 『松岡政則詩集』 から2年ぶり、9冊目の単行詩集。
造本=二月月

歌集 水平線
三井 ゆき (著)

家から望む白山、日本海の水平線から多くのものをいただき紡いだ第九歌集

〈一滴の水も流れて入りにける朝な朝なの日本海かな〉。金沢に移り住み平成から令和へ。自分を解き放てる年齢になり自然と一体化するような感覚が強まる日日。日本海の水平線や霊峰白山を仰ぎ見ながら紡いだ第九歌集。

玉響: 正木ゆう子句集
正木 ゆう子 (著)

からだもこころも食べ物も飲み物も喜びも悲しみも山も海もみんなアナログ。『羽羽』(蛇笏賞)以降の約三〇〇句を厳選。比類なき俳人が瑞々しく詠いあげた日常、そして永遠。

【目次】
触角
那須
草を踏む
無辺
幽禽

狼の祭
歩く
胡桃
玉響

 
【関連】
第39回 詩歌文学館賞 決定 – 日本現代詩歌文学館

 


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