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【第34回吉田秀和賞】鈴木晶さん『ニジンスキー 踊る神と呼ばれた男』が受賞

水戸市芸術振興財団は、優れた芸術評論に贈る「第34回吉田秀和賞」の受賞作を発表しました。

 

第34回吉田秀和賞の受賞作が決定!

第34回吉田秀和賞には、候補書籍116点の中から、次の通り受賞作が決定しました。審査員は片山杜秀さん(評論家・慶應義塾大学法学部教授)、堀江敏幸さん(作家・早稲田大学文学学術院 文化構想学部教授)。

 
<第34回吉田秀和賞 受賞作品>

鈴木晶(すずき・しょう)さん
『ニジンスキー 踊る神と呼ばれた男』(みすず書房)

 
受賞者の鈴木晶さんは、1952年生まれ、東京都出身。東京大学文学部ロシア語ロシア文学科卒業。法政大学名誉教授。専門は精神分析思想史と舞踊史。精神分析に関する著書に『フロイト以後』(講談社現代新書)など。訳書はフロム『愛するということ』(紀伊國屋書店) 、キューブラー・ロス『死ぬ瞬間 死とその過程について』(中公文庫)、ジジェク『イデオロギーの崇高な対象』(河出文庫)、ゲイ『フロイト』、グレイ『猫に学ぶ』(以上、みすず書房)など多数。舞踊史の分野では、『踊る世紀』『バレエ誕生』『バレリーナの肖像』『オペラ座の迷宮』(以上、新書館)、『バレエとダンスの歴史』(編著、平凡社)などの著書、『ニジンスキーの手記 完全版』(新書館)、スヘイエン『ディアギレフ 芸術に捧げた生涯』(みすず書房)、『オックスフォード バレエダンス事典』(監訳、平凡社)など。なお、今回の受賞作『ニジンスキー 踊る神と呼ばれた男』は今年2月に第75回読売文学賞も受賞しています。

鈴木さんには、表彰状と副賞200万円が贈られます。なお、贈呈式は11月30日(土)13時30分から水戸芸術館会議場にて開催。

 
「審査委員選評」「受賞者からのコメント」など詳細は、https://www.arttowermito.or.jp/topics/article_41566.html をご覧ください。

 

吉田秀和賞について

吉田秀和賞は、水戸芸術館開設を記念して、音楽を中心に芸術評論に多大な功績のあった吉田秀和さんの名を冠し1990年に創設された文化賞です。

芸術文化を振興することを目的として、音楽・演劇・美術などの各分野で優れた芸術評論を発表した人物に贈られます。

 

ニジンスキー――踊る神と呼ばれた男
鈴木晶 (著)

〈本書が対象とするのは、見者としてのニジンスキーではなく、ダンサーかつコレオグラファー(振付家)としてのニジンスキーである。
20世紀にはヌレエフ、バリシニコフ、熊川哲也といったスーパースターたちが、バレリーナたちに劣らず、いやバレリーナたちよりも観客を魅了してきた。そうした男性スーパースターたちの系譜の先頭に位置しているのがニジンスキーである。ニジンスキーから男性ダンサーの時代が始まったのである。
その類い稀な跳躍力によって一世を風靡したにもかかわらず、最初の振付作品には小さな跳躍が一つあるだけだ。それだけでなく、その作品『牧神の午後』はバレエの二大原理、すなわち開放性と上昇志向性を否定した。そのニジンスキーの勇気ある一歩から、現代バレエが生まれたのである。〉
さまざまな創作の源泉ともなっている伝説の舞踊家ニジンスキー。その生涯を、豊富なバレエ鑑賞経験に基づき、貴重な資料と写真を駆使して再構成した、バレエ史研究の第一人者による待望のライフワーク。

 
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「第34回吉田秀和賞」受賞者決定のおしらせ|水戸芸術館

 


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