小説読みの愉楽! 米本浩二さん『読書の終り 明け方の光』が刊行
石牟礼道子さんの生涯に鋭く迫った評伝で注目される米本浩二さんによる文学エッセイ『読書の終り 明け方の光』が書肆侃侃房より刊行されました。
米本浩二さんはどんな本を読んできたのか?
『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』(新潮社)で第69回読売文学賞を受賞した米本浩二さんはどんな本を読んできたのか。
自らを漫画の申し子と呼び、小説家を夢みた青年は、毎日新聞学芸部記者を経て、ノンフィクション作家になりました。そんな著者による、選りすぐりの文学エッセイ・評論集です。
《世間からは無視されている作品であっても、こちらの魂に響いてくる、面白いと感じるものであれば、徹底して愛読していい。フィクションでもノンフィクションでも、面白いと感じるもの、こちらの魂に響いてくるものを読みたい。》
――本文より
【選ばれた33作品】 ※敬称略
Ⅰ 女たちの反乱
森崎和江『まっくら 女坑夫からの聞き書き』
上野晴子『キジバトの記』
高樹のぶ子『その細き道』
石牟礼道子『春の城』
中村きい子『女と刀』
高村薫『マークスの山』
瀬戸内寂聴『かの子撩乱』
II 辺境からの問いかけ
丸山豊『月白の道』
大江健三郎『新しい人よ眼ざめよ』
菊畑茂久馬『フジタよ眠れ』
村上龍『限りなく透明に近いブルー』
渡辺京二『逝きし世の面影』
中上健次『千年の愉楽』
国木田独歩『忘れえぬ人々』
梶井基次郎『闇の絵巻』
嘉村礒多『神前結婚』
東峰夫『オキナワの少年』
大岡昇平『中原中也』
宮本輝『螢川』
深沢七郎『みちのくの人形たち』
赤瀬川原平『超芸術トマソン』
III 九州を書く
野呂邦暢『草のつるぎ』
松下竜一『豆腐屋の四季』
島尾敏雄『出発は遂に訪れず』
火野葦平『天皇組合』
松本清張『或る「小倉日記」伝』
吉村昭『戦艦武蔵』
夏樹静子『蒸発』
安達征一郎『鱶に曳きずられて沖へ』
田中小実昌『ポロポロ』
光岡明『いづくの蟹』
丸元淑生『秋月へ』
著者プロフィール
米本浩二(よねもと・こうじ)さんは、1961年生まれ、徳島県出身。福岡市在住。毎日新聞記者を経て著述業に。
著書に『評伝石牟礼道子 渚に立つひと』(新潮社、2017年、第69 回読売文学賞評論・伝記賞)、『魂の邂逅 石牟礼道子と渡辺京二』(新潮社、2020年)、『水俣病闘争史』(河出書房新社、2022年)、『実録・苦海浄土』(河出書房新社、2024 年)など。
読書の終り 明け方の光 米本浩二 (著) |
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