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高層ビル警備員のトホホな日常の記録『気がつけば警備員になっていた。』刊行 著者と『交通誘導員ヨレヨレ日記』著者のトークライブも配信

堀田孝之さん著『気がつけば警備員になっていた。 高層ビル警備員のトホホな日常の記録』

堀田孝之さん著『気がつけば警備員になっていた。 高層ビル警備員のトホホな日常の記録』

高層ビル警備員の「裏」がわかる実録ルポ、堀田孝之さん著『気がつけば警備員になっていた。 高層ビル警備員のトホホな日常の記録』が、笠倉出版社より刊行されました。

 

笑って泣けてじんわりくる、中年警備員のドタバタ奮闘記が書籍化

24時間365日、喜びも悲しみも「ビルの中」にあり。
逃げて、逃げて、また逃げて……。夢敗れ、挫折を繰り返し、現実から逃げ続けた青年がたどり着いた仕事は、「高層ビルの警備員」だった。

「誰でもなれる職業」と自嘲しながらも、置かれた場所で懸命に働く「施設警備員」の実態を、警備員自身が、愛と憎しみで描き出す実録ノンフィクション。

 
著者の堀田孝之さんは、高層ビルの「施設警備員」として4年間を過ごしてきました。そのときのリアルな体験をまとめたものが本書です。

 
商業施設やオフィスビルでは、たくさんの警備員が日夜働いています。お勤めのオフィスビルにも、デパートにも、美術館にも、駅にも、「施設」と呼ばれる場所には必ず警備員が配置されています。警備員の姿を見かけな日はないと言っても過言ではありません。

現在、警備を生業とする人の数は57万人を超えています。にもかかわらず、その仕事の実態は一般にはあまり知られていません。

 
警備員と聞くと、つい「立っているだけの仕事」「歩いているだけの仕事」のような偏見を伴ったイメージを持ってしまいがちです。しかし、本書を読むと、警備員は「マニュアル人間」には務まらない、非常に奥深い仕事であることがよくわかります。

コロナ禍の現在、失業者が増えるに従い、警備員を志す人が増えていくことが予測されます。そんななか本書は、警備業界を知るための格好の材料になるはずです。

 
これまでにも、ベストセラーになった『交通誘導員ヨレヨレ日記』(三五館シンシャ)など、交通誘導警備員のルポルタージュは存在していました(堀田さんはこの漫画版の制作にも携わっています)。

しかし、施設警備員についての詳細なルポは、本書が本邦初です。そういった意味では、貴重な「職業紹介本」といえます。

 
また、本書の最大の魅力は、「読み物としての面白さ」です。単なる「職業紹介本」の枠にとどまらず、まるで映画のストーリーを追っているかのように、ときに笑いあり、涙ありで、感情を揺さぶられながら読み進めることができます。

 
一人の青年が中年になっていくにつれ、「夢と現実」「仕事と家庭」「自意識と差別」「怒りと諦め」の間でもがき苦しむ様は、「青春物語」として読み解くこともできます。

若年層から中高年まで、「置かれた場所で懸命に働くすべての人」を応援する作品です。

 

本書の目次

プロローグ こうして私は警備員になった
●その挫折が警備員への第一歩だった
●夢をあきらめて出版業界に就職したものの…
●編プロを失踪し、収入ゼロになる
●ハローワークで「人生甘くみるな」と怒られる
●気がつけば警備員になっていた

第1章 高層ビル警備員、本日も異常なし
★のんびりできない防災センター
★敷地内と敷地外、警備員にできること
★巡回距離は1日10キロ!? 1カ月で10キロ痩せた
★立ち続けるのも警備員の大切な仕事
★警備員は見ている! 監視モニターに映った女のヒミツ
★肉体的にボロボロになる25時間勤務の地獄
★警備員を続けるための「宿題」
★もっとも緊張する仕事解錠依頼って何
★ブロック侵入異常発生!そのとき警備員は
★大パニック!午前4時「自動火災報知機」発報
★真夜中の訪問者たち
★設備さんと清掃さんは警備員の仲間
★エスカレーターとエレベーターの故障は日常茶飯事
★朝のエレベーター誘導が終わり地獄から解放される

第2章 ほとんど苦労、ときどき楽しい警備の仕事
★前職での挫折が警備員になる第一歩
★鍵!鍵!鍵!鍵を1本でも紛失したら死活問題
★名前のない「警備さん」たち
★警備員の腕の見せどころ工事業者との攻防戦
★「お前、いま何してるの?」警備員であることの羞恥心
★警備員の給料
★深夜の公園で号泣していた外国人女性と
★警備員の夜の悪ふざけ
★オフィスビルは不倫痴態
★非常階段でセックスしないでください
★喫煙警備員の究極の選択
★警備員にとって「いい仕事」とは何か
★45階の高層ビルの屋上から眺める東京の絶景

第3章 警備員の知られざる生活ドキュメント
★東日本大震災と警備員
★警備員の食事
★仮眠ベッドが臭すぎて眠れない
★勤務明けの帰りに
★超かわいい女性警備員がやってきた!けれど
★なぜ、警備員には薄毛が多いのか
★出勤簿の勤務時間を書き換える「正社員」たち
★警備員の合コン事情

第4章 さようなら、警備の仲間たち
★大雪の夜に
★資格をとるということは
★ビジネスエリートが教えてくれたこと
★人間の器は警備員への態度でわかる
★お正月に飛び立つ「警備さんの帽子」
★さようなら、愛しの警備員たち

エピローグ 人は何度でも同じ過ちを繰り返す
●ついに書籍の編集者になった
●そして再び、部屋は空っぽになる
●売れない本を量産して会社を潰した
●どんなにがんばっても報われない人生はある
●そしてまた私は、警備員になった

 

著者プロフィール

著者の堀田孝之(ほった・たかゆき)さんは、1984年生まれ。山梨県出身。横浜国立大学中退。日本映画学校卒業。雑誌の編集プロダクションを経て、施設警備員に。その後、いくつかの出版社を書籍編集者として渡り歩き、再び警備員になる(このあたりの顛末は本書に詳しい)。

著書に『交通誘導員ヨレヨレ漫画日記』(三五館シンシャ)、『「鬼滅の刃」に学ぶ絶望から立ち上がるための27の言葉』(笠倉出版社)がある。

 

『気がつけば警備員になっていた。』発売記念トークライブを配信!

 
『気がつけば警備員になっていた。』×『交通誘導員ヨレヨレ日記』著者二人が語る絶対に面白い〝最前線現場のいま〟

 
トークのお題は、「警備員と交通誘導員、どっちがホントに大変なの?」「中年と壮年、どっちが生きづらい世の中なの?」など、似たようなテーマの本ながら、ふたを開けてみると世代も職場も異なる二人が見てきた、感じてきたことをとことん語り合います。

 
■日時:7月15日(木)14時~

■場所:株式会社伊勢出版社内(東京都台東区浅草橋1-24-1 高政ビル3階)

★配信URL:https://youtu.be/IX4PVKp1C7s

 

気がつけば警備員になっていた。-高層ビル警備員のトホホな日常の記録-
堀田 孝之 (著)

オフィスビルや商業施設で頻繁に見かける「施設警備員」の知られざる仕事内容と、生々しい人間模様を克明に描いた初めての作品。
挨拶しても無視され、お客さんに怒鳴られ、エレベーターが故障し、館内放送ではクレームの嵐……。
それでも私は、今日もビルの中を巡回する。
すべては、家族のために。生きるために。

●本文より●
この本は、自分の人生を肯定するために書いた。だが、書いているうちに「警備員という仕事」が世の中には全然知られていないという事実に思い至った。
街中で見かける警備員たちは、「警備さん」の名前で一括りにされてしまう。しかし当然ながら、一人ひとりの警備員は固有の人生や思いを抱えながら働いていることを、誰かに知ってほしかった。それは、自分を肯定すると同時に、置かれた場所で懸命に働いている人を肯定することでもあった。
どんな仕事をしていても、大変なことがあれば、喜びだってある。
大切にしていた人間関係が、一瞬にして壊れてしまうこともある。
でも、たとえ「どん底」に落ちても、上を見上げれば必ず青空が見えるはずだ。
本書があなたの仕事や人生において、ほんの少しでも「足跡」を残せたならば、著者として望外の喜びである。

交通誘導員ヨレヨレ日記――当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます
柏耕一 (著)

喜びも笑いも涙もすべて路上にあり。
「誰でもなれる」「最底辺の職業」と警備員自身が自嘲する交通誘導員の実態を、悲哀と笑いで描き出す
――すべて実話の生々しさ――

全国55万人強の警備員の主流をなしている「交通誘導員」の人間臭いドラマを克明に描いた初めての作品。通行人にクレーム入れられ、現場監督に怒鳴られ、警察に注意され……。それでも私は今日も路上に立つ。

●はじめにより●
ガス管工事会社専従の若い同僚が、「警備員のことなんて書くことがあるんですか。第一、面白い話なんてないでしょう」と疑問を呈していたが、私はこう答えたものだ。
「それがたくさんあるんだ。なぜなら交通誘導員は一般的に毎日依頼先も現場も同僚警備員も違うからね。近隣住民やドライバーにもさまざまな人がいる。年齢も違えば多様な価値観を持つ人間の集まるところにはドラマが生まれる。私はそれを体験し見聞きしてきたから、面白くないはずがない」と。
日記形式の本文全項目はすべて私の体験が基になっている。心身ともにヨレヨレになりながら奮闘した話もあれば、滑稽な話、深刻な話もある。同業の人にも警備の世界の知識がまったくない人にも一読して何かを感じていただければ幸いである。

【漫画版】『交通誘導員ヨレヨレ漫画日』:https://amzn.to/3w3TZ8r

 
【関連】
【発売記念企画】「交通誘導員ヨレヨレ日記」×「気がつけば警備員になっていた。」著者同士の対談ライブ配信! – YouTube

 


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