累計46万部『スマホ脳』が「上半期ベストセラー新書」3冠達成! 文庫部門では柳美里さん『JR上野駅公園口』が3冠!
5月31日に発表されたオリコン上半期”本”ランキング 2021 BOOKランキング 形態別「新書」、6月1日に発表された出版取次大手の日本出版販売とトーハンの2021年上半期(集計期間:2020年11月24日~2021年5月21日)ベストセラーランキング「新書・ノンフィクション部門」で、『スマホ脳』(著:アンデシュ・ハンセンさん、訳:久山葉子さん/新潮新書)が第1位となりました。 これで同書は「上半期ベストセラー新書3冠」を達成したことになります。
昨年11月の刊行以来、順調に版を重ねてきた同書は現在46万部に達しており、電子書籍も3万部以上を売り上げています。
また、「文庫部門」では、柳美里さんの『JR上野駅公園口』(河出書房新社)が日販、トーハンともに第1位、オリコン上半期“本”ランキング 2021「文庫ランキング」でも第1位に輝き、文庫部門で三冠達成となりました。
なお、日販、トーハン両社の上半期ベストセラーランキングで総合第1位に輝いた、宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』(河出書房新社)は、オリコン上半期“本”ランキング 2021「文芸書部門」でも第1位となり、小説部門の三冠を達成しています。
『スマホ脳』について
『スマホ脳』は、医学者である著者が、スマホなどのデジタル機器が人間の脳に与える影響を、膨大な研究結果からわかりやすく伝えた一冊です。学力低下、記憶力減退、うつ、睡眠障害、依存……といった数多くの悪影響を指摘し、教育大国スウェーデンでは社会現象と言える反響を呼びました。
13カ国で発売が決定、世界的ベストセラーとなった同書は日本でも発売当初から各大手書店チェーンが大きく展開、各新聞・雑誌の書評欄で取り上げられ、池上彰さん、赤江珠緒さん、佐藤可士和さんといった著名人も賛辞を寄せました。NHK「おはよう日本」、日本テレビ「世界一受けたい授業」といったテレビ番組で取り上げられたこともベストセラーの要因と見られます。
ただし、これが一過性でないことは、緊急事態宣言下でも順調に出荷数を増やしていることからも見て取れます。コロナ禍で、大人も子どももスマホやPCなどデジタル機器に接する時間が大幅に増えたことへの問題意識、文部科学省が学校教育にデジタル教科書を導入することへの懸念なども後押ししているようです。
【日本国内の反響について著者ハンセンさんからのコメント】
「日本でこんなに好評なことにとてもびっくりしています。日本に行ったことはありませんが、日本の文化は素晴らしいとずっと思っていました。日本とスウェーデンが似ているのは、新しいテクノロジーに興味を示すこと、それをいち早く取り入れることだと思うのですが、両国とも科学をよりどころにしているとも思います。私が本書で紹介している、新しいテクノロジーと科学が交差する地点は、おそらく日本でもスウェーデンでも人々の心に響いたことなのでしょう。」(「デイリー新潮」2021年3月31日より)
<著者・アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)さん プロフィール>
精神科医。ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学を卒業後、ストックホルム商科大学にて経営学修士(MBA)を取得。現在は王家が名誉院長を務めるストックホルムのソフィアヘメット病院に勤務しながら執筆活動を行い、その傍ら有名テレビ番組でナビゲーターを務めるなど精力的にメディア活動を続ける。
前作『一流の頭脳』は人口1000万人のスウェーデンで60万部が売れ、その後世界的ベストセラーに。
<訳者・久山葉子(くやま・ようこ)さん プロフィール>
1975年生まれ。兵庫県出身。翻訳家。神戸女学院大学文学部英文学科卒業。エッセイスト。
スウェーデン大使館商務部勤務を経て、現在はスウェーデン在住。
『JR上野駅公園口』について
柳美里さん著『JR上野駅公園口』は、連作「山手線シリーズ」の5作目にあたり、高度経済成長の中、その象徴ともいえる「上野」を舞台に、福島県相馬郡(現・南相馬市)出身の一人の男の生涯を描いた小説です。
2020年11月に英語版『TOKYO UENO STATION』(訳:モーガン・ジャイルズさん)が全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞。2018年、日本の文学作品として36年ぶりの受賞となった多和田葉子さん著『献灯使』の英語版『The Emissary』(訳:マーガレット満谷さん)に続く快挙となりました。
世界中の各紙誌、各賞で「ベストブック」にも選出され、大きな話題を呼んだ本書は、現在までに累計発行部数43万部を超えています。
また、現在柳美里さんは「山手線シリーズ」の最新刊にして『JR上野駅公園口』と対をなす作品『JR常磐線夜ノ森駅』の執筆に取り組んでいます。
<柳美里(ゆう・みり)さん プロフィール>
1968年生まれ。高校中退後、東由多加さん率いる「東京キッドブラザース」に俳優として入団。1986年演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年『魚の祭』で岸田戯曲賞、1997年『家族シネマ』で芥川賞を受賞。
2000年以降「自殺」をテーマにした『JR高田馬場駅戸山口』、『JR品川駅高輪口』、『JR上野駅公園口』を刊行。2016年刊『ねこのおうち』は読者の感動を呼び、話題作となった。「国家とは何か?」という問題に挑んだエッセイ集『国家への道順』、東日本大震災以降の南相馬を舞台にした戯曲『町の形見』、山折哲雄さんとの対談集『沈黙の作法』他、著書多数。
『推し、燃ゆ』について
日販、トーハン両社の上半期ベストセラーランキングで宇佐見りんさん著『推し、燃ゆ』が総合第1位に輝きましたが、日販調べの上半期ランキングで小説/フィクション作品が「書籍総合」第1位となったのは、2013年上半期の村上春樹さん著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』以来8年振りとなります。
『推し、燃ゆ』は、ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す高校生のあかりを主人公とした小説です。
本年1月に第164回芥川龍之介賞を受賞。著者の宇佐見りんさんは受賞時21歳、第130回芥川賞を同時受賞した綿矢りささん、金原ひとみさん両氏に次ぐ史上3番目の若さでの受賞となったことも大きな話題となりました(デビュー作『かか』は2020年9月に第33回三島由紀夫賞を史上最年少受賞)。
その後、2021年本屋大賞へのノミネート、世界8カ国・地域での翻訳出版決定、第7回沖縄書店大賞「小説部門」大賞受賞と注目を集め続け、現在までの発行累計部数は50万部を超えています。
<宇佐見りん(うさみ・りん)さん プロフィール>
1999年生まれ。静岡県出身。幼少時から神奈川県在住。
2019年、『かか』で葛藤する母娘の姿を描き、第56回文藝賞を受賞。同作は2020年に三島由紀夫賞(第33回)を史上最年少で受賞。2作目となる本作『推し、燃ゆ』にて、史上3番目の若さで第164回芥川賞を受賞。
スマホ脳 (新潮新書) アンデシュ・ハンセン (著), 久山 葉子 (翻訳) スティーブ・ジョブズはわが子にiPadを与えなかった!? ・わたしたちは1日平均2600回スマホに触り、10分に1回手に取っている |
JR上野駅公園口 (河出文庫) 柳 美里 (著) 東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男の壮絶な生涯を通じ柳美里が描く、居場所を失くしたすべての人へ贈る物語 一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた―東京オリンピックの前年、男は出稼ぎのために上野駅に降り立った。そして男は彷徨い続ける、生者と死者が共存するこの国を。高度経済成長期の中、その象徴ともいえる「上野」を舞台に、福島県相馬郡(現・南相馬市)出身の一人の男の生涯を通じて描かれる死者への祈り、そして日本の光と闇…。「帰る場所を失くしてしまったすべての人たち」へ柳美里が贈る傑作小説。 |
推し、燃ゆ 宇佐見りん (著) 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」 ◎未来の考古学者に見つけてほしい ◎すごかった。ほんとに。 ◎一番新しくて古典的な、青春の物語 ◎ドストエフスキーが20代半ばで書いた ◎今を生きるすべての人にとって歪(いびつ)で、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語 ◎すべての推す人たちにとっての救いの書であると同時に、絶望の書でもある本作を、わたしは強く強く推す。 逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。21歳、圧巻の第二作。 カバーイラスト:ダイスケリチャード |
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