池波正太郎さん『鬼平犯科帳』『仕掛人・藤枝梅安』を新作映画化! 「鬼平」に松本幸四郎さん、「梅安」に豊川悦司さん
「時代劇専門チャンネル」を運営する日本映画放送、NTTぷらら、スカパーJSATの3社は共同で、日本を代表する時代小説家、池波正太郎さん(1923-1990)の代表作『鬼平犯科帳』と『仕掛人・藤枝梅安』を、それぞれ新たに映画化することを決定しました。
主演は「鬼平」が松本幸四郎さん、「梅安」が豊川悦司さんが務めます。
池波正太郎さん“三大シリーズ”の二つが、令和の時代に蘇る!
『鬼平犯科帳』『仕掛人・藤枝梅安』は、『剣客商売』と並んで池波正太郎さんの“三大シリーズ”に数えられる傑作長篇で、ともに時代小説の金字塔として、長年にわたって多くの読者に支持されています。
◆『鬼平犯科帳』
『鬼平犯科帳』は、「鬼の平蔵」こと火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物(罪人の捕縛)を扱った物語。1967年から『オール讀物』(文藝春秋)での連載が始まり、池波正太郎さんが他界する1990年まで23年にわたって135作が発表されました。
累計発行部数3000万部に迫るロング&大ベストセラーで、過去に幾度もドラマ・映画・漫画・舞台化。映像作品では、八代目松本幸四郎(初代松本白鸚)さんをはじめ、丹波哲郎さん、萬屋錦之介さん、中村吉右衛門さんといった名優が長谷川平蔵を演じてきました。
◆『仕掛人・藤枝梅安』
『仕掛人・藤枝梅安』は、殺し針で人知れず悪を葬る「仕掛人」としての裏の顔を持つ鍼医者・藤枝梅安の活躍を描いたハードボイルド作品。1972年に『小説現代』(講談社)で第1作が発表された途端、端正に描き込まれた江戸の暗黒街の仕組みや定法、独自に創案された用語、庶民の日常とのコントラストが圧倒的な支持を集め、その年の読者賞を獲得。以降1990年までの間に20作が発表されました。
映像作品では過去、緒形拳さん、田宮二郎さん、萬屋錦之介さん、小林桂樹さん、渡辺謙さん、岸谷五朗さんが主演を務めました。
池波正太郎さん プロフィール
池波正太郎(いけなみ・しょうたろう)さんは、1923年生まれ。東京都出身。時代小説家、劇作家。
1960年『錯乱』で第43回直木賞を受賞。以降、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シ
リーズや、『真田太平記』に代表される武家物などを世に送り出し、人気を博す。1977年、その精力的な作家活動が評価され吉川英治文学賞が贈られ、1988年には菊池寛賞を受賞。
1990年、急性白血病のため67歳で永眠。連載中の『仕掛人・藤枝梅安 梅安冬時雨』と『鬼平犯科帳 誘拐』は同年4月号分で未完となった。武士から町人まで、普遍的な“人の営み”や江戸の闇の世界を描いた作品の数々は広く大衆に愛され、多くの人々を魅了し続けている。
主演2名が決定! 新たな「梅安」に豊川悦司さん/新たな「鬼平」に松本幸四郎さん
新たな『仕掛人・藤枝梅安』の主人公・藤枝梅安を演じるのは、豊川悦司さん。抜群の演技力で、ある時はクールに、またある時には情熱的に多種多彩な人物を演じ分ける名優が、表の顔は腕利きの鍼医師、裏の顔は仕掛人(殺し屋)というダークヒーロー・梅安に挑みます。
そして新たな『鬼平犯科帳』の主人公である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を演じるのは、松本幸四郎さん。祖父の初代松本白鸚さんが初代・長谷川平蔵を演じてからおよそ半世紀。当代を代表する歌舞伎俳優が、江戸の街にはびこる悪を、時に厳しく、時に情けとともに取り締まる「鬼の平蔵」という“名跡”を継ぐことになりました。
新たな「梅安」は映画2作品、新たな「鬼平」は劇場版と連続シリーズを製作し、ともに今後、撮影・上映予定。原作者・池波正太郎さんの生誕100年に当たる2023年に向けて、プロジェクトが進められています。
主演の豊川悦司さん・松本幸四郎さん コメント&プロフィール
■『仕掛人・藤枝梅安』主演:豊川悦司(とよかわ・えつし)さん
<コメント>
今回、「藤枝梅安」という、とてもとても大きなキャラクターを、池波正太郎先生からお借りすることになりました。子供の頃、緒形拳さんが演じられていた「梅安」が憧れのヒーローでしたので、まさか自分がやることになるとは思っていませんでした。正直、迷う部分もありましたが、チャレンジしがいのある仕事を、映画の神様がくれたのだなと思います。子供たちが見て、「怖いけれど格好いい」と思ってもらえるようなダークヒーローとしての梅安像を、河毛俊作監督とともに作っていきたいと思っています。
<プロフィール>
1990年、北野武監督の映画『3-4 x10月』に出演し沖縄のヤクザ組長役で注目される。1991年『12人の優しい日本人』、1992年『きらきらひかる』『課長島耕作』、1994年『undo』、1995年『Love Letter』、1996年『八つ墓村』と映画に出演。テレビでは1992~93年『NIGHT HEAD』(1994年映画に)、1994年『この世の果て』『この愛に生きて』(いずれもフジテレビ系)と続き、1995年『愛していると言ってくれ』(TBS系)、1997年『青い鳥』(TBS系)と主演ドラマが大ヒットし、人気、実力ともに日本を代表する俳優に。近年の映画主演作に『愛の流刑地』『今度は愛妻家』『必死剣鳥刺し』『一枚のハガキ』『後妻業の女』『パラダイス・ネクスト』。2020年公開映画に『ラストレター』、またハリウッド映画『MIDWAY』では連合艦隊司令長官・山本五十六を演じ好評を博した。2021年には『いとみち』『子供はわかってあげない』『鳩の撃退法』の3作品が全国公開予定。
■『鬼平犯科帳』主演:松本幸四郎(まつもと・こうしろう)さん
<コメント>
『鬼平犯科帳』は池波正太郎先生の傑作であり、祖父(初代松本白鸚)、(萬屋)錦之介のおじさま、叔父(中村吉右衛門)と自分の近い存在が演じておりました作品ですので、今回のお話をいただいたときは喜び以上に驚き、鳥肌の立つ思いでした。そして今、すこぶる興奮しています。5代目の「鬼平」を務めさせていただく幸せとともに、進化した「鬼平」を目指したいと思っております。池波先生が描かれた『鬼平犯科帳』の江戸を、時代劇の職人芸でお見せ致します。根拠はありませんが、自信はあります。どうぞご期待ください。
<プロフィール>
1973年生まれ。東京都出身。二代目松本白鸚さんの長男。1978年、父が主演したNHK大河ドラマ『黄金の日日』に子役で出演。翌年3月に歌舞伎座『侠客春雨傘』で三代目松本金太郎を襲名して初舞台。1981年10月に七代目市川染五郎を襲名。古典から復活狂言、新作歌舞伎にまで取り組み、二枚目から実悪、色悪、女方まで務める。また、劇団や演劇の舞台など歌舞伎以外でも幅広く活動し、テレビ・映画の作品にも多数出演。2001年には重要無形文化財(総合認定)に認定され、2005年には映画『阿修羅城の瞳』『蝉しぐれ』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、報知映画賞最優秀主演男優賞、日刊スポーツ映画大賞主演男優賞を受賞。2018年に十代目松本幸四郎を襲名。映画・ドラマの主な出演作は映画『ラヂオの時間』『天地明察』、主演ドラマ『陰陽師』(テレビ朝日系)、『竜馬がゆく』(テレビ東京系)のほか、大河ドラマ『八重の桜』(NHK)、『古畑任三郎/若旦那の犯罪』『鬼平犯科帳スペシャル 引き込み女』『鬼平犯科帳スペシャル 盗賊婚礼』(いずれもフジテレビ系)など多数。
映画作品情報 〔敬称略〕
■『仕掛人・藤枝梅安』
◆映画2作品製作決定!
◎2022年:撮影予定
◎2023年:2月・5月に2作品公開予定
主演:豊川悦司
監督:河毛俊作
脚本:大森寿美男
企画・プロデュース:宮川朋之
原作:池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』(講談社文庫)
■『鬼平犯科帳』
◆映画化&連続シリーズ製作決定
◎2023年:撮影開始予定
◎2024年5月:劇場公開・連続シリーズ同時配信予定
主演:松本幸四郎
劇場版監督:杉田成道
連続シリーズ演出:山下智彦
脚本:大森寿美男
企画・プロデュース:宮川朋之
原作:池波正太郎『鬼平犯科帳』(文春文庫)
★池波正太郎さん原作『鬼平犯科帳』『仕掛人・藤枝梅安』映画化決定ティザーページ:https://www.jidaigeki.com/onihei-baian/
決定版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫) 池波 正太郎 (著) 斬り捨て御免の権限を持つ幕府の火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵。盗賊からは“鬼の平蔵”“鬼平”と恐れられている。しかし、その素顔は義理も人情もユーモアも心得た、懐の深い人間である。新感覚の時代小説の世界を拓き、不動の人気を誇る「鬼平犯科帳」シリーズ第一巻は、同心・小野十蔵の物語から始まる。 |
新装版・殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫) 池波 正太郎 (著) 仕掛人・藤枝梅安非情の世界に棲む男 品川台町に住む鍼医師・藤枝梅安。表の顔は名医だが、その実、金次第で「世の中に生かしておいては、ためにならぬやつ」を闇から闇へ葬る仕掛人であった。冷酷な仕掛人でありながらも、人間味溢れる梅安と相棒の彦次郎の活躍を痛快に描く。「鬼平犯科帳」「剣客商売」と並び称される傑作シリーズ第1弾。 |
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