【訃報】劇画家・さいとう・たかをさんが死去 「ゴルゴ13」の連載は継続
劇画家のさいとう・たかを(本名:齊藤隆夫)さんが9月24日、膵臓がんのために死去しました。84歳。和歌山県出身。なお葬儀は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、親族のみで執り行われました。
さいとう・たかをさんは、1936年生まれ。1955年に『空気男爵』でデビュー。貸本向け漫画誌の中心的な存在として、大阪で精力的に活動。1960年『台風五郎』の大ヒットで不動の人気を獲得。
その後、活動拠点を東京に移し「さいとう・プロダクション」を設立。作品制作過程における分業化をはかり、脚本部門を設けるなど、プロダクション形態の劇画制作システムを構築します。
1975年に第21回小学館漫画賞、2002年に第31回日本漫画家協会賞・大賞を、ともに『ゴルゴ13』で受賞。2003年に紫綬褒章を受章。2004年に再び『ゴルゴ13』で第50回小学館漫画賞審査委員特別賞を受賞。2010年に旭日小綬章を受章。2018年に『ゴルゴ13』連載50年を迎えます。同年、和歌山県文化表彰文化賞の表彰 、翌2019年には名誉都民の顕彰を受けます。同年、第23回手塚治虫文化賞特別賞を受賞し、2020年で画業65周年を迎えました。社団法人日本漫画家協会理事。
代表作に、『ゴルゴ13』『影狩り』『無用ノ介』『雲盗り暫平』『バロム・1』『サバイバル』、『鬼平犯科帳』(原作:池波正太郎さん)、『仕掛人・藤枝梅安』(原作:池波正太郎さん)など。
1968年に連載を開始した『ゴルゴ13』は、今年7月に単行本201巻が発売され、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されました。
※今月には第202巻「アデン湾の餓鬼」が刊行されています。
なお、『ゴルゴ13』を連載中のビッグコミック編集部は、公式サイト(https://bigcomicbros.net/65270/)にて、「さいとう氏は生前から「自分抜きでも『ゴルゴ13』は続いていってほしい」という、いわば分業体制の究極とも言えるご希望を持たれ、さいとう・プロダクションを、そのような制作集団として再構築されました」とし、「今後は、さいとう・たかを氏のご遺志を継いださいとう・プロダクションが作画を手がけ、加えて脚本スタッフと我々ビッグコミック編集部とで力を合わせ『ゴルゴ13』の連載を継続していく」ことを発表しました。
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【関連】
▼さいとう・プロダクション公式サイト
▼訃報:さいとう・たかを氏 ご逝去 | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館
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