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カズオ・イシグロさんノーベル文学賞受賞後第一作『クララとお日さま』が刊行前に3度の重版 3月、世界同時発売!

カズオ・イシグロさん著『クララとお日さま』(訳:土屋政雄さん)

カズオ・イシグロさん著『クララとお日さま』(訳:土屋政雄さん)

日系英国人作家カズオ・イシグロさんの最新長篇『クララとお日さま』(訳:土屋政雄さん)が、早川書房より3月2日に刊行されます。

ノーベル文学賞受賞第1作となる本書は、注文殺到のため、すでに3度の発売前重版が決定。累計発行部数は65,000部となりました。テレビ、新聞、ネットで多数の著者露出が予定されており、さらなる重版も検討されています。

 

カズオ・イシグロさん著『クララとお日さま』について

その内容がヴェールに包まれている本書ですが、カズオ・イシグロさんから物語のさわりを紹介したコメントが寄せられています。

 
「この本の語り手クララは人間の形をしたAI搭載の機械です。10代の若者が大人になる手助けのために開発されたAF(Artificial Friends)、つまり「人工親友」です。物語の冒頭、クララは他のAFたちと店先に並び、買った人が外の世界へ連れ出してくれるのを楽しみにしています。その間、ウィンドー越しに街の様子を観察して、人間の世界をわかろうと努めます。そして孤独な人間たちに興味を持ち始めます。なぜなら人間の世界に入ったクララの大切な仕事は、「人の孤独」を癒すことなのです。これまでの私の作品をお読みになったかどうかわかりませんが、新作は『わたしを離さないで』と『日の名残り』の流れをくむものです。皆さんにお読みいただけるとうれしいです」

 
また、いち早く本書を読んだ映画監督の是枝裕和さんからもコメントが寄せられています。

「イシグロ。AIロボット。少女。境界を越えた心の交流。読まずにいられるわけがない」

 

著者プロフィール

著者のカズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro)さんは、1954年11月8日長崎生まれ。1960年、5歳のとき、海洋学者の父親の仕事の関係でイギリスに渡り、以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景に育つ。その後英国籍を取得した。ケント大学で英文学を、イーストアングリア大学大学院で創作を学ぶ。

1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年発表の『浮世の画家』でウィットブレッド賞をそれぞれ受賞した。1989年発表の第三長篇である『日の名残り』では、イギリス文学の最高峰ブッカー賞に輝いている。

ほか長篇に『充たされざる者』(1995)、『わたしたちが孤児だったころ』(2000)、『わたしを離さないで』(2005)、『忘れられた巨人』(2015)、短篇集に『夜想曲集』(2009)がある。

2017年にはノーベル文学賞を受賞。2018年には日本の旭日重光章を受章し、2019年には英王室よりナイトの爵位を授与された。

 
『日の名残り』はジェイムズ・アイヴォリー監督/アンソニー・ホプキンス主演、『わたしを離さないで』はマーク・ロマネクさん監督/キャリー・マリガンさん主演で映画化されている。日本でも『わたしを離さないで』『浮世の画家』がそれぞれTBS(綾瀬はるかさん主演)、NHK(渡辺謙さん主演)でドラマ化された。『わたしを離さないで』は蜷川幸雄さん演出で舞台化もされている。

 
著者は現在、黒澤明監督の映画『生きる』の英語版リメイクの脚本に携わっている。

 

クララとお日さま
カズオ・イシグロ (著), 土屋 政雄 (翻訳)

ノーベル文学賞 受賞第一作
カズオ・イシグロ最新作、2021年3月2日(火)世界同時発売!
AIロボットと少女との友情を描く感動作。

装画は福田利之さん。

 


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