本のページ

SINCE 1991

「2021年本屋大賞」ノミネート作が決定! 宇佐見りんさん、加藤シゲアキさん、伊坂幸太郎さん、深緑野分さん、凪良ゆうさんら10作品

「2021年本屋大賞」ノミネート作が決定!

「2021年本屋大賞」ノミネート作が決定!

「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」を決める本屋大賞の2021年度のノミネート作品が決定しました。

 

本屋大賞について

本屋大賞は、出版不況の中、「商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、ひいては出版業界を現場から盛り上げていけないか」という趣旨で設立され、「NPO法人 本屋大賞実行委員会」が運営。書店(オンライン書店を含む)の書店員の投票によってノミネート作品および受賞作が決定されます。

そして今回、本屋大賞では一次投票を2020年11月1日より2021年1月4日まで行い、その集計の結果、上位10作品が「2021年本屋大賞」ノミネート作品として決定しました。

なお、1月21日より2月28日まで、ノミネート作品を対象に二次投票が行われ、4月14日に大賞作品が決定します。

 

2021年本屋大賞ノミネート10作(作品名五十音順)

<2021年本屋大賞ノミネート作品> ※敬称略

◎『犬がいた季節』(伊吹有喜/双葉社)

◎『お探し物は図書室まで』(青山美智子/ポプラ社)
<参考記事>青山美智子さん『お探し物は図書室まで』が6万部突破 泣き方を忘れた大人たちへ――お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?

◎『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)
第164回芥川賞受賞作

◎『オルタネート』(加藤シゲアキ/新潮社)
第164回直木賞候補作

◎『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎/集英社)
第33回柴田錬三郎賞受賞作

◎『この本を盗む者は』(深緑野分/KADOKAWA)
<参考記事>深緑野分さん最新小説『この本を盗む者は』装画コンペは宮崎ひかりさんの作品に決定 / 装画コンペ落選10点を対象に全国の書店員の投票で決まる「書店員賞」発表

◎『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ/中央公論新社)
第4回未来屋小説大賞受賞作読書メーター×ダ・ヴィンチ「読書メーター オブ・ザ・イヤー2020」総合1位

◎『自転しながら公転する』(山本文緒/新潮社)
<参考記事>山本文緒さん7年ぶりの新作『自転しながら公転する』刊行 結婚、仕事、親の介護――全部やらなきゃダメですか?

◎『八月の銀の雪』(伊与原新/新潮社)
<参考記事>科学の揺るぎない真実が、人知れず傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇

◎『滅びの前のシャングリラ』(凪良ゆう/中央公論新社)
「キノベス!2021」1位

 

犬がいた季節
伊吹 有喜 (著)

ある日、高校に迷い込んだ子犬。生徒と学校生活を送ってゆくなかで、その瞳に映ったものとは―。最後の共通一次。自分の全力をぶつけようと決心する。18の本気。鈴鹿でアイルトン・セナの激走に心通わせる二人。18の友情。阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件を通し、進路の舵を切る。18の決意。スピッツ「スカーレット」を胸に、新たな世界へ。18の出発。ノストラダムスの大予言。世界が滅亡するなら、先生はどうする?18の恋…12年間、高校で暮らした犬、コーシローが触れた18歳の想い―。昭和から平成、そして令和へ。いつの時代も変わらぬ青春のきらめきや切なさを描いた、著者最高傑作!。

お探し物は図書室まで
青山 美智子 (著)

お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。

狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。
話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集……。

そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」と――。

自分が本当に「探している物」に気がつき、
明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

推し、燃ゆ
宇佐見りん (著)

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」

◎未来の考古学者に見つけてほしい
時代を見事に活写した傑作
――朝井リョウ

◎すごかった。ほんとに。
――高橋源一郎

◎一番新しくて古典的な、青春の物語
――尾崎真理子

◎ドストエフスキーが20代半ばで書いた
初期作品のハチャメチャさとも重なり合う。
――亀山郁夫

◎今を生きるすべての人にとって歪(いびつ)で、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語
――町田康

◎すべての推す人たちにとっての救いの書であると同時に、絶望の書でもある本作を、わたしは強く強く推す。
――豊崎由美

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。21歳、圧巻の第二作。

オルタネート
加藤シゲアキ (著)

誰しもが恋い焦がれた青春の普遍を、真っ向から描ききる。
加藤シゲアキ、これが新たな代表作。

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。
全国配信の料理コンテストで巻き起こった〈悲劇〉の後遺症に思い悩む蓉(いるる)。母との軋轢により、〈絶対真実の愛〉を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津(なづ)。高校を中退し、〈亡霊の街〉から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志(なおし)。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体――。
“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。

逆ソクラテス
伊坂 幸太郎 (著)

敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!

伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!

◎逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」
◎足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」
◎最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」

ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。

この本を盗む者は
深緑 野分 (著)

『ベルリンは晴れているか』の著者が描く、本泥棒と2人の少女の物語。
森見登美彦氏、推薦。本の魔力と魅力を詰め込んだ、空想の宝箱!

「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。
“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。

「呪われて、読む。そして書く――私たちは!」
森見登美彦氏 推薦!

※電子書籍版には特典として、カバーイラストコンペ応募作品のイラストギャラリーを収録しています。

52ヘルツのクジラたち
町田 そのこ (著)

「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会う時、新たな魂の物語が生まれる。

注目作家・町田そのこの初長編作品!

自転しながら公転する
山本 文緒 (著)

結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか
共感と絶賛の声続々! あたたかなエールが届く共感度100%小説!

東京で働いていた32歳の都は実家に戻り、地元のモールで店員として働き始めるが…。
恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなの無理!
答えのない問いを生きる私たちをやさしく包む物語。
7年ぶり、待望の長篇小説

八月の銀の雪
伊与原 新 (著)

耳を澄ませていよう。地球の奥底で、大切な何かが静かに降り積もる音に――。
不愛想で手際が悪い。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた真の姿とは(「八月の銀の雪」)。会社を辞め、一人旅をしていた辰朗は、凧を揚げる初老の男に出会う。その父親が太平洋戦争に従軍した気象技術者だったことを知り……(「十万年の西風」)。
科学の揺るぎない真実が、傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。

滅びの前のシャングリラ
凪良 ゆう (著)

「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか――。

圧巻のラストに息を呑む。2020年本屋大賞作家が贈る心震わす傑作。

 
【関連】
本屋大賞

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です