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深緑野分さん最新小説『この本を盗む者は』装画コンペは宮崎ひかりさんの作品に決定

KADOKAWAは、『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』で注目を集める深緑野分さんの最新小説『この本を盗む者は』を2020年10月8日に刊行します。

本書の装画は、装丁を担当するデザイナー・鈴木成一さんによるコンペで決定しました。

選考中のデザイナー・鈴木成一さん

選考中のデザイナー・鈴木成一さん

 

『この本を盗む者は』装画コンペは、応募作130点の中から最優秀作品を採用決定!

『この本を盗む者は』は、「本の呪い」に飲み込まれていく町を救うために、本嫌いの少女・深冬が書物の世界を冒険していく、というストーリーです。

 
「『この本を盗む者は』は、いろいろな捉え方ができる作品。そのため、コンペ形式で装画を決めることにしました」と本書の装丁を担当するデザイナーの鈴木成一さん。

 
今年3月に鈴木さんによって開催された『この本を盗む者は』装画コンペには130点の応募がありました。神田神保町(東京都千代田区)で行われた選考会では、参加したイラストレーターの皆さんへの技術的なアドバイスを交えつつ、講評が進みます。

 
「物語のなかの『飛翔』のイメージを描いているとのことですが、読んだ後なら読者に伝わると思います。ただ、カバーなので、未読の読者に伝わるか、が重要ですね」

「表面的にかいつまんで都合のいいところを描いたり、表層的な接点を見つけて小さくまとめるのではなく、作品の深いところに共感することが大事です」

選考会は参加人数を絞り、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じたうえで開催されました。

選考会は参加人数を絞り、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じたうえで開催されました。

そして、熱戦の末、本書の装画は宮崎ひかりさんの作品に決まりました。

 

『この本を盗む者は』装画コンペ 最優秀作品

(C)宮崎ひかり ▲『この本を盗む者は』装画コンペ 最優秀作品

(C)宮崎ひかり ▲『この本を盗む者は』装画コンペ 最優秀作品

宮崎ひかり(みやざき・ひかり)さんは、1988年生まれ、兵庫在住。
フリーランスイラストレーター。イラストレーターズ通信会員。装画、書籍のカットなどを中心に活躍中。

 
<著者・深緑野分さん コメント>

「宮崎ひかりさんは世界観を理解されていて、あとやっぱり技術が群を抜いてますよね。
なにより階段の裏側にいるキツネがかわいすぎて、何度も拡大して見てしまいました」

 
また、惜しくも落選となったイラストの中から鈴木成一さんが選んだ10作品で、「書店員賞」を実施することも決定。書店員賞の結果は後日、発表となります。

 

『この本を盗む者は』について

 
<STORY>

「それは、深冬ちゃんが“今読むべき本に呼ばれた”んじゃないのかな」

書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。

“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”

本の呪い(ブックカース)が発動し、読長町(よむながまち)は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り、世界が元に戻らないと知った深冬は、私立探偵が拳銃を片手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。

 
★文芸WEBマガジン「カドブン」で本書の冒頭部分を公開中!:https://kadobun.jp/trial/303.html

 

著者プロフィール

撮影:土佐麻里子

撮影:土佐麻里子

著者の深緑野分(ふかみどり・のわき)さんは、1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。2013年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。

2015年に刊行した長編小説『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、2016年本屋大賞7位、第18回大藪春彦賞候補。2018年刊行の『ベルリンは晴れているか』では第9回Twitter文学賞国内編第1位、2019年本屋大賞第3位、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補となった。

 
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