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なぜ孫を詠んだ俳句はつまらないのか?俳人・夏井いつきさんが『夏井いつきの俳句道場』刊行 初心者が陥りがちなポイントを徹底分析!

俳人・夏井いつきさんが『夏井いつきの俳句道場』刊行

俳人・夏井いつきさんが『夏井いつきの俳句道場』刊行

芸能界をも巻き込んだ大俳句ブームの立役者・俳人の夏井いつきさん(いつき組・組長)。テレビ「プレバト!!」での活躍に加え、YouTube「夏井いつき俳句チャンネル」の登録者は7万人に迫る勢いです。大人気のいつきさんの俳句指南書『NHK俳句 夏井いつきの俳句道場』が、NHK出版より刊行されました。

 

誰もがつまづく俳句の悩みを解決!

少し俳句をかじったことがある人なら、「字余り(5・7・5の音数をはみ出ること)」、「季重なり(季語が二つ以上入っていること)」などのタブーとされがちな俳句用語を聞いたことがあるでしょう。

あるいは自作が「類想句(よくありがちな発想と言葉選びの句)」や、「平凡なオノマトペ(擬声語・擬態語)」に陥ってはいないか悩んだこともあると思います。

 
『夏井いつきの俳句道場』は、「NHK俳句」テキストで読者に募った「むずかしい俳句」を、夏井いつきさんが選句分析してその攻略法をまとめた異色の俳句指南書です。

収載された秀句は837句!「その手があったか、挑戦する勇気がわく!」という声が多数寄せられています。

 

夏井いつきさんからの熱いメッセージと「いつき選」を紹介

序文で著者は、本書の取り組みへの苦悩と読者への檄文を寄稿しています。いつき選の一席に輝いた秀句と選評も合わせて紹介します。

 
はじめに

~「むずかしい俳句に挑む」というテーマにそそられて始めた月刊「NHK俳句」テキストの連載。募集句を素材として「むずかしい俳句」へのアプローチを分析する企画なのだが、いざ連載を始めてみると、うーむ……と考え込むことばかり。多数の投句を前に何度も途方に暮れた。例えば、「おいしそう」に詠むというテーマ。日頃から「食べ物の季語はおいしそうに詠みたいね」なんて安易に言ってきたが、「食べ物を詠む」と「おいしそうに詠む」とは全く違うことに気づいた。「おいしそうに詠む」とは、思わず唾がでてしまう=味覚という名の肉体反応を言葉で呼び起こすことなのだと分かる。こりゃ大変なハードルだと絶句し、選句の手が止まる。

「不気味」を詠むのテーマにも手を焼いた。多種多様な投句を一つ一つ読んでいくと、「不気味」という概念が分からなくなってくる。辞書には「何となく不安で恐ろしいさま。気味の悪いさま」と書いてあるけど、「不安」と「恐ろしい」と「気味の悪い」はどう違うのか。混沌としてくる。
が、その一方で、ファイティングな気持ちも生まれた。こんな格闘技みたいな連載をよくも続けたものだと、苦
笑いと満足が入り混じる。

(中略)

一つ一つのテーマを読み飛ばさず、自身が詠むことに挑んでいただきたい。がっぷり四つ、この本と格闘して頂けたら、これぞ著者の本望というヤツだ。心から健闘を祈る!  夏井いつき~

 
お題「おいしそう」に詠む

◎一席 肉厚のアジフライ制して酢橘  愛媛県 秋本哲

【選評】「肉厚のアジフライ」の熱々、それを「制して」香り立つ「酢橘(すだち)」。十七音の破調が畳み掛ける描写がクラクラするほど美味そうだ。

 
お題「不気味」を詠む

◎一席 生きたるまま蛆に喰はれてゆく戦争  兵庫県 あまぶー

【選評】「戦争」の悲惨と不気味とは「生きたるまま蛆(うじ)に喰はれてゆく」肉体がそこここに転がる現実を目の当たりにすること。力技の一句。

 
お題「字余り、字足らず」で詠む

◎一席 裏切や湯にひらきゆくわかめわかめ  東京都 大堀剛

【選評】上五「裏切や」が大胆。「湯」に開いていく「わかめ」の緑のように鮮やかな「裏切」とは果たして。下五のリフレインもまた鮮やか。

 

第二部では 演芸家・二代目江戸家小猫さんとの対談も

全二十一の難題に挑んだ第一部「俳句道場 むずかしい俳句に挑む」に加え、第二部「動物俳句の知られざる世界」では、演芸家・二代目江戸家小猫さんとの動物ものまね芸を交えた対談を収載しています。

 
江戸家さんならではの考察で動物の俳句を鑑賞し、いつきさんを驚かせています。句作だけでなく鑑賞の上でも、いかに季語を観察し理解を深めることが重要かを楽しく学べる構成で、人気写真家の半田菜摘さんの写真作品と動物俳句とのコラボレーションも見どころです。

 
夏井いつきさんのファンはもちろん、投稿俳句で選に残りたい人、自分らしい一句を残したい人は、シリーズ第一冊目の『NHK俳句 夏井いつきの季語道場』(NHK出版)と合わせて一読してみてはいかがでしょうか?
本書と格闘した市井の俳人から、歴史に残る一句が生まれる可能性大と思わせてくれるはずです。

 

著者プロフィール

著者の夏井いつき(なつい・いつき)さんは、1957年生まれ。愛媛県出身。松山市在住。俳人。俳句集団「いつき組」組長。藍生俳句会会員。

8年間の中学校国語教諭経験を経て俳人に転身。全国高等学校俳句選手権大会「俳句甲子園」の創設に関わるなど、「俳句の種まき」活動を積極的に行なう。NHK Eテレ「NHK俳句」2016~2017年度選者や、「プレバト!!」(MBS /TBS系)をはじめ、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞・Webなどの各メディアで活躍。「夏井いつき俳句チャンネル」はYouTubeチャンネル登録者約7万人に迫る勢い。

1993年に第8回俳壇賞を受賞。2015年から俳都松山大使。2018年に第44回放送文化基金賞、2021年に第72回日本放送協会放送文化賞を受賞。

 

NHK俳句 夏井いつきの俳句道場
夏井 いつき (著)

「なぜ孫俳句はつまらないのか」。むずかしい俳句に挑む!

ついつい作りがちな「孫を詠んだ俳句」は、なぜ駄句ばかりなのか!?
五七五に収まらない「字余り」俳句や、季語がたくさん入っている「季重なり」俳句を作るのは、やっぱりタブーなのか!?
大好評の『NHK俳句 夏井いつきの季語道場』に続く、夏井いつき道場シリーズの第二弾。俳句入門レベルを抜け出したい読者は、まず本書「俳句道場」からご一読いただくのがお勧め。
第一部「俳句道場 むずかしい俳句に挑む」では、初心者は避けた方がよいとされるテーマや苦手として避けられやすい表現方法を課題に募った投稿句を題材に、夏井いつき選からむずかしい課題の攻略手法をひとつひとつ考察していく。お題は全部で二十一。既存の歳時記では余り目にすることのない秀作を多数収載し、夏井いつき節炸裂のぶっちゃけ論考とともに、創作の視野を広げる実践的なヒントを満載した。
第二部「俳句道場 動物俳句の知られざる世界」では、俳句をリスペクトしてやまない動物ものまね芸の達人・江戸家小猫との特別対談も収載。(動物写真・半田菜摘)
「その手があったか、挑戦する勇気がわく!」「名句の見方がガラリと変わった!」。俳句開眼へと誘う俳句道場へ、いざ入門あれ!

■既刊

NHK俳句 夏井いつきの季語道場
夏井 いつき (著)

脱初級! 選と記憶に残る「作句のコツ」とは! ?

季語の力を最大限に引き出すための秘策がここに! Eテレ『NHK俳句』の人気講座「似て非なる季語たち」「音でたのしむ季語」(2016年~2017年放送)の出版化。さらに、著者考案の「季語の六角成分図」と「類想を超える秘策」を、岸本葉子(番組司会)と語った特別対談も収載。推敲・自選のコツや、はじめてでも楽しめる句会の進め方までが一冊にまとまった、俳句ステップアップに必ず役立つ作句の指南書。初版特典・投句券付き。

 
【関連】
夏井いつき俳句チャンネル – YouTube
夏井いつきの「いつき組日誌」

 


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