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【訃報】大城立裕さんが死去 沖縄出身で初めて芥川賞を受賞

沖縄県出身で初めて芥川賞を受賞した大城立裕(おおしろ・たつひろ)さんが10月27日、老衰のため沖縄県北中城村の病院で死去しました。95歳。沖縄県中城村出身。葬儀は10月30日午後2時から沖縄県浦添市伊奈武瀬1の7の1、いなんせ会館で。喪主は長男の達矢さん。

 
大城立裕さんは、1925年生まれ。1943年に沖縄県立二中を卒業後、沖縄県費生として上海の東亜同文書院大学予科に入学するも、敗戦で大学が閉鎖され、中退。1946年に帰国。基地勤務、高校教師を経て、1950年以降、琉球政府・沖縄県の公務員を務めます。経済企画課長、県立博物館長を歴任し、1986年に定年退職。

勤務の傍ら、小説や戯曲を執筆し、1959年『小説 琉球処分』を新聞に連載。1967年、同人誌『新沖縄文学』に発表した「カクテル・パーティー」で沖縄初の芥川賞を受賞。1991年に沖縄タイムス賞、1993年『日の果てから』で平林たい子文学賞、1998年に琉球新報賞、2000年に沖縄県功労賞、2015年に短編小説「レールの向こう」で川端康成文学賞、2019年に「沖縄文学を牽引」した功績により井上靖記念文化賞を受賞。1990年に紫綬褒章、1996年に勲四等旭日小綬章を受章。

 
著書は、『ぱなりぬすま幻想』『神島)』『風の御主前(うしゅまい)』『朝、上海に立ちつくす』『神の魚』『対馬丸』『かがやける荒野』『恋を売る家』『縁の風景』『あなた』『焼け跡の高校教師』など多数。

 

カクテル・パーティー (岩波現代文庫)
大城 立裕 (著)

米国統治下の沖縄で日本人、沖縄人、中国人、米国人の四人が繰り広げる親善パーティー。そのとき米兵による高校生レイプ事件が起こり、国際親善の欺瞞が暴露されていく――。沖縄初の芥川賞受賞の表題作のほか、「亀甲墓」「棒兵隊」「ニライカナイの街」そして日本語版初公表の「戯曲 カクテル・パーティー」をふくむ傑作短編全5編を収録。

小説 琉球処分(上) (講談社文庫)
大城 立裕 (著)

清国と薩摩藩に両属していた琉球―日本が明治の世となったため、薩摩藩の圧制から逃れられる希望を抱いていた。ところが、明治政府の大久保利通卿が断行した台湾出兵など数々の施策は、琉球を完全に清から切り離し日本に組み入れるための布石であった。琉球と日本との不可思議な交渉が始まったのである。

焼け跡の高校教師 (集英社文庫)
大城 立裕 (著)

敗戦占領下の沖縄。若き国語教師の奇跡の授業!
物はないが戦争が終わった開放感に満ち溢れた時代の学校生活を描く自伝的小説。いきなり文庫!

戦後占領下の沖縄。大学を中退し米軍諜報機関の翻訳作業についた私は、仕事に倦んで教師へと職を変えた。赴任先は、校舎も教科書もない高校。だが、日本の影響を受けないここで、国語ではなく”文学”を教えたい。自分の創作戯曲を生徒達に演じさせようと考える。物はないが、もう戦争はないという開放感に満ち溢れた時代の少年少女と教師を描く。著者が自分の一番輝いていた時と回想する自伝的小説。

 


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