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【訃報】直木賞作家・井出孫六さんが死去 『アトラス伝説』『終わりなき旅』など

直木賞作家の井出孫六(いで・まごろく)さんが10月8日、敗血症のため東京都府中市の病院で死去しました。89歳。長野県出身。葬儀は近親者で営み、後日お別れの会を開く予定。喪主は妻の信子さん。

 
井出孫六さんは、東京大学文学部仏文科を卒業後、中学、高校の教員を経て中央公論社に入社し、月刊誌『中央公論』の編集などを担当。1969年に退社し、文筆活動に入ります。

1975年、洋画家・川上冬崖を描いた『アトラス伝説』で直木賞を、1986年『終わりなき旅 「中国残留孤児」の歴史と現在』で大佛次郎賞を受賞。

 
著者に『秩父困民党群像』『抵抗の新聞人 桐生悠々』『昭和の晩年』『信州奇人考』『島へ』『ねじ釘の如く 画家・柳瀬正夢の軌跡』『歴史のつづれおり』『柳田国男を歩く 遠野物語にいたる道』『中国残留邦人 置き去られた六十余年』『過去と向き合い生きる』など。

ちなみに 姉は評論家の故・丸岡秀子さん、兄は三木内閣の官房長官を務めた故・井出一太郎さん。

 

終わりなき旅―「中国残留孤児」の歴史と現在 (岩波現代文庫)
井出 孫六 (著)

戦時下、帝国国民が日の丸を振って大陸に送り出した二七万の満蒙開拓団は、数多くの「中国残留孤児」を生んだ。著者は故郷長野県の開拓団に視点を据えて、貧農排出と国防の国策がつくりだした現在に続く悲劇を追求し、庶民にとって国家とはなにか、戦争とはなにかを考える。大仏次郎賞受賞の長編ルポルタージュ。

抵抗の新聞人桐生悠々 (岩波新書)
井出 孫六 (著)

明治末から日米開戦前夜に至るまで,『信濃毎日』『新愛知』の主筆として,また個人雑誌『他山の石』の発行人として,反戦と不正追及の姿勢を貫き,ジャーナリズム史上に屹立する桐生悠々.若き日には文学を志して尾崎紅葉の門をたたき,十二人もの子をもうけ,こよなく酒を愛した六十八年の燃えるような生を,時代の変転のなかに見事に描く.

過去と向き合い生きる 「今日の視角」セレクション2 (信毎選書)
井出孫六 (著)

信濃毎日新聞夕刊の人気コラム「今日の視角」セレクション。姜尚中氏に次ぐ第2弾は、この春(2015年)まで36年間にわたり筆者を務めてきた作家の井出孫六氏です。「自分が生まれた日の11日前(1931年9月18日)に満州事変が始まった」という著者は「私が向き合うべき過去は満州事変である」と、戦争の時代へ逆戻りしないよう、警鐘を鳴らし続けてきました。安保法案の審議の行方が見守られる中で迎える戦後70年の節目の終戦記念日を前に、井出さんは「転換期のいま、あなたは過去にどう向き合いますか」と、問い掛けます。著者は旧南佐久郡臼田町(現佐久市臼田)の出身。歴史小説『アトラス伝説』で直木賞を受賞。2013年に信毎賞を受賞。2009年から15年までの掲載分から160本をセレクト。政治、外交、社会問題ばかりでなく、文化・芸術・暮らしまでテーマは多岐にわたり、ふるさと信州へ熱いメッセージを届けます。

 


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