恩田陸さんがデビュー前に書いていたイラスト満載の超個人的な直筆創作ノート全24ページを公開へ!
KADOKAWAは、恩田陸さん著『ドミノ』の約20年ぶりの新作『ドミノin上海』の刊行を記念して、月刊文芸小説誌『小説 野性時代』3月号にて、恩田陸さんの高校・大学時代の手書きイラスト入り創作ノートを全24ページ収録した特集を掲載すると発表していましたが、その特集号が2月13日に発売されました。
イラスト満載の超個人的な直筆創作ノート全24ページを初公開!
直木賞作家・恩田陸さんがこれまでどこにも出していなかった秘蔵の創作ノート。
恩田さんいわく、
「久しぶりに高校~大学にかけてのノートを発掘して『うひゃー、恥ずかしい。どひゃー、まったく進歩してない』とショックだった。しかし、紛れもなく今私が小説家として書いているもののルーツがあって興味深いのも事実」
デビュー前から続けていたノートには、手描きのイラストがふんだんに描きこまれ、知られざる絵やデザインのセンスも味わえます。
まさに今となっては、「作家・恩田陸」のメイキングともいうべき貴重な資料。『蜜蜂と遠雷』や『夜のピクニック』など、数々の傑作の原石がはっきり窺えます。
高校一年の頃に作っていたという個人誌「すいかずら」のページの一部や、イラストと文字が一体となった読書記録など、盛りだくさんの内容です。
『六番目の小夜子』でのデビューが決まり、「もしも自分が表紙絵を描くなら…」とこっそり勝手に描いたという幻のセルフカバー画。風に長髪をなびかせたセーラー服姿の少女のイメージは、実際の書影とも重なりますが、デビュー作の担当編集者すらその存在を知らず、今回の初公開にあたって、初めて目にしたということです。
そのほか、実際の連載開始より年15年以上前から『ロミオとロミオは永遠に』の具体的構想があったことを裏付けるポスター。そこにはすでにタイトルだけではなく、登場人物のイメージや帯の惹句までそろっています!
子供の頃からずっと漫画を描いてきた、という少女時代の恩田さんの手による遺跡のスケッチは『メガロマニア』の世界を彷彿とさせ、当時習っていたピアノに対する複雑な思いは『蜜蜂と遠雷』に昇華し、高校の学園生活の記録は『夜のピクニック』のみずみずしい青春の記憶を閉じ込め……恩田ファンには、そのルーツ探しも楽しみの一つでしょう。
気になったもの、お気に入りの詩、心にうかんだイメージ。なんでも書いて書いて書いて。
そして、最後の見開き、高校の卒業間際に書いたという詩は、物語を愛し、物語に愛された、まだ作家になる前のひとりの少女の、切実な作家宣言ともいうべきものです。
彼女の紡ぐ物語に心揺さぶられた人に贈る、「作家・恩田陸」の軌跡です。
上田誠さんとの対談など、総力特集「恩田陸 物語が動く瞬間」は全58ページ・フルカラー
「創作ノート」を含む、『小説 野性時代』3月号「恩田陸特集」では、劇団ヨーロッパ企画の脚本・演出を手掛ける上田誠さんとの対談を実施。群像劇、続編、コメディ、パズル……共通のキーワードが次々と飛び出し、興奮に満ちた熱き創作論を展開します。
さらには学生時代から現在に至るまで、恩田さんが手放せないもの、創作の源泉となってきたモノ・ヒト・コトを自身の言葉で解説する「恩田陸を創ったもの20」。さまざまな角度から恩田陸さんの奔放な想像力を見渡し、30年近く第一線を走り続けてきたその横顔に迫ります。
作品をより深く楽しめるためのガイドを全58ページ・フルカラーで掲載しています。
恩田陸さん プロフィール
著者の恩田陸(おんだ・りく)さんは、1964年、宮城県出身。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となり、『六番目の小夜子』でデビュー。
2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞受賞、2006年、『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞、2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞。
主な著作に『ネバーランド』『黒と茶の幻想』『上と外』『ドミノ』『チョコレートコスモス』『私の家では何も起こらない』『夢違』『雪月花黙示録』『失われた地図』『歩道橋シネマ』など。
小説 野性時代 第196号 2020年3月号 小説野性時代編集部 (編集) 本邦初公開、恩田陸の若き日の直筆イラスト満載の創作メモ全24Pお蔵出し 表紙グラビア |
◆恩田陸さんが初めて贈る「事実に基づく」物語『灰の劇場』が文庫化 | 本のページ
◆カツセマサヒコさん×恩田陸さん×結城光流さん×二宮敦人さん×山内マリコさん×早見和真さん×三川みりさん×朱野帰子さん〈犬猫まみれのアンソロジー〉『もふもふ』が刊行 | 本のページ
◆【日本ファンタジーノベル大賞2024】宇津木健太郎さん「猫と罰」が受賞 | 本のページ
◆恩田陸さん『いのちのパレード』文庫新装版が刊行 | 本のページ