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小学館ノンフィクション大賞&大宅壮一ノンフィクション賞受賞『小倉昌男 祈りと経営』が文庫化

森健さん著『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』

森健さん著『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』

「第22回小学館ノンフィクション大賞」で賞の歴史上初めて選考委員全員が満点をつけて大賞を受賞、2017年には「第48回大宅壮一ノンフィクション賞(第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞」「ビジネス書大賞2017審査員特別賞」を受賞した、森健さん著『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』が文庫化され、小学館文庫より刊行されました。

 

ニッポンの物流を変えた伝説の経営者の謎――トリプル受賞作『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』が文庫化!

本作は「宅急便の父」こと小倉昌男さん(元ヤマト運輸社長、故人)の生涯を追った本格人物評伝です。

1976年に創設されたクロネコヤマトでお馴染みの宅急便事業は、いまや生活にかかせないサービスとして定着しています。ヤマト運輸(現ヤマトホールディングス)の社長として、この画期的なサービスをゼロから築き上げたのが、小倉さんです。

小倉さんの業績は、不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』をはじめ、数多くの書籍や記事で紹介されてきました。2005年に亡くなりましたが、今なお、多くの経営者が「尊敬する人物」として小倉さんの名前を挙げます。

 
ジャーナリストの著者・森健さんは、稀代の経営者の資料を丹念に読み解いていくうちに、3つの「疑問」を抱きます。

◎ヤマトの経営を退いた後、なぜ46億円もの巨額私財を投じて、障害者福祉の世界に入ったのか?
◎官庁の規制と闘い、行政訴訟も辞さなかった「闘う経営者」というイメージがあるのに、自分のことを「気弱」と言っていた理由とは?
◎晩年、病を抱えた身でありながら、長女の暮らすアメリカへと渡ったのはなぜか?

これらの謎を追って、福祉財団の役員、元秘書、クリスチャンだった小倉さんを支えていた神父など……キーマンとなる人物を一人ひとり訪ね歩き、次第に浮かび上がってくる”人物像”。それは、多くのビジネスマンから尊敬される「闘う経営者」のイメージと異なるものでした。

 
本書は、ジャーナリストである著者が、ひとつひとつ謎を解き明かしていく過程を克明に綴った渾身の一作。ノンフィクションですが、驚きのラストまで息をつかせぬ展開で、本格ミステリーのような読後感を楽しめる超一級品の人間ドラマです。

稀代の経営者が宅急便事業創設という激務に忙殺されながら、その裏で人知れず抱えていた秘密――それを知った時、「仕事と家庭」を持つ人なら、誰しも涙を流すのではないでしょうか。

 
★単行本刊行時の著者インタビュー:https://www.sinkan.jp/radio/1907

 

文庫版解説は小児科医・作家の松永正訓さん

「本書は結局、単に小倉昌男さんの生涯を描く評伝というよりも、誰しもに共通する生きる困難を描いているということがわかってくる。

<中略>

生きることが難しい今という時代に、不格好であっても一生懸命生きようとする人間のひたむきさ、純真さ、尊さを森さんは描ききったということになる。人生の終末に祈りが残るという小倉さんの最期がなんとも美しい余韻を残す。やはり森さんは、命の作家だった」

 

森健さん プロフィール

森健(もり・けん)さんは、1968年、東京都生まれ。1992年、早稲田大学法学部卒業。ジャーナリスト。

2012年『「つなみ」の子どもたち』『つなみ 被災地のこども80人の作文集』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『小倉昌男 祈りと経営―ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』で小学館ノンフィクション大賞、ビジネス書大賞審査員特別賞、大宅壮一ノンフィクション賞をトリプル受賞。

 

小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの (小学館文庫)
森 健 (著)

ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い

2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。
「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。

著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで息をつかせない展開で、伝説の経営者の知られざる素顔に迫る。

 
【関連】
新刊ラジオ第1907回 「小倉昌男 祈りと経営」 – 新刊JP

 


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