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【大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞】大賞は森健さん 読者賞に菅野完さん

第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞の選考顧問会が5月17日に開催され、森健(もり・けん)さんの『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』が大賞に、菅野完(すがの・たもつ)さんの『日本(にっぽん)会議の研究』が読者賞に選ばれました。

 

大宅壮一ノンフィクション賞がリニューアル

大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞は、日本のノンフィクション界で最も長い歴史を持ち、新進ノンフィクション作家の登竜門だった大宅壮一ノンフィクション賞を改称したもの。

これまで47回を数えてきた大宅壮一ノンフィクション賞ですが、リニューアルを機に改めて今回を第1回とすることになりました。略称は今まで通り「大宅賞」。

 
大宅賞は、大宅壮一さんの業績を記念して1970年に設立。各年の優れたノンフィクション作品を表彰する文学賞です。公益財団法人日本文学振興会が主催し、株式会社文藝春秋が運営。前年1月1日から12月31日までに発表されたものを対象とします。

過去に大宅賞の受賞経験がある方の作品も選考の対象になります。さらに新たな試みとして、今回より読者によるネット投票を実施。

大賞は、候補作の中から、日本文学振興会が委嘱した外部の有識者10名余による「大宅賞委員会」のメンバーによる投票と講評をふまえ、読者投票の票も参考にその結果を参考に、選考顧問の後藤正治さん(ノンフィクション作家)が承認する流れとなっています。

また、読者投票で最も多くの票を得た作品に贈る読者賞も新たに設けています。

 

今回の候補作

今回の候補作は以下の通りです。〔敬称略〕

出井康博『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社)
大崎善生『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』(KADOKAWA)
梯久美子『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社)
菅野完『日本会議の研究』(扶桑社)
森健『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』(小学館)

 
 

小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの
ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い

2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。
「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。

著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。第22回小学館ノンフィクション大賞で、賞の歴史上初めて選考委員全員が満点をつけた大賞受賞作。

 
日本会議の研究 (扶桑社新書)
「日本会議」とは何なのか?
市民運動が嘲笑の対象にさえなった80年代以降の日本で、めげずに、愚直に、地道に、そして極めて民主的な、市民運動の王道を歩んできた「一群の人々」がいた。
彼らは地道な運動を通し、「日本会議」をフロント団体として政権に影響を与えるまでに至った。
そして今、彼らの運動が結実し、日本の民主主義は殺されんとしている。――

安倍政権を支える「日本会議」の真の姿とは? 中核にはどのような思想があるのか?膨大な資料と関係者への取材により明らかになる「日本の保守圧力団体」の真の姿。

 
【関連】
大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞|日本文学振興会
日本のノンフィクション界で最も長い歴史を持つ大宅賞が変わります。|公益財団法人日本文学振興会
日本文学振興会(@shinko_kai) | Twitter
大宅壮一ノンフィクション賞が名称変更し、候補作も発表 一般読者からのネット投票も | 本のページ

 


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