【第50回大宅壮一ノンフィクション賞】河合香織さん『選べなかった命』と安田峰俊さん『八九六四』が受賞
日本文学振興会は5月15日、第50回大宅壮一ノンフィクション賞(大宅賞)の受賞作を発表しました。
第50回大宅壮一ノンフィクション賞が決定!
第50回大宅壮一ノンフィクション賞の選考委員会が5月15日に開催され、次の通り受賞作が決定しました。
■第50回大宅壮一ノンフィクション賞
河合香織(かわい・かおり)さん
『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(文藝春秋)
安田峰俊(やすだ・みねとし)さん
『八九六四(はちきゅうろくよん) 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)
なお、安田峰俊さんの『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』は、昨年11月に発表された第5回城山三郎賞も受賞しています。
選考委員は、梯久美子さん、後藤正治さん、佐藤優さん、出口治明さん、森健さん。
また、今回の候補作は以下の5作品でした。
【第50回大宅壮一ノンフィクション賞候補作】
◎河合香織さん『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(文藝春秋)
◎先崎学さん『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』(文藝春秋)
◎旗手啓介さん『告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実』(講談社)
◎松本創さん『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(東洋経済新報社)
◎安田峰俊さん『八九六四(はちきゅうろくよん) 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)
大宅壮一ノンフィクション賞について
大宅壮一ノンフィクション賞は、大宅壮一さんの業績を記念して1970年に創設。各年の優れたノンフィクション作品を表彰する文学賞です。
公益財団法人日本文学振興会が主催し、株式会社文藝春秋が運営。前年1月1日から12月31日までに発表された作品を対象とします。
なお、同賞は2017年より「大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞」に名称を変更して開催されていましたが、今回より名称を元の「大宅壮一ノンフィクション賞」に戻しています。それに伴い、回数も通算での「第50回」となっています。
また、「大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞」で設けられていた、ネット上での読者投票および読者賞は廃止となりました。
選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子 河合 香織 (著) その女性は、出生前診断を受けて、「異常なし」と医師から伝えられたが、生まれてきた子はダウン症だった。函館で医師と医院を提訴した彼女に会わなければならない。裁判の過程で見えてきたのは、そもそも現在の母体保護法では、障害を理由にした中絶は認められていないことだった。ダウン症の子と共に生きる家族、ダウン症でありながら大学に行った女性、家族に委ねられた選別に苦しむ助産師。多くの当事者の声に耳を傾けながら選ぶことの是非を考える。出生前診断をめぐる様々な当事者たちの声からつむぐノンフィクション。 |
八九六四 「天安門事件」は再び起きるか 安田 峰俊 (著) 「“その事件”を、口にしてはいけない」 一九八九年六月四日。変革の夢は戦車の前に砕け散った。 |
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