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辺見じゅんさん「大宅賞」受賞作を河井克夫さんがコミカライズ『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』が書籍化

『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』(作画:河井克夫さん/原作:辺見じゅんさん)

『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』(作画:河井克夫さん/原作:辺見じゅんさん)

文藝春秋は、文春オンラインで連載されていた、辺見じゅんさんの「大宅賞」受賞作『収容所から来た遺書』を河井克夫さんがコミカライズした『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』を書籍化し、7月12日に刊行しました。

 

シベリア抑留の奇跡の実話を漫画化! 『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』

シベリア抑留中に死んだ男が残した遺書は、彼を慕う仲間たちによる驚嘆すべき方法を使って、厳しいソ連監視網をかいくぐり、日本へと持ち帰られました。

「ダモイ(帰国)の日は必ず来ます」元一等兵、山本幡男はシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で死と隣り合わせの日々を送りながらも希望を捨てず、仲間を励まし続けました。しかし、過酷な捕虜生活が山本の体を蝕みます。死期を悟った山本は4通の遺書を記し、日本の家族に届けるようにと遺言し、息を引き取ります。

ラーゲリでは、文字を書き残すことはスパイ行為として厳禁され、帰国する時も紙一枚持ち出すことは許されませんでした。しかし、仲間たちは驚くべき方法で山本の遺書を日本へと持ち帰り、終戦から12年後に遺族のもとへ届けたのです。一体、どうやって……!?

1990年に大宅賞を受賞した原作は、現在も版を重ねる傑作ノンフィクション。極寒、飢餓、重労働に屈しなかった男たちの勇気と知性の物語は、戦争を知らない世代にも感動を与え続けています。

なお、文春マルシェ特選「渋皮栗の甘納豆」が当たるプレゼントキャンペーンも実施中(詳しくは単行本の帯文をご参照ください)。

ツイッターでも感想文の募集を行っています。詳しくは「文春現代史コミックス」(@bs_gendaishi)アカウントのトップページを参照ください。

 

 

河井克夫さん コメント

山本がラーゲリで出会う仲間たちは、それぞれの興味深いドラマを抱えており、漫画にするにあたっては、そうした群像劇的な側面を押し出すように心掛けました。原作だけでなく、コミック版もぜひご一読ください。

 

 

著者プロフィール

 
■辺見じゅん(へんみ・じゅん)さん

富山県出身。早稲田大学文学部卒業。作家・歌人として活躍。

主な著書に、『呪われたシルク・ロード』、『男たちの大和』(第3回新田次郎文学賞受賞)、『昭和の遺書』、歌集『闇の祝祭』(第12回現代短歌女流賞受賞)、『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(第11回講談社ノンフィクション賞・第21回大宅壮一ノンフィクション賞受賞)、『レクイエム・太平洋戦争』、『夢、未だ盡きず』(第9回ミズノ スポーツライター賞受賞)、『ダモイ 遥かに』などがある。2011年9月21日、逝去。

 
■河井克夫(かわい・かつお)さん

1969年生まれ。1995年、『ガロ』でデビュー。不条理ナンセンス・ギャグから文学作品のコミカライズまで、幅広い作風を誇る。

著書に『女の生きかたシリーズ』、『日本の実話』、『ニャ夢ウェイ 1~4』(松尾スズキさんとの共著)、『久生十蘭漫画集 予言・姦』、『うつ病九段』(原作:先崎学さん)など。俳優としても多くのドラマや舞台に出演。

 

ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉 (文春現代史コミックス)
辺見 じゅん (原著), 河井 克夫 (著)

二宮和也主演で映画化!奇跡の実話をコミカライズ

シベリア抑留中に死んだ仲間の遺書を、厳しい監視網をかい潜り、驚嘆すべき方法で日本へ持ち帰った男たちがいた。勇気と知性の物語。

今冬には「ラーゲリより愛を込めて」として映画公開も決定。主演は「硫黄島からの手紙」の二宮和也。映画とのメディアミックスにより、より幅広い読者に届けられればと考えています。

<原作本>

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)
辺見 じゅん (著)

大宅賞、講談社ノンフィクション賞、ダブル受賞に輝いた感動ノンフィクション!
敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕われ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を欽慕する仲間達の驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかい潜ったものだった。悪名高き強制収容所に屈しなかった男達のしたたかな知性と人間性を発掘した労作。
目次 プロローグ 一章.ウラルの日本人俘虜 二章.赤い寒波(マロース) 三章.アムール句会 四章.祖国からの便り 五章.シベリアの「海鳴り」 エピローグあとがき――三十三年目に届いた遺書 解説・吉岡忍
「非力もかえりみず偉大なる凡人の生涯、それもシベリアの地で逝った一人の男の肖像を描きたいと思ったのは、その不屈の精神と生命力に感動したからに他ならない。

 
【関連】
ラーゲリ 収容所から来た遺書 | 文春オンライン

 


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