【第72回日本推理作家協会賞】葉真中顕さん『凍てつく太陽』などが受賞
日本推理作家協会は4月25日、第72回日本推理作家協会賞の受賞作を発表しました。
第72回日本推理作家協会賞が決定! 葉真中顕さんが大藪春彦賞とW受賞!
第72回日本推理作家協会賞の各部門の受賞作は次の通りです。
なお、長編および連作短編集部門を受賞した葉真中顕さんの『凍てつく太陽』は今年1月に大藪春彦賞を受賞しています。
■長編および連作短編集部門
葉真中顕(はまなか・あき)さん
『凍てつく太陽』(幻冬舎)
■短編部門
澤村伊智(さわむら・いち)さん
「学校は死の匂い」(『野性時代』2018年8月号)
■評論・研究部門
長山靖生(ながやま・やすお)さん
『日本SF精神史【完全版】』(河出書房新社)
選考委員は、「長編および連作短編集部門」が垣根涼介さん、門井慶喜さん、深水黎一郎さん、薬丸岳さん、山前譲さん、「短編部門」および「評論・研究部門」があさのあつこさん、逢坂剛さん、黒川博行さん、長岡弘樹さん、麻耶雄嵩さん。
なお、第72回日本推理作家協会賞の各部門の候補作品は以下の各5作品でした。
<長編および連作短編集部門>
◎呉勝 浩さん 『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』(光文社)
◎葉真中顕さん 『凍てつく太陽』(幻冬舎)
◎原 りょうさん『それまでの明日』(早川書房)
◎深緑野分さん 『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房)
◎三津田信三さん『碆霊の如き祀るもの』(原書房)
<短編部門>
◎芦沢 央さん「埋め合わせ」(文藝春秋『オール讀物』7月号掲載)
◎逸木 裕さん「イミテーション・ガールズ」(KADOKAWA『小説 野性時代』7月号掲載)
◎大倉崇裕さん「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」(東京創元社『ミステリーズ!』87号掲載)
◎佐藤 究さん「くぎ」(徳間書店『読楽』5月号掲載)
◎澤村伊智さん「学校は死の匂い」(KADOKAWA『小説 野性時代』8月号掲載)
<評論・研究部門>
◎沖田瑞穂さん『怖い女』(原書房)
◎中 相作さん『乱歩謎解きクロニクル』(言視舎)
◎長山靖生さん『日本SF精神史【完全版】』(河出書房新社)
◎藤田直哉さん『娯楽としての炎上 ポスト・トゥルース時代のミステリ』(南雲堂)
◎町田暁雄さん『刑事コロンボ読本』(洋泉社)
日本推理作家協会賞について
日本推理作家協会賞は、日本推理作家協会が主催する文学賞です。前年に発表された推理小説の中で最も優れた作品に授与されます。
受賞者には、正賞として名入り腕時計が、副賞として賞金50万円が贈られます。
凍てつく太陽 葉真中 顕 (著) 昭和二十年、終戦間際の北海道を監視する特高警察、通称「北の特高」――。 逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、軍需工場の関係者が次々と毒殺される。アイヌ出身の特高刑事・日崎八尋は捜査に加わるが、「拷問王」の異名を持つ先輩刑事の三影に濡れ衣を着せられ、網走刑務所に投獄されてしまう。八尋は特高刑事としての「己の使命」を全うするために、脱獄を決意するのだが――。民族とは何か、国家とは何か、人間とは何か。魂に突き刺さる、骨太のエンターテイメント! |
日本SF精神史【完全版】 長山 靖生 (著) 幕末・明治から戦後、そして現在まで、“未来”はどのように思い描かれ、“もうひとつの世界”はいかに空想されてきたか―。日本的想像力200年の系譜をたどる画期的通史。日本SF大賞・星雲賞ダブル受賞作の完全版。 |
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