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【訃報】哲学者・梅原猛さんが死去 国際日本文化研究センター初代所長

戦後日本を代表する哲学者で、文化勲章受章者の梅原猛(うめはら・たけし)さんが1月12日、肺炎のため京都市の自宅で死去しました。93歳。宮城県仙台市出身。葬儀は親族のみで営みます。

 
梅原猛さんさんは、1925年生まれ。京都大学哲学科卒業。立命館大学教授、京都市立芸術大学教授、同大学学長などを歴任。日本文化を総合的に研究する国際日本文化研究センター(日文研)の創設に尽力し、1987年に初代所長に就任。1997年から2003年まで日本ペンクラブ会長。2013年、ものつくり大学初代総長に就任。京都市立芸術大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授、京都市名誉市民。

 
哲学から文学、芸術、宗教、歴史、文明学まで包括する<梅原日本学>を確立。1972年『隠された十字架―法隆寺論』で毎日出版文化賞、1974年『水底の歌 柿本人麿論』で大佛次郎(おさらぎじろう)賞を受賞。

著書に『地獄の思想』『笑いの構造』『日本の深層』『神々の流竄(るざん)』『空海の人生と思想』『日本人の「あの世」観』『法然』『葬られた王朝 古代出雲の謎を解く』『親鸞「四つの謎」を解く』『梅原猛著作集』『講座 文明と環境』など。

市川猿之助さんのスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」や「オグリ」などの台本、狂言や能の台本も執筆。

 

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)
法隆寺は怨霊鎮魂の寺! 大胆な仮説で学界の通説に挑戦し、法隆寺に秘められた謎を追い、古代国家の正史から隠された真実に迫る。

 
水底の歌―柿本人麿論 (上) (新潮文庫)
天下第一の詩人、歌聖柿本人麿は、時の政権に地位を追われ、はるか石見の国に流罪刑死! 斎藤茂吉、さらには遡って賀茂真淵の解釈によって定説とされて来た従来の常識を徹底的に粉砕し、1200年の時空を超えて、日本古代史と万葉集の不可分の関係をえぐる。人麿の絶唱は何を意味するか。正史から抹殺され、闇の中に埋もれた巨大な真実を浮彫りにする雄渾無比の大作。

 


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