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『40歳から始める「脳の老化」を防ぐ習慣』人は「感情」から老化し始める

『40歳から始める「脳の老化」を防ぐ習慣』人は「感情」から老化し始める

『40歳から始める「脳の老化」を防ぐ習慣』人は「感情」から老化し始める

ディスカヴァー・トゥエンティワンより、和田秀樹さん著『40歳から始める「脳の老化」を防ぐ習慣』が刊行されました。
なお、本書は2014年に同社が刊行した『一生ボケない脳をつくる 77 の習慣』のリメイク版です。

 

前頭葉の老化が進むと全身に老化が広がる!

脳の中で最も早く老化し始めるのが前頭葉。
前頭葉とは、感情や意欲、また記憶を司る部位です。前頭葉以外の、たとえば言語理解を司る側頭葉や計算能力に関係する頭頂葉は、かなり高齢になるまで、その機能は老化しません。それゆえ、平均的に73歳くらいまでは言語性IQや動作性IQを維持することができると言われます。一方で前頭葉は、個人差もありますが40代頃から萎縮し、老化し始めるのです。

前頭葉の老化、すなわち、「感情の老化」を放っておくと、ボケやすくなり、体も見た目も加速度的に老け込んでいくことになります。しかしこれを逆説的にとらえれば、前頭葉の若さを保ち、「感情の老化」が防げれば、多くのボケ状態も未然に阻止できる、体や見た目の老化もストップできるということです。それゆえ脳から全身に広がる老化を防止するには、まずは前頭葉を鍛えておくことが必須なのです。

ではそのためには、どのようなことを行えばよいのでしょうか―。本書では、脳のアンチエイジング、「前頭葉の鍛錬」の具体的な方法を、様々な視座から紹介していきます。

 

40代以降の「脳」について知っておく

■前頭葉の萎縮
早い人で40代から縮み始める、つまり老化し始めます。萎縮が進むと、感情のコントロールがきかなくなったり、思考が平板になったりします。

■セロトニンなどの脳内伝達物質の不足
セロトニンの減少は「うつ」を引き起こしやすくします。一時的な減少でも意欲低下やイライラなどの心の不調をもたらします。

■動脈硬化
脳の血管は非常に細く、動脈硬化を起こすと即、血流が悪化するため、とりわけ深刻です。脳の動脈硬化が進行すると、自発性がなくなります。

■男性ホルモンの減少
男性ホルモンには脳に直接働きかけて、意欲を高めたり判断力や記憶力を高めたりする 機能があります。男性ホルモンの減少により、憂鬱感や、集中力やアグレッシブさの欠如、判断力や記憶力の低下が引き起こされます。

では、脳の「アンチエイジング」のカギを握る「前頭葉」の老化を防ぐにはどのような方法があるのでしょうか。

 

脳の「出力系」を鍛える、「アレ」「ソレ」「コレ」を使わない

どうしても人の名前、モノの名前が思い出せない。そんなときに〝便利〟なのが、「アレ」「ソレ」「コレ」といった指示代名詞。家族との家のなかの会話では、「アレ、どこやったんだ?」「ああ、アレならアソコに置いてあったわよ」─で事足りてしまいます。歳をとればとるほど「アレの名前が思い出せない」……と、指示代名詞頻発の会話になるのは致し方ないといえば致し方ありません。

しかし、これをただ放っておくのは問題です。第一に、単語が出てこず指示代名詞に頼るのを「よし」として、「思い出そう」という努力を怠ることは、すなわち「思い出す=脳のアウトプット機能」を使わなくなることです。脳の機能というものは、使わなければサビていく一方です。

 

本書の構成

序章:「脳」の老化は40代から

第1章:脳の「出力系」を鍛える

第2章:脳の「変化対応力」を鍛える

第3章:感情の老化・思考の老化を防ぐトレーニング

第4章:日常の行動・習慣から「脳の若さ」を保つ

 

和田秀樹さん プロフィール

著者の和田秀樹(わだ・ひでき)さんは、1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。

1987年『受験は要領』がベストセラーになって以来、大学受験の世界のオーソリティとしても知られる。著書に『50歳からの勉強法』『医学部の大罪』『脳科学より心理学』『悩み方の作法』『40歳からの記憶術』『一生ボケない脳をつくる77の習慣』(以上、ディスカヴァー)『「あれこれ考えて動けない」をやめる9つの習慣』(大和書房)『テレビの大罪』(新潮新書)『感情的にならない本』(新講社ワイド新書)『受験は要領』(PHP文庫)など多数。

 

40歳から始める「脳の老化」を防ぐ習慣 (ディスカヴァー携書)
歳をとると、体力・知力もある程度は衰えてきますが、しかし意外に一般的に考えられているほどではない、といえます。
たとえば、ある統計によると、65歳以上は一般的に高齢者と分類されていますが、杖など歩行補助器具を使わなくても普通の速さで歩ける人の割合は、65~69歳で95パーセント、70歳以上でも90パーセント以上にのぼります。
またある自治体で行われた高齢者を対象とした知能テストの結果、言語性IQや動作性IQといった知力を表す数値の平均を見ても、73歳まではいずれも100を超えています。

……そう聞くと、まだ「高齢者」の域には達していない中年世代の方は、「なんだ、そうか。じゃあ当分自分は元気にボケずに暮らせるわけだ」と安心されるかもしれません。
しかし人間は、”思わぬところ”から、思わぬほど早い時期から老化が始まり、しかもそれを放っておくと体も見た目も老けてゆき、ボケまで始まってしまうので要注意です。
この”思わぬところ”とは─「感情」です。感情は40代頃から老化し始めるのです。

「感情の老化」といっても、どういうことかピンとこない方もいらっしゃることでしょう。
おおざっぱに言ってしまえば、「気が若い」というときの「気」が老化してくるということですが、科学的な事象として言い換えると、「脳の前頭葉が老化する」ということです。
本書の序章でもお話ししますが、人間の脳はいくつかの領域に分かれており、その領域ごとに果たすべき機能が決められています。
そのなかで、人間の感情をコントロールしたり、自発性や意欲、創造性などを司るのが、「前頭葉」という領域です。
前頭葉以外の、たとえば言語理解を司る側頭葉や計算能力に関係する頭頂葉は、日常的に使うためか比較的かなり高齢になるまで、その機能は老化しません。
それゆえ前述の通り、平均的に73歳くらいまでは言語性IQや動作性IQを維持することもできるのです。
一方で前頭葉は、個人差もありますが40代頃から萎縮し、老化し始めます。
そのため前頭葉が司る感情のコントロール機能や、人の自発性・意欲、創造性が衰えてしまうのです。

そうなると、どのような症状が現れるかについては、これから本書の序章をはじめ全編を通して随所で触れていくことになりますが、何より注意しておかなければならないのは、前述の通り、自発性や意欲が減退していくような「感情の老化」を放っておくと、ボケやすくなり、体も見た目も加速度的に老け込んでいくことです。
(中略)
本書では、前頭葉の機能と、その老化を防止する「脳のアンチエイジング」法、つまり上記のような「前頭葉の鍛錬」の具体的方法を、様々な視座からご紹介していきます。

「いつまでも若くありたい」─古今東西、人類普遍のこの願いを皆さんご自身がかなえられる、その一助となれば幸いです。
(「はじめに」より)

 


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