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『シン・メイド・イン・ジャパン』V字回復を果たした中小零細企業経営者が語る「これからの日本のモノ造り」とは?

小林延行さん著『シン・メイド・イン・ジャパン』

小林延行さん著『シン・メイド・イン・ジャパン』

小林延行さん著『シン・メイド・イン・ジャパン』がディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行されました。

 

30年間低迷を続ける日本

かつて日本は“ジャパン・アズ・ナンバーワン”と言われ、世界から羨望のまなざしを向けられていました。
それから30余年。日本の世界的地位は低下し、特に経済的、技術的な面での遅れは想像以上です。

 
「平成初期には世界企業ランキングの上位を占めていた日本は、現在では中国はおろか韓国にも負けている」
「日本のGDPはこの25年くらい足踏み状態が続いている」
「一人当たりのGDPは30年前、世界一位だったのが、現在は30位」
「一人当たりの生産性は長い間全く伸びておらず、半ば一人負け状態」

 
このような生産性や競争力の低下に加え、特に印象的なのは日本の製造業の低迷です。かつて“メイド・イン・ジャパン”ともてはやされた製品は、今や何も言われないただの製品になり下がってしまっています。

 
なぜ“メイド・イン・ジャパン”はなくなってしまったのでしょうか?
今後中国や、他の国のモノ造りが中心となり、日本のモノ造りは世界から忘れ去られてしまうのでしょうか?

 

日本にはまだ、日本にしかできないモノ造りが残っている

日本の製造業の復興のためには、大手企業と中小零細企業が協力し合わなければなりません。
本書では日本だからこそできるモノ造りのために、企業が取り組むべきことを提案します。

 
【本書が提案すること】

<大手企業が取り組むべきこと>
・できるだけ国内でモノ造りをすること。少なくともマザー工場、モデル工場は必ず国内に設置する
・優れた技術を有する国内中小零細企業と共に、製品の品質向上に注力すること
・国内中小零細企業の自動化・IoT化に協力すること

<中小零細企業が取り組むべきこと>
・量に応じた特殊加工の自動化・IoT化=職人技の標準化を図ること
・自動化ラインにはIoTやDXにならい、スマート化すること
・ミニマルファブ技術などを活用すること

 
これは、日本でなくてはできない“最高の製品”を造り、世界に送り出すために取り組むべきことです。
これが“シン・メイド・イン・ジャパン”のモノ造りなのです。

 

V字回復を果たした製造業社長が語る「日本のモノ造り」

本書の著者である小林延行さんは、株式会社セルコをV字回復させた張本人。
脱下請けを実現し、100年に一度の大改革期でも成長を続けている、中小製造業経営者です。

“ジャパン・アズ・ナンバーワン”ともてはやされた時代からバブル崩壊後の苦しい時期を乗り越え、今でも製造業に携わっている著者だからこそ、製造業のこれまでとこれからについて説得力のある提案が可能です。

日本のモノ造り復興のために、できることから取り組んでいきましょう。

 

本書の構成

まえがき

第一章 日本のモノ造りの現状は?

第二章 シン・メイド・イン・ジャパンのモノ造りとは?

第三章 奈落の底からの生還……なぜセルコは蘇ることができたのか?

第四章 EV時代を、チャンスに変える

第五章 中小零細企業の生き残り大作戦

第六章 シン・メイド・イン・ジャパンの課題と理想

第七章 シン・メイド・イン・ジャパンを実現するための心構え

第八章 信念と信頼

あとがき

 

著者プロフィール

著者の小林延行(こばやし・のぶゆき)さんは、1946年生まれ、長野県上田市出身。慶應義塾大学商学部卒業。株式会社セルコ代表取締役会長。

中堅通信機メーカー勤務を経て、1982年、株式会社セルコ入社。1998年、代表取締役社長就任。2019年、代表取締役会長就任。その他、株式会社セルパップ代表取締役社長。

著書に『2020年 東京五輪開催の年にメイド・イン・ジャパンが復活する!!』(ELmarket、電子書籍)、『立ち上がれ中小零細企業~時代は俺たちのものだ~』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

 

シン・メイド・イン・ジャパン
小林 延行 (著)

日本にはまだ、日本にしかできないモノ造りが残っている。

なぜ、日本のモノ造りは世界から置いて行かれるのか。
高度経済成長期を駆け抜けた中小零細製造業経営者の多くは、 ロボットやAI、IoTなどテクノロジーを駆使した 新しいモノ造りに課題を感じています。

しかし、自社の力で時代に追いつくことだけが 中小零細製造業が生き残る道なのでしょうか。
本書で提言しているのは、
<大手企業が取り組むべきこと>
・できるだけ国内でモノ造りをすること。少なくともマザー工場、モデル工場は必ず国内に設置する
・優れた技術を有する国内中小零細企業と共に、製品の品質向上に注力すること
・国内中小零細企業の自動化・IoT化に協力すること

<中小零細企業が取り組むべきこと>
・量に応じた特殊加工の自動化・IoT化=職人技の標準化を図ること
・自動化ラインにはIoTやDXにならい、スマート化すること
・ミニマルファブ技術などを活用すること

つまり、大手と中小零細企業が協力し合って戦うことです。
それこそが“シン・メイド・イン・ジャパン”なのです。

 


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