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『左遷社長の逆襲』ジョブズの誘いを断った男、キヤノン電子の酒巻久会長が、20年間の経営改革の内幕を明かす!

酒巻久さん著『左遷社長の逆襲 ダメ子会社から宇宙企業へ、キヤノン電子・変革と再生の全記録』

酒巻久さん著『左遷社長の逆襲 ダメ子会社から宇宙企業へ、キヤノン電子・変革と再生の全記録』

1999年にキヤノンの常務取締役から、子会社のキヤノン電子社長に転じた酒巻久さんの著書『左遷社長の逆襲 ダメ子会社から宇宙企業へ、キヤノン電子・変革と再生の全記録』が、朝日新聞出版より刊行されました。

旧知のスティーブ・ジョブズから「アップルで一緒にやろう」と誘われるがそれを断り、業界で「左遷人事」と言われたキヤノン電子社長に就任した酒巻さん。「ほとんどの会社には売上高の20%~30%のムダがある」という確信のもとに「会社のアカスリ」を徹底し、赤字すれすれだったキヤノン電子を、6年で売上高経常利益率10%以上の高収益体質の会社へ成長させます。

そして、新規事業への投資を怠る会社に未来はないという信念のもと、「会社のアカスリ」で得た利益を「人工衛星」「ロケット」「射場の建設」に投資し、一気通貫の宇宙企業へとキヤノン電子を変貌させます。会社を変える仕掛け、経営者の信念・あり方がストーリー形式で面白くわかるビジネスパーソンの必読書です。

 

現状維持は悪!変わり続けた組織のリアルストーリー

「経営者は全権限を持ち、全責任を負う。経営者次第で会社はどうにでもなる」──楠木建・一橋大学大学院教授推薦!

 
キヤノンで複写機やパソコンの開発に携わり、アップルを追われていたスティーブ・ジョブズとネクスト・コンピュータで一緒に仕事をしたこともある酒巻久さん。

1996年よりキヤノンの常務取締役生産本部長を務めていましたが、1999年に子会社のキヤノン電子社長へ転出することになります。業界では「左遷人事」と受け止められ、ジョブズからまた一緒に面白い仕事をやろうという誘いも受けましたが、それを断りキヤノン電子社長に就任します。

 
「世界でトップレベルの高収益企業になろう」と目標をかかげ、そのための手段として「すべてを半分にしよう(TSS1/2 TSS=Time&Space Saving)」を実践します。具体的には「時間、生産スペース、不良、人・物の移動距離、CO22排出量」などすべてを半分にすることを目指します。

 
最初は半信半疑だった社員は、どのように変わったのか?

「ピカ一運動」「Chie-Tech」「ヒント・質問ささやき作戦」など、さまざまな仕掛けで社員が「受動」から「能動」へと変わっていく姿が、いきいきと描かれます。

 
さらに、経営者の仕事は「20~30年後を見据えて、新規事業に投資して、働く人の雇用を長く守ること」という信念のもと、果敢に「宇宙ビジネス」へと参入します。一見、キヤノン電子と縁もゆかりもなさそうな宇宙事業になぜ参入したのか。そして、どのように優秀な人材を集め、新規事業をスタートさせたのか。

 
短納期・低コストの超小型人工衛星をつくって、「宇宙村」に新規参入し、2017年6月23日には初めての人口衛星CE-SAT-Ⅰの打ち上げに成功します。新規事業の難しさ、厳しさもリアルに描かれ、それを乗り越えて進む姿に、日本の企業もまだまだやれるという元気もらえる一冊です。

 

本書の構成

序章 左遷

異例の人事
スティーブ・ジョブズからの電話

1章 残す人を見極める──1年目にまずやるべきこと
目指すのは「世界トップレベルの高収益企業」
真っ先に行った意識改革は「正しい指示と報告」
会社の再建を本気で決意させたある夜の出来事

2章 利益が出る組織に作り替える──2年目からは一気に改革を進める1
若手の芽を摘む「ムシロ現象」
人事は上から手をつける
利益目標を超過した部分は、社員に還元する
烈火のごとく、部下を叱るとき

3章 強みを見極め、自ら動く社員に変える仕掛けを作る──2年目からは一気に改革を進める2
コア技術を伸ばす
直行率100%――生産技術を強化する意味
CHIE‐TECH――知恵を使ってお金と時間は使わない
現状維持は後退、変えることが正しい
胃が痛くなる、「今週は何を変えたのか」
「ヒント・質問」ささやき作戦
ルール厳守は改革の第一歩
メール文化が会社を潰す
売上200億円減でも経常利益が伸びた!

4章 宇宙への挑戦
新事業を起こせない会社は必ず衰退する
一球入魂の「勝つための仕組み」
宇宙事業に魅かれて優秀な人材が集まる

5章 宇宙ビジネス始動
[1] 短納期・低コストの超小型人工衛星
――部品の内製化で起こす宇宙事業の生産革命
宇宙技術研究所の設立
メカの工夫で、低コストで人工衛星を作る
初号機の打ち上げ成功で踏み出した確かな一歩
なぜ酒巻は2号機の開発を急いだのか
2号機喪失の翌日に発表した3号機の打ち上げ
[2] 一気通貫の丸ごと宇宙ビジネス
――ロケットも射場も自前で作る
「推進力三割増」のミッション
汎用材で作るロケットモーター
キヤノン電子生え抜き社員だけでモーターケースを製作
アビオニクスの開発――「SS-520 4号機」の失敗
酒巻自ら、リベンジを宣言
射場――一気通貫の宇宙ビジネスの最後のピース

 

著者プロフィール

著者の酒巻久(さかまき・ひさし)さんは、1940年生まれ。栃木県出身。キヤノン電子株式会社 代表取締役会長。

1967年キヤノン株式会社入社、研究開発部門に配属。VTRの基礎研究、複写機開発、ファックス開発、ワープロ開発、PC 開発に従事。1989年取締役システム事業部長 兼 ソフトウエア事業推進本部長、総合企画、環境保証なども担当後、1996年常務取締役生産本部長。

1999年3月よりキヤノン電子株式会社社長に就任、6年で利益率10%超の高収益企業へと成長させる。近年は人工衛星とロケットという宇宙産業に参入、注目を集める。2021年3月より代表取締役会長。

『キヤノンの仕事術』(祥伝社)、『リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる 』(朝日新聞出版)、『60歳から会社に残れる人、残ってほしい人』(幻冬舎)、『仕事の哲学』(PHP研究所)等、著書多数。

 

左遷社長の逆襲 ダメ子会社から宇宙企業へ、キヤノン電子・変革と再生の全記録
酒巻 久 (著)

キヤノングループのお荷物子会社だったキヤノン電子は、いかにして宇宙企業へと変貌したのか。酒巻氏が社長として赴任してから「会社のアカスリ」で徹底してムダを省き、高収益企業へと生まれ変わる。そこで得たお金を人工衛星とロケットという新規事業に投資し、宇宙企業へと変貌する。20年にわたる経営改革の全貌をストーリー形式で紹介する。

どうすれば会社は変わるのか? ──答えは本書にある。

 


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