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『「野口体操」ふたたび。』「ゆる系」ボディワークの元祖、東京藝大伝説の必修体操授業が今よみがえる!

羽鳥操さん著『「野口体操」ふたたび。』

羽鳥操さん著『「野口体操」ふたたび。』

世界文化社は「大人の教養」シリーズより、羽鳥操さん著『「野口体操」ふたたび。』を刊行しました。

 

からだが楽になるときもちが楽になる。生きることが楽になる (野口三千三)

驚くほどのスピードで変容著しい現代に生きる私たちは、ことにデジタルの波・テクノストレスにさらされ、生身の身体感覚を失いかけています。加えて感染症パンデミックによる閉塞した現状に、誰もが「いったい何を拠り所としていけばいいのか」と少なからず問いかけています。

 
「野口体操」の創始者・野口三千三(のぎち・みちぞう)は、戦争の体験を通して、自分自身のからだの内側に目を向ける体操を考案しました。野口三千三が模索した身体(自然)への回帰は、今、この時代にあってこそ、必要とされるのではないでしょうか。

生きていることのいちばん確かな実感は、このからだがあるということ。そしてそのからだを動かせるということ。野口体操の学びとレッスンを通して、楽に立つこと、自由に歩くこと、楽しく走ること、よく寝ること、他者とのいい関係を築くこと、そういったことがきもちよくできる自分のからだのあり方を見つけてください。

 

ヘンな体操が身体感覚を覚醒させる!

野口体操は、開脚や前屈、背中握手など無理めのゴールに向かう(で、だいたい挫折する)目標達成型のエクササイズではありません。体が硬くても運動が苦手でも大丈夫。

 
ゆらゆらにょろにょろ。一見ヘンな体操ですが、「きもちよさ」を基準にからだの声に耳を傾けながら、こり固まったからだをほぐし、身体感覚を覚醒させ、心身をひらきます。

野口体操は「からだの教養」であり、東京藝大必修体育として50年以上の実績をもつ「ゆる系」ボディワークの元祖。音楽家、美術家、舞踏家、演劇人に実践者が多い知る人ぞ知るメソッドです。

野口体操「上体のぶら下げ」。重さに任せて“ゆがみ”を取る。やわらかくほぐれていくからだを意識しましょう。

野口体操「上体のぶら下げ」。重さに任せて“ゆがみ”を取る。やわらかくほぐれていくからだを意識しましょう。

 

本書の目次より

■“できる・できない”はどちらでもいい

■きもちいいのか・よくないのか、それが問題

■野口体操に時代が近づいてきた

■大切なのは違いがわかる感覚

■体操を体操だけで終わらせない

■生卵は立つべくして立つ

■骨に重さを任せる

■力を抜いてからだの重さで動く

■オリンピック的価値観は忘れる

■指導した小学生が鉄棒の大車輪、後方宙返り

■立脚点は地球上の一生物としての人間

■芸術を志す学生にとって生涯役に立つ体操とは

■呼吸は意識でコントロールできる

…ほか

 

野口三千三の略歴

本書「はじめに」より。野口はことばによるフィードバックを重視した。/写真:佐治嘉隆

本書「はじめに」より。野口はことばによるフィードバックを重視した。/写真:佐治嘉隆

1914年 群馬県群馬郡駒寄村(現・北群馬郡吉岡町)に生まれる。

1934年(20歳) 群馬師範学校(現・群馬大学共同教育学部)卒業。高崎・歩兵第十五連隊に短期現役兵として5か月入営する。秋から高崎の尋常小学校教師として着任。

1935年(21歳) 中学校・師範学校教員国家検定試験合格(全国最年少、一番の成績)。

1936年(22歳) 高崎中央尋常小学校高等科教師として着任。

1943年(29歳) 群馬師範学校教官として着任。

1944年(30歳) 官立・東京體育専門学校(後の東京教育大学から筑波大学)に着任、助教授となる。 デンマーク体操を研究。 大谷武一、本間茂雄と出会う。

1946年(32歳) 江口隆哉・宮操子舞踊研究所入門。大野一雄と出会う。江口の著書『学校に於ける舞踊』 に理論面で協力。

1947年(33歳) 江口隆哉・宮操子舞踊公演(帝国劇場)に参加。文部省「学校体育指導要綱」の草案を執筆、創作舞踊導入のきっかけをつくる。

1949年(35歳) 東京藝術大学着任、 助教授となる。 在職中に三木成夫、 小泉文夫と出会う。

1955年(41歳) ボディビル協会理事に就任。玉利齊(三島由紀夫にボディビルを指導)と出会う。

1960年(46歳) 演劇界で野口体操が注目されはじめる。スタニスラフスキー研究。山本安英、岡倉士朗、 木下順二、 竹内敏晴と出会う。

1978年(64歳) 東京藝術大学教授となる。「朝日カルチャーセンター新宿」において野口体操の指導を開始、亡くなるまで20年間指導を続ける。

1982年(68歳) 東京藝術大学退官、 名誉教授となる。

1998年(83歳) 肺炎で死去。

 

著者プロフィール

著者の羽鳥操(はとり・みさお)さんは、東京都出身。国立音楽大学器楽科ピアノ科卒業。1975年から野口体操創始者・野口三千三(1914-1998)に師事。四半世紀にわたり助手を務める。「野口体操の会」主宰。「野口三千三授業記録の会」代表。

野口の没後「野口体操ふたたび」と題して、東京藝術大学の美術学部と音楽学部で集中講義を行う。朝日カルチャーセンターや国立音楽大学、明治大学、中央大学、立教大学等で体操指導・ワークショップに従事。

著書に『野口体操 マッサージから始める』(ちくま文庫)、『野口体操入門』(岩波現代文庫)など。2020年よりYouTube『野口体操ch』でも発信中。

 

東京藝大伝説の必修体操授業がよみがえる 「野口体操」ふたたび。 (基礎から身につく大人の教養)
羽鳥 操 (著)

野口体操はからだの教養。
「ゆらゆら」「にょろにょろ」ヘンな体操が身体感覚を覚醒!
内外の芸術関係者に熱心なファンをもつ
東京藝大伝説の必修体操授業が今よみがえる!

社会環境が目まぐるしく変化し、自分にとって何がいちばん大切か見えにくくなっている。
生きていることのいちばん確かな証拠は、このからだがあるということ。そのからだを動かせるということ。
からだにとっての「きもちよさ」を立脚点として、こり固まったからだをほぐし、身体感覚をひらき、心身をひらく。
野口体操を学び、楽に立つこと、自由に歩くこと、楽しく走ること、よく寝ること、他者とのいい関係を築くこと、
そういったことが気持ちよくできる自分のからだのありかたを見つけたい。

 


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