『子どもが心配』養老孟司さんが「教育の壁」に警鐘を鳴らす!
養老孟司さん著『子どもが心配 人として大事な三つの力』がPHP研究所より刊行されました。
養老孟司著さんが 子どもと本気で向き合ってきた四人のプロフェッショナルと対談
解剖学者の養老孟司さんは、都市化が進んだ社会に生きる子どもたちに対して、強い問題意識を抱いています。本書は、本来近い存在であるはずの「子ども」と「自然」の間を隔てる壁について、四人の識者と語り合う対談集です。
生まれたときからパソコンやインターネットに囲まれているデジタル世代にとって、学力以上に必要な三つの力の重要性を説いています。
◆「子どもが心配」な理由は“自殺”
養老孟司さんは鎌倉の保育園の理事長を30年以上務めるなど、長年にわたり日本の子どもたちのことを見つめてきました。その中で、時代とともに子どもたちの遊び場が次々に消失し、体を使って外で遊ぶ子どもの姿を見なくなってきたこと、自殺する子どもや若者が後を絶たないことに強い危機感を抱くようになりました。
教育をテーマにした雑誌の対談をきっかけにその思いは強まり、本書の刊行が具体化。解剖学者の著者が信頼をおく、児童精神科医の宮口幸治さん、小児科医の高橋孝雄さん、脳研究者の小泉英明さん、自由学園学園長の高橋和也さんが、それぞれの立場で子どもと本気で向き合ってきた経験をもとに、「子どもを幸せにする教育論」を展開します。
◆学力よりも大事な三つの力
本書は、養老孟司さんと子どもと真摯に向き合うプロフェッショナルとの対談を通し、「人間として大事な力」を育成する重要性を説いています。
その力とは、学びのための根本的な能力「認知機能」、相手のことを想像し思いやる「共感する力」、知識の詰め込みでは得られない「自分の頭で考える力」の三つです。専門家の言葉や考え方は、家庭での子育てや学校教育のヒントに溢れています。
本書の構成
◎第一章 「ケーキが切れない子ども」を変える教育とは
宮口幸治(児童精神科医、『ケーキの切れない非行少年たち』著者)×養老孟司
◎第二章 日常の幸せを子どもに与えよ
高橋孝雄(慶應義塾大学病院小児科医)×養老孟司
◎第三章 子どもの脳についてわかったこと
小泉英明(脳研究者、日立製作所名誉フェロー)×養老孟司
◎第四章 自分の頭で考える人を育てる――自由学園の教育
高橋和也(自由学園学園長)×養老孟司
著者プロフィール
著者の養老孟司(ようろう・たけし)さんは、1937年生まれ。鎌倉市出身。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1995年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。
1989年『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞。 著書に、『唯脳論』(青土社・ちくま学芸文庫)、『バカの壁』『超バカの壁』『「自分」の壁』『遺言。』『ヒトの壁』(以上、新潮新書)、『日本のリアル』『文系の壁』『AIの壁』(以上、PHP新書)など多数。
子どもが心配 人として大事な三つの力 (PHP新書) 養老 孟司 (著) 子どもたちの遊び場が次々に消失し、体を使って外で遊ぶ子どもの姿を見なくなった。自殺する子どもも、後を絶たない。子どもは本来「自然」に近い存在だと論じる解剖学者が、都市化が進んだ現代の子どもを心配に思い、四人の識者と真摯に語り合う。 ●「『ああ、そうだったの。でもあなたにも問題があるんじゃないの?』みたいなことを言ったら、一発アウトです。子どもは自分の話を否定されたことで、大人が思っている以上に傷つきます」(宮口幸治) |
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