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『人間が生きているってこういうことかしら』ゲノム研究から生命の歴史を見てきた生命誌の研究者と4000人以上の患者と向き合ってきた在宅ホスピス医が話す「いのちの話」

内藤いづみさん・中村桂子さん著『人間が生きているってこういうことかしら?』(ポプラ社)

内藤いづみさん・中村桂子さん著『人間が生きているってこういうことかしら?』(ポプラ社)

いのちに向き合う二人のスペシャリスト、内藤いづみさん・中村桂子さん著『人間が生きているってこういうことかしら?』がポプラ社より刊行されました。

 

「生命誌」の第一人者・中村桂子さん×4000人の命に寄り添ってきたホスピス医・内藤いづみさん――人間の生き方について、別の道で探求してきたふたりが「生きもの」としての人間を根本から見つめなおす、「いのち」の対談

近年、新型コロナウィルスの影響で、私たちは今までの普通に過ごしてきた日常が奪われ、新しい生活様式を実践するようになりました。そして毎日を懸命にやり過ごす中で、人々は、今まで不自由なく幸せに生きてきたこと、生きるということの果てに死が待っていること、「生死」について、より深く考えるようになったのではないでしょうか。

生き方を考え直さなければならないことが次々と起こる今、「生きもの」としての人間を根本から見つめなおしたい――。そんな思いから、生命誌の視点で人間を見つめてきた中村桂子さんと、在宅ホスピス医として数多くの看取りに立ち合ってきた内藤いづみさんが語り合います。

 
人間の生命に向き合うプロフェッショナルな視点で発せられる言葉は、とても朗らかで、大胆で、わかりやすく、私達を安心させてくれます。生きた後の事は、深く悩み考えても、誰にも分かりません。

 
38億年をかけて織りなされた地球のいのちのつながり、その中で人間はどこにいるのか。死にどのように向き合あうのか。「生きもの」としての人間がつくる社会はどのようなものか。

今を生きるアナタへ、「人間が生きているって こういうことなのかしら?」と、お二人と一緒に考えてみませんか?
読んでいると、素敵なお庭でお二人と一緒にお話しているような、優しい気持ちになれる一冊です。

写真:小林キユウ

写真:小林キユウ

 

本書の構成

 
プロローグ チョウの飛ぶ庭で

★その人らしく旅立つために
在宅ホスピスの今/わがままな患者さん/「きりがありませんから」/痛みがなくなると/ふつうの女の子の戦争/いのちに差別なし/一つの出会いが心を照らす/四つの苦しみをとる/「聞く」ことに力がある/「いる」だけでいい

★生きているとはどういうことか
「ありがとう」「ごめんなさい」/生きているとはどういうことか/DNAは美しかった/患者になってわかること/科学と日常をつなぐ/いのちと時間とDNA/言葉がひらくアイデア/話すより深く語り合う/いのちを「愛づる」/ありのまま引き受ける/地球をめぐるいのち/いのちの卒業証書/「中から目線」の大切さ

★私たち生きものの中の私
人間は弱いから立ち上がった/いのちの俯瞰図/人間の可能性/今あるもので生きていく/言葉から未来を考える/人間は星の子/森のいのちの物語/私たち生きものの中の私/生きものの社会をつくる/「脱炭素」は可能なのか/植物をベースにした社会

★「わからないこと」に上手に向き合う
叱られた大人として/「わからないこと」はだめなのか/思い通りにいかなくても/自然は想定外だらけ/寝そべって聞いていても/マルかバツかでは決まらない/蟲愛づる姫君と農業の話/今を大事に生きる

エピローグ アリの話

 

著者プロフィール

写真:小林キユウ

写真:小林キユウ

 
■中村桂子(なかむら・けいこ)さん

1936年生まれ。東京都出身。東京大学理学部化学科卒業。早稲田大学人間科学部教授などを経て、JT生命誌研究館を創設。長年館長を務めその間、大阪大学連携大学院教授。現在は名誉館長。

著書に『自己創出する生命』(ちくま学芸文庫/毎日出版文化賞)、『「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』(集英社)など。

 
■内藤いづみ(ないとう・いづみ)さん

1956年生まれ。山梨県出身。福島県立医科大学卒業。ふじ内科クリニック院長長。在宅ホスピスの新たな取り組みが注目され、各地講演会やメディア出演も多数。

著書に『笑顔で「さよなら」を在宅ホスピス医の日記から』(KKベストセラーズ)、『4000人のいのちによりそった“看取りの医者”が教える 死ぬときに後悔しない生き方』(総合法令出版)など。

 

人間が生きているってこういうことかしら?
中村 桂子 (著), 内藤 いづみ (著)

新型コロナウイルスのパンデミック、地球温暖化、拡大する経済格差……。生き方を考え直さなければならないことが次々と起こる今、「生きもの」としての人間を根本から見つめ直したい――。そんな思いから、生命誌の視点で人間を見つめてきた中村桂子と、在宅ホスピス医として数多くの看取りに立ち合ってきた内藤いづみが語り合います。38億年をかけて織りなされた地球のいのちのつながり、その中で人間はどこにいるのか。死にどのように向き合うのか。「生きもの」としての人間がつくる社会はどのようなものか。一人ひとりの中にある「いのちの力」を信じ、「わからないこと」に上手に向き合って、今日から明日へと歩くために――。

 


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