『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』街も給与も教育も、米中の支配下に!?
ベストセラー『日本が売られる』の著者・堤未果さんによる3年ぶりの書き下ろし『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』が、NHK出版より刊行されました。
「日本デジタル化計画」の恐るべき裏側に迫る!
9月1日、国のデジタル化を進めることを目的に情報システムの構築などを行う新たな行政機関「デジタル庁」が発足しました。そのほかにも、スーパーシティ、キャッシュレス化、オンライン教育、マイナンバーなど、デジタル改革の名のもとに、私たちの周りではさらなるデジタル化が推進されようとしています。
そこから浮かび上がってくるものとは何か。それはアマゾン、グーグル、ファーウェイをはじめとする米中巨大テック資本が、行政、金融、教育など、日本の“心臓部”を狙っているという現実です。
本書『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』では、気鋭の国際ジャーナリスト・堤未果さんが、緻密な取材と膨大な資料をもとに「日本デジタル化計画」の恐るべき裏側を暴きます。
高速で進化する〈デジタル技術〉の影響力は凄まじく、よほどのことがない限り、仕事でも私生活でも、デジタルを使わないという選択肢はありません。
電車に乗るときや買い物をするときはもちろん、自動運転車やゲノム医療、ビッグデータにブロックチェーン、人工知能にヴァーチャルリアリティ、聞いているだけでワクワクする、SF小説のような世界が次々に実現していきます。
そんな中、2020年9月に就任した菅義偉内閣総理大臣は、新政権の目玉政策として「日本全国デジタル化(Society5.0)計画」を打ち出しました。総理自らがトップに立つ強力な機関であるデジタル庁の創設や、全国民のマイナンバー活用、自治体のデジタル化にオンライン教育、給与をスマホに直接入金するキャッシュレス給与、最速の通信技術「5G」で一都市の全てをつなぐスーパーシティなど、デジタル尽くしの政策が次々に並べられてゆきます。
デジタル化によって、得るものと失うもの。オンライン教育の光と影。この社会を支配するお金の仕組みと、陽の当たらない場所で粛々とこの国を支える大切な存在について。デジタルをめぐり各国が繰り広げるパワーゲームや、次に来る「ゴールドラッシュ」に群がるであろう国内外の企業群。
デジタルを通して私たちの資産と主権を平気で売り渡しているのは、一体誰なのでしょうか。デジタルと最も相性がいいのは、他でもない「ファシズム」であることを、デジタル政府、キャッシュレス、オンライン教育といった視点から読み解いていきます。
本書は、デジタル政府、デジタルマネー、デジタル教育の3部で構成します。
第I部「政府が狙われる」では、9月1日発足の「デジタル庁」の特徴とともに、オンライン会議ツール「Zoom」や動画共有アプリ「TikTok」、ECサイト運営などWEBサービスを提供する「アマゾン」などを引き合いに、「日本デジタル化計画」推進上のリスクを解説します。また、地域と事業者と国が一体となって「まるごと未来都市」の実現を目指す「スーパーシティ構想」の落とし穴についても取り上げます。
第II部「マネーが狙われる」では、まずキャッシュレスやデジタル給与などを事例に、スマホ決済の弊害について見ていきます。続いて、取引のさらなる活発化が予想されるデジタル通貨がもたらすマネー戦争について説明。まとめとして、デジタルは目的ではなく手段としてとらえ、お金についての「匿名性」や「主権」や「自由」を手放さないと決めることが未来の社会へ大きな影響を与えるのだと説きます。
第III部「教育が狙われる」では、生徒一人一台のタブレット支給とクラウドの活用、高速大容量インターネット通信環境を全国の国公私立の小中学校に整備する「GIGAスクール構想」に触れたうえで、教育上のあらゆるものがデジタル化していく仕組みやエドテック(教育〈Education〉と技術〈Technology〉の組み合わせ)などについて解説します。また、オンライン教育がドル箱としてビジネスや投資の対象となっていくことや、教育にAIが導入されることによって教師や教科書がいらなくなるであろう未来を踏まえ、未来の教育はどうあるべきかということについても考えます。
世界に後れを取るなとばかりに急速にピッチを上げる〈デジタル改革〉。私たちはこの改革をよく理解しないまま、あらゆるデジタル化を急かされようとしています。そんな今だからこそ、本書がデジタル化の是非について正常に判断するための学びとなるはずです。
本書の構成
プロローグ
第I部 政府が狙われる
第1章 最高権力と利権の館「デジタル庁」
第2章 「スーパーシティ」の主権は誰に?
第3章 デジタル政府に必要なたった一つのこと
第II部 マネーが狙われる
第4章 本当は怖いスマホ決済
第5章 熾烈なデジタルマネー戦争
第6章 お金の主権を手放すな
第III部 教育が狙われる
第7章 グーグルが教室に来る!?
第8章 オンライン教育というドル箱
第9章 教科書のない学校
エピローグ
著者プロフィール
著者の堤未果(つつみ・みか)さんは、国際ジャーナリスト。東京都出身。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号。
国連、米野村證券などを経て、米国と日本の政治、経済、医療、教育、農政、公共政策、エネルギーなどをテーマに、取材現場と公文書による調査報道で活躍中。講演や各種メディア出演などに幅広く活躍。
著書に『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞)、『ルポ 貧困大国アメリカ』(中央公論新書大賞、日本エッセイストクラブ賞)、『日本が売られる』『沈みゆく大国アメリカ』『政府は必ず嘘をつく』『社会の真実の見つけかた』ほか著書多数。
デジタル・ファシズム: 日本の資産と主権が消える (NHK出版新書) 堤 未果 (著) 街も給与も教育も、米中の支配下に!? コロナ禍の裏で、デジタル改革という名のもとに恐るべき「売国ビジネス」が進んでいるのをご存じだろうか? |
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