『パンデミックの世紀』必ずまた起こる「新たなパンデミック」の前に読む一冊!「スペイン風邪」から新型コロナウイルス感染症まで、疫病に対する科学者たちの苦闘の歴史を克明に描く!

マーク・ホニグスバウムさん著『パンデミックの世紀 感染症はいかに「人類の脅威」になったのか』(訳:鍛原多惠子さん)
「スペイン風邪」から新型コロナウイルス感染症まで、疫病に対する科学者たちの苦闘の歴史を克明に描いた、マーク・ホニグスバウムさん著『パンデミックの世紀 感染症はいかに「人類の脅威」になったのか』(訳:鍛原多惠子さん)が、NHK出版より刊行されました。
スペイン風邪、腺ペスト、オウム病、レジオネラ肺炎、エイズ、SARS、エボラ出血熱、ジカ熱、新型コロナウイルス感染症……感染症の歴史を専門とする著者が、繰り返すパンデミックの真の原因に鋭く迫る!
現在、世界を揺るがしている新型コロナウイルス感染症のパンデミック。多様な変異株の登場によって新たな局面を迎え、事態の推移に対する予断を許さない状況が続いています。
本書は史上最も多くの死をもたらした疫病と言われる「スペイン風邪」以降の100年を「パンデミックの世紀」と位置付け、この期間に起こった代表的な感染症の流行について、未知の病原体が発見されて急速に拡大していく様子や、被害を食い止めるべく奮闘する科学者たちの姿を描き出すなかで、感染症がいかに「認識の盲点」をすり抜けていったかを明らかにする一冊です。
「認識の盲点」とは何でしょうか?
第1章で扱う「スペイン風邪」においては、それは病原体でした。「スペイン風邪」はインフルエンザの一種ですが、著者は1918年当時の医学者たちがこの疫病を軽視していたと述べています。その理由は、彼らが「自分たちはインフルエンザの感染経路を把握している」と思い込んでいたことにあります。1892年にドイツの医学者が「インフルエンザ菌」を「発見」したことが世界中の新聞の見出しを飾り、すぐにワクチンが作製されるだろうと考えられていたのです。
しかし、実際には、インフルエンザの病原体は細菌よりも小さなウイルスでした。そのことが明らかになるまでの間、同定すべき病原体が細菌であるという間違った前提のもとに対策や研究が続けられてしまった――これが「認識の盲点」です。
本書では10あまりの感染症について、病原体の特定に関わる困難だけでなく、感染症の報道をめぐるビジネス界の思惑や、新たな病気の発見という栄誉をめぐる科学者たちの競争などを含めた社会の反応について詳述しています。
そこから見えてくるのは、私たちは感染症が急速に拡大する過程では過剰なほどヒステリックに反応するにもかかわらず、いったん収束するとパンデミックの記憶をすぐに忘れ去ってしまうということです。医師や科学者たちの努力によって貴重な知識や教訓が得られても、新たなパンデミックが起こるたびに、初めてそれに遭遇したかのように驚き、またパニックに陥ってしまう――今回の新型コロナウイルス感染症でもそれは同様だったのではないでしょうか。
本書を読めば、現代はいかに疫病の流行が起こりやすい状況にあるかがわかります。著者は新たな疫病の流行は「起きるかどうかではなく、いつ起きるかの問題」だと書いています。
本書の著者マーク・ホニグスバウムは、ロンドン大学シティ校で医学史を教える上級講師でジャーナリスト。感染症の歴史を専門とし、学術活動のほか、科学をテーマにしたアニメーションの制作にも携わっており、YouTubeのTed-Edチャンネルで見ることのできる 「パンデミックはどのようにして起こるのか?(How Pandemics Spread?)」というアニメーション(動画のリンク:https://www.youtube.com/watch?v=UG8YbNbdaco&t=34s)は300万回以上再生されています。
彼が10年にわたる調査をもとに書き下ろしたThe Pandemic Century: One Hundred Years of Panic, Hysteria, and Hubrisは2019年の「フィナンシャル・タイムズ」ベストブックに選出されました。『パンデミックの世紀』は、それに新型コロナウイルスの章を増補したThe Pandemic Century: A History of Global Contagion from the Spanish Flu to Covid-19の全訳です。
【各紙誌の書評】
◎ホニグスバウムは医療の科学について説明する天賦の才を与えられた人物だ。この本には、疫学について知っておくべきことのすべてが書かれている。
――「サンデー・タイムズ」紙
◎『パンデミックの世紀』に出てくる場面のいくつかはあまりに鮮明に描かれていて、頭の中で映画のシーンのように再現された。ホニグスバウムは、我々がよく知っているものでも、忘れ去られたものでも、感染症には驚くべき類似性があることを明らかにしている。
――「ニューヨーク・タイムズ」紙
◎手に汗握る。
――「ネイチャー」誌
本書の構成
プロローグ――サメと感染症(ポリオ)
第1章――青い死病(スペイン風邪)
第2章――天使の町の疫病(ペスト)
第3章――オウムが運んだヒステリー(オウム病)
第4章――フィリー・キラー(レジオネラ肺炎)
第5章――在郷軍人病ふたたび (レジオネラ肺炎)
第6章――アメリカのエイズ、アフリカのエイズ(後天性免疫不全症候群)
第7章――SARS─ スーパースプレッダー(重症急性呼吸器症候群)
第8章――国境地帯のエボラウイルス(エボラ出血熱)
第9章――ジカ熱のZ(ジカウイルス感染症)
第10章――疾病X(新型コロナウイルス感染症)
エピローグ――パンデミックの世紀
著者プロフィール

著者のマーク・ホニグスバウム(Mark Honigsbaum)さんは、医学史家、ジャーナリスト。ロンドン大学シティ校上級講師。
感染症の歴史を専門としており、医学・環境人文学と科学社会学の知見を組み合わせて、ワクチンをめぐる科学的知識についての研究に取り組む。一般紙「オブザーバー」や医学誌「ランセット」に定期的に寄稿するほか、本書『パンデミックの世紀』をはじめとして感染症に関する5冊の著書がある。
| パンデミックの世紀: 感染症はいかに「人類の脅威」になったのか マーク・ホニグスバウム (著), 鍛原 多惠子 (翻訳) スペイン風邪から新型コロナウイルスまで、感染症に対する人類の苦闘を克明に描く 1918年の「スペイン風邪(インフルエンザ)」の流行以来、人類を襲ったいくつもの感染症。科学史・医療社会学を専門とする著者は、10年にわたる調査をもとに、未知の病原体の発見と感染の急速な広がりが大規模な被害とパニックを引き起す過程、それらに対する科学者たちの懸命の取り組みを克明に描き出す。人間の「認識の盲点」を突くパンデミックに対抗するには特定の分野の専門知だけでは不十分であり、生態学的・免疫学的・行動学的要因を総合的に分析する必要があることを明らかにする一冊。「フィナンシャル・タイムズ」ベストブック2019に選出された話題作に、新型コロナウイルスの章を加えた決定版! |
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