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『「丁寧」なのに仕事が速い人のヒミツ』「丁寧」は最強の武器!

池田輝男さん著『「丁寧」なのに仕事が速い人のヒミツ』

池田輝男さん著『「丁寧」なのに仕事が速い人のヒミツ』

ピアノ運送で日本一の実績を誇る会社の仕事術を取り上げた、池田輝男さん著『「丁寧」なのに仕事が速い人のヒミツ』が海竜社より刊行されました。

 

すべての仕事のベースにある「丁寧」

著者の池田輝男(いけだ・てるお)さんは、池田ピアノ運送株式会社の代表取締役社長を務めています。取り扱うものはピアノばかりでなく、大型家電、フィットネス器具、OA機器、通信設備機器、音響製品、印刷機器など大型精密機械全般に渡ります。

 
会社の顧客アンケートは、白紙でFAX送付とハードルがありながら、提出率は高く、約6割が「仕事が丁寧」、約4割が「迅速」と回答を得ています。

なぜこれだけ高い評価を受けるのか。その理由となるキーワードこそ「丁寧」です。そこには時間をかける「ただ丁寧なだけ」ではない、スピード感が求められます。

 

「丁寧」さは技術ばかりではない

「丁寧」かつ「迅速」を実現するための仕事術を、池田ピアノはどのように実践しているのでしょうか。本書では多くの具体例が取り上げられていますが、その一部を紹介します。

 
◎ピアノ本体は手の甲でチェック(指紋や皮脂を付けないのはもとより、手の甲は指や手のひらより敏感なため)
◎ピアノはすり足で運ぶ(伝統芸能の能のイメージ)
◎匂いへの気配り(社員にはボーナスで禁煙手当も支給)
◎前日のルート確認など徹底した事前準備(事故やミスを防止し、仕事のイメージを掴みゴールをイメージ。「丁寧な仕事」の8割は「準備」で決まる)

…といったものです。

 
これらの例を見てゆくと「丁寧な仕事」には、技術ばかりではなく、顧客の立場を考えた気づかいが求められるとわかります。著者は「お客様が感動するのは技術を提供する『人』」であり、その人がする仕事の「丁寧さ」にあると説きます。

 
ただし、現代の風潮としてありがちなサービスの押し付けや、クレームを恐れた「転ばぬ先の杖」的な過剰なサービスには否定的です。さらに、一律のマニュアルに縛られない「お店ごとのマイルール」を作る必要を著者は説きます。こうした顧客の百人百様のニーズに合わせるメソッドはあらゆる職種に応用可能なものでしょう。

 

「丁寧」を志向する著者の原点

著者は、大学卒業後、大学事務職員を経て、業界ナンバーワンと言われたピアノ運搬会社へ入社します。そこでまかり通っていた、仕事の粗雑さに疑問を持ち「ピアノ運搬業界のステイタスを上げる」目標を掲げ、現在の会社へ転職し、業界トップと成長させました。

 
そこで意識したのは「丁寧な仕事」にほかなりません。それは特別なスキルな能力を必要としない「日本人だったら当たり前に共通認識として持っているものをベースにした仕事術」だと著者は記します。本書を読み、今すぐにできる「丁寧な仕事」を始めてみてはいかがでしょうか。

 

本書の構成

はじめに 顧客が勝手に増える「丁寧」のヒミツ

第1章 日本の「丁寧な仕事」を考え直す
やっぱり日本のサービスは世界一だった!
日本と海外のサービスの歴然たる差
日本人はなぜ世界一丁寧なのか
「先回りのサービス」を磨く
「ちょっと残念」な日本のサービスもある
丁寧仕事で「マイルール」を作りなさい
「レベルの低いサービス=日本のおもてなし」と思われる日がくる
文化はきちんと教育すれば伝わる
マイルール教育は、お客様に対して行ってもいい

第2章 「丁寧さ」を武器にした仕事術
結局、最後は「丁寧さ」が勝つ
なぜ、お客様は丁寧な仕事に感動するのかモノづくり大国 ニッポンは何がすごかったのか
「丁寧」の語源は中国の楽器
「丁寧仕事術」はマーケット・イン思想に基づいている
丁寧仕事術でピアノ運送業界ナンバー1になった
思いやる仕事のために、まず相手を観察しよう
池田ピアノ運送の「丁寧仕事」の一例
丁寧を貯金すれば、あなたの顧客は「一生客」になる
雑な仕事には雑なお客が集まってくる

第3章 丁寧仕事は「準備」が8割
「準備」は丁寧な仕事に直結している
1パーセントの準備不足が大変な事故に発展する
準備が「人間のポテンシャル」を引き出す
万端な準備は「相手への丁寧」として表出する
準備をすることでゴールイメージが明確になる
準備の基本は「5S」にある
「整理・整頓」の意味を知っていますか
丁寧仕事術のために「心技体」を鍛えよう
何よりも「体」が基本になる
朝イチの「お祝い体操」で一日のパフォーマンスが上がる
大事なのは成功イメージによる心と体の連動
万端な準備のために事前確認は3回行おう
事前確認は「チームでやる意識」で行おう

第4章 「丁寧仕事人」を育てるために大切なこと
不器用な人でも丁寧仕事人になれる
環境を整えないと心は整わない
新人は「素直な人」を採用して育成しよう
社会は長距離マラソン。素直な人が勝つようにできている
最初に教えるべきは技能よりもビジネスマナー
すべてのビジネスを「サービス業」としてデザインする
絶対に教えておくべき5つのマナー
「3人の石工」に学ぶ仕事へのマインドの違い
仕事に本気になる社員を育てる自立のススメ
「雑な人」が丁寧仕事人に変わる三つのコミュニケーション術
指導する側の言葉づかい一つで「不幸を描く天才」を減らせる
「笑顔、安全、迅速、丁寧、確実」。これが究極の丁寧仕事人

第5章 丁寧仕事を「仕組み化」「習慣化」する環境整備
なぜ環境整備が必要なのか
整頓してムダを省けば仕事は効率化できる
「探す」に年間150時間が充てられている
まずは線を揃えるところから始めてみよう
情報を整頓する時は「タイトル」がもっとも重要
適確な報連相が丁寧な仕事を生む
ルールを徹底するためにマニュアルで仕組みを作ろう
苦手でも、とにかく1行書いてみる
これからの時代のマニュアルは動画で作るべし
動画サイトでのマニュアル共有で、隙間時間で確認ができる
動画であれば、マニュアル以外にも活用できる
お客様からほめられる仕組みを作ろう
お客様アンケートで「自社の強み」が見えてくる
アンケートでクレームは増えるのか
お客様から感謝されるアンケートの作り方
お客様からほめられたことを自社のサービスに転換する
社内に感謝の文化を生む仕組み「サンクスカード」
クレームは宝。会社を伸ばす財産になる
当たり前のことを毎日コツコツ続けられるか

第6章 丁寧仕事で人生は豊かになる
ピアノ運送業界も40年で大きく変わった
空気が循環しないがゆえの上げ止まり
当たり前のことを当たり前にやる大切さ
競争しない仕組みで「業界でも目立つ存在」になれる
なぜ河合楽器の関東の幹事会社になれたのか
丁寧仕事術はAIに乗っ取られることはない
丁寧な仕事は「丁寧な人生」につながっている
プロ意識を持てば丁寧な仕事ができるようになる
どんな仕事でもプロ意識を持つことはできる
ピアノが届いた瞬間が喜びのクライマックス
「丁寧な経営」でどんな会社になれるのか

巻末コラム 業界さまざま 私の丁寧仕事術

 

「丁寧」なのに仕事が速い人のヒミツ
池田 輝男 (著)

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