赤松りかこさん「第55回新潮新人賞」受賞作を収録『グレイスは死んだのか』が刊行
2023年10月に「シャーマンと爆弾男」で第55回新潮新人賞を受賞した赤松りかこさんのデビュー作品集『グレイスは死んだのか』が新潮社より刊行されました。
東京の只中にマジカルな異空間を出現させ、選考委員の称賛を得た第55回新潮新人賞受賞作「シャーマンと爆弾男」も併録。
『グレイスは死んだのか』収録作品
◆「グレイスは死んだのか」
この新星の圧倒的筆力は、人と獣と精霊の境を軽々と越える。
「躾と調教は根本から違うんだ」調教師の男とその犬グレイスが深山で遭難した。劇的に逆転する人と獣の主従関係。山中での凄絶なサバイバル。そこに露呈した「命」の本質とは――。
◆「シャーマンと爆弾男」
現代の東京にシャーマンと革命の時空を出現させ、選考委員の高評価を得た新潮新人賞受賞作。
南米にルーツを持ち、族長である母にシャーマンとして育てられ、東京・世田谷に生きる女性アリチャイの物語。
〔又吉直樹さん 選評より〕
屋台崩しのように幻想が剥がされ、アイデンティティが崩壊していく不安と恐怖を綴りながら、それでも母に与えられた使命を拠り所に生きるしかない心境が描かれていた。信じていたものが崩れていくさまにユーモアがあり、それでも信じていたものを棄てきれない葛藤に人間の姿が見えた。
著者プロフィール
赤松りかこ(あかまつ・りかこ)さんは、1977年生まれ、東京都世田谷区出身。日大二高、獣医大学を卒業後、臨床獣医師を二十年。
2023年「シャーマンと爆弾男」で第55回新潮新人賞を受賞しデビュー。
グレイスは死んだのか 赤松 りかこ (著) この新星の圧倒的筆力は、人と獣と精霊の境を軽々と越える。大型新人デビュー作。 |
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