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せきしろさん初の単独句集『そんな言葉があることを忘れていた』が刊行

作家・俳人のせきしろさん初の単独句集『そんな言葉があることを忘れていた』が左右社より刊行されました。

 

郷愁の極北をゆく全320句

『そんな言葉があることを忘れていた』は、『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』など、又吉直樹さんとともに自由律俳句作家として活躍するせきしろさんによる初の単独句集です。

 
<又吉直樹さん「解説」より>

枠の中で生きられなかった俳人が定型ではなく自由律を志すことに必然性を感じるが、せきしろさんも平穏無事に社会生活を送れる感性ではない。やはり、せきしろさんも自由律を選んだのではなく、魂の形がすでに自由律だったのだろう。

 
【『そんな言葉があることを忘れていた』収録句より】

走る春の小学生に追い抜かれる

シンクで水が跳ねて響く内見

免許証コピーしただけで熱いサドル

盆踊りをやっている気配がすごい

風やんで夏がもうない

お湯が沸いて憂鬱が中断

漫画のスカジャンを着た人が怒っている

あなたの牡蠣は小さいから二個と仕切る人がいる

この静けさは雪だろうと窓へ

死が約束を破る

消える前に一句

誰もいなくなったとしても故郷

 

本書の目次

経年
孤影
叙景
過古

解説 自由律俳句の道標として後世まで残り続ける――又吉直樹
あとがき

 

著者プロフィール

せきしろさんは、1970年生まれ、北海道出身。北海道北見北斗高校卒業。文筆家、俳人。

主な著書に『去年ルノアールで』『たとえる技術』『海辺の週刊大衆』『たとえる技術』『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』『その落とし物は誰かの形見かもしれない』『バスは北を進む』『放哉の本を読まずに孤独』など。又吉直樹さんとの共著に『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』がある。

 

 


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