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王谷晶さん『ババヤガの夜』がロサンゼルス・タイムス「この夏読むべきミステリー5冊(2024年)」に選出

左:アメリカ版表紙、右:河出文庫版表紙

左:アメリカ版表紙、右:河出文庫版表紙

王谷晶さんのシスター・バイオレンスアクション小説『ババヤガの夜』(河出書房新社)の英語(アメリカ)版が7月2日に発売となりました。また、ロサンゼルス・タイムスでは「この夏読むべきミステリー5冊(2024年)」に選出されています。

 

アメリカ版が発売前から話題騒然! イギリス版も2024年9月に発売予定

「愛ではない。愛してないから憎しみもない。
憎んでないから一緒にいられる。
今日も、明日も、来年も、おそらく死ぬまで。」
(本文より)

 
王谷晶さん初の本格長編小説にして、日本推理作家協会賞長編部門および連作短編集部門の候補となるなど、多くの話題を呼んだシスター・バイオレンスアクション小説『ババヤガの夜』(単行本=2020年10月刊/河出文庫=2023年5月刊)。本作は世界からの注目も集まっており、韓国語版(2022年12月刊)に続いて、英語(アメリカ)版も7月2日に発売となりました。

なお、今後、2024年9月には英語(イギリス)版も刊行予定。他にイタリア語版、ブラジル版(ポルトガル語)も刊行が決定しています。

 
【アメリカ版の出版社:Soho Pressによる内容紹介】

『キル・ビル』×『お嬢さん』×『テルマ&ルイーズ』!
王谷晶の英語版デビュー作は、時代と性別を超えて大胆に展開し、それぞれの概念の定義と可能性を広げる。この洗練された物語は、炎の中で結ばれた絆は決して切れないことを証明している。

 
英語(アメリカ)版は、刊行を前にして既に多くのメディアで高い評価を得ており、ロサンゼルス・タイムスでは「この夏読むべきミステリー5冊(2024年)」に選出、Ms. MAGAZINE誌では「2024年に最も期待するフェミニスト本」として紹介されています。また、アメリカで信頼されている複数の書評メディアから“星つき”のレビューを獲得することは異例で、高い評価とともに強い期待が寄せられています。

 
<海外各メディアで高い評価(一部抄訳)>

[この夏読むべきミステリー5冊]斬新なレンズを通して、王谷は極めて洗練された手法で女性をエンパワメントする物語を紡ぎ出す――『テルマ&ルイーズ』対ヤクザを思い浮かべてほしい。サムライの血を引くタフな女性と、「掃きだめの鶴」のような繊細な女性。一見不釣り合いな二人の誰も予想しない関係が描かれ、読者に勇気を与えてくれる。
――ロサンゼルス・タイムス(Los Angels Times、2024/6/17)

2024年に最も期待するフェミニスト本
――Ms. MAGAZINE誌(2024/2/9)

プレビュー ミステリー&スリラー トップ10
――パブリッシャーズ・ウィークリー 2024年春号(2023/12/1)

攻撃的でありながら胸が躍る。痛々しくも優しい『ババヤガの夜』は、暴力、愛、家族、名誉といった概念に対して大胆に疑問を投げかけ、あらゆる社会のシステムの中で自己の境界線を再構築する勇気を与えてくれる。
――ジャパン・タイムス(Japan Times、2024/6/27)

太陽系を蹴散らす武術スリラーであり、痛烈なクィア・ラブストーリーでもある王谷晶のメリハリの効いたプロットによる『ババヤガの夜』は、暴力的かつ侵犯的な驚嘆に満ちた作品だ。この小説の中心となる2人の女性――タフなボディーガードの新道依子と、彼女が守るべきヤクザの「姫」である尚子――は、表面的にはこれ以上ないほど対照的だが、ヤクザの残虐性から自由に生きたいという願望を互いに目覚めさせている。私はこの小説を息もつかせぬ速さで読んだが、その結末のあまりの力強さに、いまだに感動が冷めやらない。
――John Copenhaver(ラムダ賞受賞作『HALL OF MIRRORS』著者)

王谷の爆発的デビュー作は、ジェンダーと時間を操り、手に汗握る破格のスリラーを提供する。
――トーキョー・ウイークエンダー(Tokyo Weekender)

王谷の芸術的でリズム感に優れた文章は、サム・ベットの巧みな翻訳によって読者を引き込む。
――パブリッシャーズ・ウィークリー(Publishers Weekly)星つきレビュー

犯罪スリラーとクィア・ロマンスをマッシュアップし、自由であるためにすべてを賭ける女性の力を見せてくれる。
――ライブラリー・ジャーナル(Library Journal)星つきレビュー

シャープな文章は、アクションの連続、緊迫したやりとり、優しい瞬間を、巧みさと生き生きとしたディテールで伝える。2人の女性があらゆる慣習に反抗し、自由を取り戻すために多くの危険を冒すダーク・スリラー。
――フォアワード・レビュー(Foreword Reviews)星つきレビュー

円環的なプロット、明確な悪役、原始的なモチーフはグリム童話を彷彿とさせる。文学のジャンルを超えたこの小説は、おとぎ話の翻案、正義と復讐の物語、クィア小説を好む読者を虜にするだろう。
――ブックリスト(Booklist)星つきレビュー

王谷晶の英語版デビュー作は、日出ずる国を舞台にした犯罪スリラーに期待される要素をすべて備えている。
――ブックページ(BookPage)星つきレビュー

 
【あらすじ】

お嬢さん、十八かそこらで、なんでそんなに悲しく笑う? 暴力を唯一の趣味とする新道依子は、関東有数規模の暴力団・内樹會にその喧嘩の腕を買われる。会長が溺愛する一人娘の運転手兼護衛を任されるが、彼女を過酷な運命に縛りつける数々の秘密を知り――。血が逆流するような描写と大胆な仕掛けで魅せる不世出のシスター・バイオレンスアクション!

 

著者プロフィール

 
■王谷晶(おうたに・あきら)さん

1981年生まれ、東京都出身。著書に『完璧じゃない、あたしたち』、エッセイ『どうせカラダが目当てでしょ』『40歳だけど大人になりたい』など。

■英語版訳者:サム・ベット(Sam Bett)さん

1986年生まれ、ボストン出身。小説家、翻訳者。訳書に三島由紀夫『スタア』、太宰治『道化の華』『乞食学生』、デビッド・ボイドさんとの共訳で川上未映子さん『夏物語』、『ヘヴン』(国際ブッカー賞候補)、『すべて真夜中の恋人たち』(全米批評家協会賞候補)など多数。

 

ババヤガの夜 (河出文庫)
王谷 晶 (著)

暴力を唯一の趣味とする新道依子は、関東有数規模の暴力団・内樹會会長の一人娘の護衛を任される。英訳決定!二度読み必至、血と暴力の傑作シスター・バイオレンスアクション、ついに文庫化。解説深町秋生

 


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